ゴミ収集清掃員の大変さ
9日の「天声人語」にゴミ収集清掃員のことを取り上げていた。週2回家の前に出した燃えるゴミやステーションに出した分別ごみなどを集めてくれる。ゴミ収集車は大変ありがたい仕組みである。
ゴミ収集車の後を通るとゴミの匂いがとても臭く、急いで通り過ぎるが、作業員の人たちは臭くて大変だろうと思う。
私はゴミ収集の作業で一番大変なのは匂いだろうと思っていた。ゴミの入った袋を手早くポンポンと車に投げ入れていくだけの単純作業だと思っていた。
ところが天声人語を読んで、そんな単純作業ではなく、頭脳労働だと知った。ゴミを投げてギッシリ積めるには10年の熟練を要するそうだ。ただ投げ入れるだけでは車が隙間だらけで満杯になる。量と中身に応じて隙間なく積み込まないといけないのだという。
出発前にカレンダーを見て量を予想するそうだが、日によってゴミが出る量がことなるようだ。経験的にデータがあるのだろう。いつも同じ車が来ていると思っていたが、使うべき車両を決めるという。
また道路工事の予定を調べるという。工事で通れなかったら大変だ。天気の具合も降るか降らないか調べるというが、大雨や雪の日などは作業に影響が大きいだろう。
ゴミ収集車に乗り込んで収集の実務を調査した研究者がいると紹介していた。大東文化大学の藤井誠一郎准教授である。藤井准教授は「驚くほど大変な頭脳労働。何か見落としがあると、収集が遅れ、多くの家庭や職場に迷惑をかけてしまいます」と言っているそうだ。
名古屋市では早くから分別収集をしてきた。ゴミを出す前に家庭で分別をしてから出す。最初の頃は面倒だと不評であった。
私の妻は初期の頃保健委員をしていて10年間、ステーションに出されたゴミを整理していた。決められたようにゴミをださない不心得者がいるからだ。今でもステーションに行くと、いい加減な出し方をしたゴミを見ることがある。多分今でも保健委員が世話をしていると思う。
天声人語で清掃職員の仕事が大変なことを知ったので、これからは見る眼が変わると思う。コロナ禍の中、ゴミの収集は感染のリスクも伴う。収集の清掃職員には心から感謝する。
藤井准教授は「ゴミ収集とまちづくり」という本を出版したそうだ。
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