マジック世界一決定戦キングオブキングを観たが
4月2日夜にCBCで放映された「マジック世界一決定戦キングオブキング」を観た。MCが第1回と言っていたからこれからも年に1度やるのであろう。番組のキャッチフレーズには下のように書いてある。
「この番組は、生放送という極限の舞台の中で世界一のマジシャンを決める、真剣勝負のマジックショー。厳選された9つの国と地域の一流マジシャンたちが珠玉のマジックを披露し、その中からスタジオゲストと一般の審査員が審査をして、合計得点が一番高いマジシャンがキングの栄冠に輝くという、前代未聞の大型特番だ。」
生放送という「極限の舞台」というナレーションは、番組中に何度か流された。生放送だから失敗してもそのまま放送されるという怖さのことであろう。
出演するマジシャンをどのように選んだのかは分からないが、7か国と1地域から一流と評価されているマジシャンを選抜したようだ。いうなれば、「選抜マジック世界一決定戦」である。一般審査員をどのようにしてえ選んだのかは不明だが、スタジオの特別審査員は全部日本人であった。(外国人ぽい女性も1人いたが)つまりTBS主催のマジック世界一決定戦ということになる。
出演マジシャン
・メイガス・ユートピア(オランダ代表/マジック界のオリンピック「FISM」2012 年ステージイリュージョン部門チャンピオン)
・ミルコ(アルゼンチン代表/「FISM」2003年ジェネラルマジック部門第3位)
・原 大樹(日本代表/世界ジュニア大会「World Magic Seminar Teens c ontest」にて、日本人初のグランプリを受賞)
・ヴラッドレン(ウクライナ代表/19 歳でスカンジナビアの RAIKIN 杯優勝)
・ザビエ・モルティメール(アメリカ代表/多数のコンテストに出場し賞を総なめ)
・ミス カタリン(ハンガリー代表/アメリカの「World Magic Awards」で最優秀キャバレーマジシャン(女性部門)受賞)
・ふじい あきら(日本代表/1993年から活動開始。1996年箱根クロースアップ祭人気投票第1位。2001年からテレビに出演し、注目を浴びる。
・マキシム・ミネルベ(フランス代表/フランスのマジックの聖地にて生まれ育ち、2009年から2010年にかけて700回以上のパフォーマンスを経験)
・シン・リム(カナダ代表/「FISM」2015年カードマジック部門チャンピオン)
けがで出場辞退した。
・ホレット・ウー(台湾/「FISM」2015年でカードマジック部門チャンピオン。シン・リムと同率1位)
2番目に出演のジャンボカードを使う台湾のホレット・ウーが91点で暫定王座の椅子に座っていたが、日本のふじいあきらのカードマジックも91点で同率一位となり、特別審査員7人の投票で4:3でふじいあきらが暫定王座に坐った。
ウーのカードマジックは、ジャンボカードを普通のカードに変えていくというのがメインであった。ふじいあきらは通常のカードでデザイン面を変えたり、2人のゲストの選んだカードを当てるものなどであった。二人とも素晴らしいテクニックであった。
ふじいのあと美人のミス カタリンとマキシム・ミルべの17スピード変身があったが、結局ふじいが優勝をして、総取り方式の650万円の賞金を手にした。
ふじいあきらはコンテストには出場したことがないと言っていたが、たしかにそのカードテクニックは素晴らしい。でも、気になったのはふじいが1位になるという想定のもとで、番組が作られていたふしがうかがえることであった。番組の途中でふじいのことが何度も取り上げられ期待を持たせていたからだ。
もう一つこの「マジック世界一決定戦」で納得できないのは、選抜で参加者を決め、その上部門別でなく総合で1位を決めるものであったことだ。
あの有名な世界で権威のあるFISMは、部門別で順位を決めている。マジックはイリュージョンとかカードとかジャンルががいろいろある。それをいっしょくたにして世界一というのは比較が難しいと思うのだ。
参加した8人はみな選りすぐりで、それぞれ素晴らしいマジックを披露し、さすがは世界的プロのマジシャンだと感嘆させられた。プロとアマの違いは歴然としていた。エンターテイメントとしては楽しいものであった。
最近のコメント