原子力発電・再生可能エネルギー

2021年6月 2日 (水)

再生可能エネルギーに即刻切り替えるべし

 5月31日の朝日新聞1面に、「再生エネ100% 電気に『証明書』」「脱炭素 経産省 11月にも新市場」という見出しの記事が載った。

 経済産業省は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる電気を調達しやすくするため、新たに専用の取引市場をつくる。再生エネで発電したことの「証明書」を公的機関が発行し、それを一般の企業が買えるようになる。

 菅政権は2050年の温室効果ガス排出を実質ゼロにする目標を掲げた。目標を明記した改正地球温暖化対策推進法も成立させた。政府は太陽光発電の用地確保など様々な対策を検討している。新市場創設もその一環だと報じている。

 米国のバイデン大統領が確実視される中で、バイデン政権がトランプに無視されていた地球温暖化対策で、温室効果ガス排出目標を打ち出すのを見越して慌てて目標を立てたのであった。

 地球温暖化に対する国際的な取り組みのための国際条約京都議定書は、1997年に採択された。この取り決めに基づき、日本政府も1990年比で2008~2012年に6%の温室効果ガスの排出量削減を義務付けられた。日本は、この目標は達成することができたが、途上国に対して削減を義務付けない同議定書を不服とし、次の約束である第2約束期間(2013~2020年)には不参加となった。

 京都議定書ができて24年経つのだ。この間地球温暖化を真剣に考える人たちからは、脱炭素、再生可能エネルギーにすべきであると訴えられてきた。しかし、政府は原子力安全神話に乗っかり原子力発電を進めて来た。

 ところが2011年の東日本大震災起こり、福島第一原子力発電所が大津波で破壊されてしまった。これを見てドイツはすぐに太陽光発電などの再製可能エネルギーに切り替えたが、日本は相変わらず原子力発電に拘っていた。

 東日本大震災から10年、政府はやっと重い腰をあげ2050年の温室効果ガス排出をゼロにする目標を掲げたのだ。何とも遅い動きである。せめて10年前からでも再生可能エネルギーを中心に据えてやってきておれば、はるかに進んでいたはずなのだ。

 菅政権はまだ原子力発電にもすがっているが、きっぱりと捨てて、再生可能エネルギー1本に絞るべきである。1930年までにゼロにしないとたいへんなことになると指摘する専門家もいるぐらいだ。

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2021年3月14日 (日)

原発をやめて再生可能エネルギーに切り替えよ

 東日本大震災から10年を迎えた11日、小泉純一郎元首相は東京都内で講演し、福島第一原発事故について「人災」と述べ、持論の「原発ゼロ」を訴えた。自民党の元首相の小泉氏は福島原発の事故後は「原発ゼロ」を言い出したが、あの事故によってやっと気づいたようだ。

 この日の講演は「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」が主催したイベントでのものであった。小泉氏の他に、鳩山由紀夫、菅直人の2人の元首相も挨拶し、細川護煕、村山富市の元首相は声明を発表した。元首相たちが先頭に立って「脱原発」や「原発ゼロ」の音頭を取ることはとてもよいことである。

 国と東京電力は「30年~40年で廃炉は完了」と目標を掲げているが、進み具合を見る限りとても不可能である。安倍政権もそれを引き継いだ菅政権も原発を「引き続き最大限に利用する路線を進めている。

 福島原発の事故は、原子力安全神話のもとで原発依存を進めて来た結果であって、小泉氏が「人災」だというのもその通りできる。東日本大地震のよる福島原発の事故の最大の教訓は、原発は非常に危険で、いったん大事故が起きるとそのあとの処理が大変だということである。だから原発はすぐに廃止にして、再生可能エネルギー利用に切り替えるべきである。

 今も科学者たちは様々な再生可能エネルギー利用の研究をしているはずだ。それに予算をつけてスピードアップすることが大事である。研究者たちは研究資金がないので困っているはずだ。原発に使う金を自然エネルギー開発に回すのだ。

 ドイツのメリケル首相は福島原発事故を見てすぐに自然エネルギーに方向転換した。日本にそのような政治家がいないのが残念である。元首相たちが旗を振っても無理か?

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2020年3月16日 (月)

いわき避難者仙台高裁判決について

 東電福島原発事故の被害者の方々が訴えていた裁判の1つ、「“ふるさとを返せ”福島原発避難者訴訟」の控訴審判決が、仙台高裁で言い渡された。その裁判を傍聴された馬奈木厳太郎弁護士が書かれた判決文の重要ポイント解説が送られてきた。下記の要約を読んで、被害者の気持ちを汲んだ画期的な勝利判決であったことがよくわかる。こういう生のレポートは貴重だと思いとりあげさせてもらった。

いわき避難者仙台高裁判決
 
みなさま 
 お疲れさまです。判決要旨を添付します。あわせて、勢いで感想めいたことを書きます。 
 今日の言い渡しでは、判決を傍聴することができました。法廷は、新型コロナウィルス対策のため、全員マスクを着用するよう求められ、一般傍聴席は隣同士に座らず一席間隔を空けて座るという措置が取られました。裁判官を除く全員がマスクを着用しているという、異様な雰囲気のなかでの判決言い渡しでした。裁判長は、約30分間にわたって判決の要旨を述べました。 
 

 判決のなかで、印象に残ったところをいくつか書き抜いておきます。判決を書いた裁判官の裁判官らしさが窺えるところだと思います。
 
「被告が原子力発電所の安全確保に重大な責任を負い、その安全性についての地域住民の信頼の上に福島第一原発をこの地に立地してきたにもかかわらず、平成20年津波試算が確立した知見に基づくものではないこと等を理由に具体的な対策工事の計画又は実施を先送りしてきた中で、本件地震及び本件津波が発生し、本件事故の発生に至ったという経緯を被害者の立場から率直に見れば、このような被告の対応の不十分さは、誠に痛恨の極みと言わざるを得ず、その意味で慰謝料の算定にあたっての重要な考慮事情とされるべきものである」

「相当な避難期間より前に帰還したか否かにより、避難生活の継続による慰謝料を認める期間に差異を設けることも相当でない。これより早く帰還した原告らも、帰還したからといって通常の生活が直ちに戻るものではなく、避難生活を続ける原告らと比べ、勝るとも劣らない精神的苦痛が続いたと認められるからである。
 

 原告として訴えを提起しながら、上記の相当の避難期間が過ぎる前に死亡した者についても、避難生活を続けながら死亡した無念さを考えれば、その点を考慮することにより、上記と同じ避難期間を基礎として、避難生活の継続による慰謝料を算定するのが相当である」

「このような地域における住民の生活基盤としての自然環境的条件と社会環境的条件の総体について、これを一応『故郷』と呼ぶこととし、法的保護に値する利益と評価した上で、それが本件事故により侵害されたことによる損害について賠償を命ずることは、避難を余儀なくされた慰謝料や避難生活の継続による慰謝料を算定しただけでは評価し尽くされない損害について、むしろ地域社会全体が突然避難を余儀なくされて容易に帰還できず、仮に帰還できたとしても、地域社会が大きく変容してしまったという本件の被害の実態に即した損害の評価の在り方として適切である。

 この観点から、当裁判所は、避難前の故郷における生活の破壊・喪失による精神的損害の慰謝料として、避難を余儀なくされた慰謝料とは別に、故郷の喪失又は変容による有形、無形の損害ないし精神的苦痛を評価し、故郷の喪失又は変容による慰謝料を算定する」

 「中間指針が個別の紛争解決のすべての基準となるものでないことはその法的性質や趣旨から明らかであるから、中間指針の趣旨を十分考慮しつつも、自主的な紛争解決が困難な場合に用意された憲法上の手続に従ってされる司法判断を可能な限り尊重し、迅速な被害救済を図っていくこともまた、原賠法が原子力事業者の賠償責任を特に定めた趣旨であり、原賠法も、そのことを前提に中間指針の法的性質を位置づけたものと解される。 
 

 当裁判所は、被告が、このような司法判断の意義と迅速な被害救済を図る原賠法の趣旨とを十分に踏まえ、本判決を受けて適切に対応することを期待する。
 

 原判決において被告に賠償の支払を命じた部分(本判決により変更された部分を除く。)及び本判決において被告に賠償の支払を命ずる部分に仮執行の宣言を付し、仮執行の免脱宣言を求める被告の申立ては理由がないから却下する」 
 
 以下は馬奈木氏の感想部分である。

 東電がいかに悪質だったのかを評価するに際して、地元住民の信頼を裏切った点を強調したこと、避難を継続しているか、途中で帰還したか、途中で亡くなったかにかかわりなく一律の判断としたこと、ふるさと喪失を正面から認めたこと、東電に仮執行の免脱を認めず早期救済を強く示唆したことなど、仙台高裁第2民事部の心意気が如実に示されていると感じました。
 
 本件の担当裁判官は、本件の原告の方々が何を求めているのか、本件の事案がどういう性質の事案なのかを正確に理解していたと思います。南相馬市や双葉郡など福島第一原発に近い地域の住民の方々が原告となった裁判であり、原発の安全性に対する信頼性がないところで原発は稼働できないわけですから、予見できたのに対策を採らなかったのは、いわばその地元の信頼を裏切ったのだと厳しく指摘し、ふるさとを突如として喪失することになった原告の人々の苦痛、避難先で亡くなってしまう無念さを配慮し、東電にこれ以上争うことなく早期に救済を図るよう求めるという今日の判決は、裁判所が本来的に果たすべき役割をきちんと果たしていると思いました。つまり、当事者に対する説得力という納得のプロセスの担い手としての役割といい、紛争の解決への道筋をきちんと示すという紛争解決能力といい、判示内容のバランスといい、裁判官の見識が実によく示された判決だったように思いました。

 もちろん、みなさんには言うまでもありませんが、こうした判決はただ黙って示されるものではありません。原告団・弁護団は、高裁でも改めて本人尋問を行い、裁判官を現地に連れ出し、被害実態を漏れなく明らかにしようと努力してきました。そして、私たちとともに公正な判決を求める署名にも取り組み、12万筆もの署名を集めました。そうした原告団・弁護団の法廷内外での努力の成果として、今日の判決は示されたのだと思います。その意味では、勝つべくして勝ったといえますし、勝つための準備をしてきた原告団・弁護団でもあったということなのだと思います。
 
 同じ仙台高裁でたたかったいわき避難者のみなさんの勝訴を一緒に祝い、私たちも続きましょう!!
 
 馬奈木厳太郎

 

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2019年10月 7日 (月)

やっとわかった関電役員金品受領問題

 関西電力の会長や社長など役員ら20人が、福井県高浜町の元助役森山栄治氏から3.2億円もの金品を受領した問題。現金だけでなく、金や大判、仕立券・・・など多岐に渡っていた。それらは儀礼の範囲を超えていたにもかかわらず、受け取られていた。返そうとしたら森山元助役に怒鳴られたから返せなかったという。

 分からなかったのは、どうして助役が3.2億円もの大金を動かすことができたのかということと何の目的で金品を贈ったのかということであった。最初に報道されてからしばらくはさっぱり分からなかったが、次第に詳細が報道されるようになって、理解できた。

 何もないのに高額の金品を贈るはずがないのだ。裏にそれ以上の見返しを得ようという魂胆があったのだ。それが森山元助役が顧問を務めていた吉田開発への工事の発注であった。新聞によると、原発事業を統括する原子力事業本部は14年~17年、高浜、大井両原発の関連工事を含む計113件を吉田開発に発注。直接発注は22件、ゼネコンなどを通じた間接発注は91件あったという。この間の発注額は約51億円に上る。また、関電は原発工事で吉田開発の用地を借り受けていたのだ。

 吉田開発はここ数年、公共工事よりも関電関連の発注工事が多く、業績を急激に伸ばしていたそうだ。原発再稼働のための安全対策工事を中心に5年間で施工金額を6倍に増やしたという。

 森山氏が贈った金品の原資となる3億円余を提供したのが吉田開発であった。これでどうして助役ごときであんな大金を動かせたのかが分かった。

 当の森山氏は今年亡くなっており、彼の口から語らせることはできなくなったが、その周辺の人たちや関西電力を徹底的に調べて、真相を明らかにすることが大事である。関西電力は当初何とか隠し通そうとしたが少しずつ分かり始めてきた。原発再稼働の陰でとんでもないことが行われていたのだ。しかも、その金は電力料金として消費者がかぶらなければならないのだ。

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2019年8月 1日 (木)

福島第一原発は未だコントロールされておらず!

 安倍首相が東京オリンピックの招致演説で「状況はコントローるされている」と大見得を切って招致に成功したが、トランプ大統領と同じ大嘘を平気でついたのであった。実情は原子炉建屋などの地下に溜まる高濃度汚染水はなお約1万8000トン。汚染水対策はコントロールできていないのだ。東京オリンピック開幕までについに1年を切り、東京丸の内には電光掲示板が設置されたというが、福島原発のこの状況を海外の人たちはどうみているのであろうか。

 28日の朝日新聞「汚染水 制御しきれず」によると、事故当初、1~4号機の原子炉建屋とタービン建屋の地下に溜まっていたのは約10万トン。東電は、井戸から地下水をくみ上げたり、建屋の周りの土壌を凍らせる「凍土壁」をつくったりして地下水の流入をへらしながら、地下の汚染水の水位を徐々に下げてきた。事故から8ねん、1万8000トンになったのだが、20年度中に6000トン減らして、最下階の床をほぼ露出させる目標だという。しかし、水位が下がらない部分があって原因さえつかめない状況である。

 その他に巨大津波対策も遅れがちで津波時に汚染水が海洋に流出するルートになりうる開口部を約50か所閉じる工事は21年度末までかかる見込みだという。想定されている千島海溝の巨大地震の津波を防げる防潮堤の増設は20年度上半期までかかるそうだ。

 安倍首相は五輪招致で「汚染水による影響は、港湾内の0.3平方キロの範囲内で完全にブロックされている」と述べたが、これも嘘であった。

 農水省によると、原発事故を理由とする水産物の輸入規制は22か国・地域で今も続いている。海外の目は厳しいことが分かる。

 原子力発電はいったん事故を起こすと汚染水対策だけでなく、廃炉への長い工程と技術が必要で、そちらの目途も立っていない状況にある。要する費用と人手は計り知れないものになっている。歴代政権は「原子力安全神話」を信じ込ませて原子力発電を推進してきた。それは大東亜戦争を推進するために、神国日本という神話を信じ込ませて来たこととダブる。

 原子力発電が如何に危険で厄介なものであるかが、誰の目にもはっきりわかったのに、未だに原子力発電を止めようとしない。何という愚かなことであろうか。

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2019年6月 3日 (月)

福島第一原発事故と東京オリンピック

 安倍首相は「福島第一原発事故は完全にコントロールされている」と胸を張って東京オリンピックを招致した。しかし、コントロールされているは真っ赤なウソである。そのことを小出裕章氏の声明は明快に伝えている。

 友人が「People's News」No.1682から抜粋したものを送ってくれたので紹介する。

―― 【声明】
 |  東電福島第一原発事故を忘れさせる目的は許されない
 |  フクシマ(第一原発)事故と東京オリンピック
 └──── 小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 

 昨年8月、小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)が、「フクシマ事故と東京オリンピック」を発表した。イタリア在住の知人・楠本淳子さんが声明を依頼し、英訳文を世界各国のオリンピック委員会に送る。原子力村の罪深さを余すところなく究明し、「東京五輪返上論の具体的・理論的な決定版」(村田光平・元駐スイス大使)との評価もある。


 同声明の要約を紹介し、声明を発表した小出さんに、込めた思いを綴っていただいた。(文責・People's News編集部)

1.事故原発の現状 2.終わりなき廃炉作業 3.棄民政策と復興政策
4.国威発揚の場としての五輪

1. 事故原発の現状

 福島第一原発事故で、原子炉が熔け落ち、広島原爆の168倍もの放射能が大気中にばらまかれ、海に放出されたものも合わせると、広島原爆約1000発分程度の放射能が環境に放出されました。炉心が熔け落ちた原子炉は、1・2・3号機合計で広島原爆約8000発分のセシウ137が炉心に存在していました。放射性物質の大半は、いまだに原子炉建屋などに存在しています。
 

 これら放射性物質を環境に放出しないように、炉心に水を注入し続けていますが、汚染水の総量は100万トンを超え、原発敷地内のタンクは、1000基を超えています。近い将来、東京電力は放射能汚染水を海に流さざるを得なくなるでしょう。

2.終わりなき廃炉作業

 一番大切なのは、熔け落ちた炉心を安全な状態に持っていくことですが、今も、炉心がどこに、どんな状態であるかすら、わからないのです。国と東京電力はロボットを行かせようとしてきましたが、被曝に弱く、ほぼすべてが帰還できませんでした。

 私は、チェルノブイリ原発事故の時にやったように石棺で封じるしかないと言ってきましたが、石棺の寿命はせいぜい100年程度です。封じ込めた放射能を、数十万年から100万年、安全に保管し続けなければならないのです。 
     
3.棄民政策と復興政策

 発電所周辺でも、極度の悲劇が進行中です。事故当日、原子力緊急事態宣言が発令され、強制避難の指示が拡大しました。突然、家族、仲間、隣人、恋人たちとの穏やかな日が断ち切られ、避難所、仮設住宅、災害復興住宅や、みなし仮設住宅へ移らざるを得ませんでした。生活を丸ごと破壊され、絶望の底で自ら命を絶つ人も、いまだに後を絶ちません。

 強制避難地域の外側にも、本来「放射線管理区域」にしなければいけない汚染地帯が広大に生じています。区域内は本来、飲食も寝ることも禁止です。ところが国は、緊急事態だとして、その汚染地帯に数百万人の人を棄てたのです。

 被曝を避けるために、仕事を捨て、家族全員で避難した人もいます。子どもと母親だけ避難した人もいますが、家庭崩壊が深刻です。汚染地に残れば身体が傷つき、避難すれば心が潰れるのです。

 その上、国は、年間に20ミリシーベルトを越えない汚染地であれば帰還するよう指示し、住宅補償を打ち切りました。福島では復興が何より大切だとされています。人は毎日、恐怖を抱えながらでは生きられません。汚染を忘れてしまいたいし、国や自治体は積極的に忘れてしまえと仕向けてきます。逆に、汚染や不安を口にすれば、復興の邪魔だと非難されてしまうのです。

 1年間に20ミリシーベルトという被曝量は、「放射線業務従事者」に対して初めて許した被曝の限度です。それを被曝からは何の利益も受けない人々に許してはいけません。とりわけ、フクシマ(第一原発)事故に何の責任もない赤ん坊や子どもにまで、放射線業務従事者の基準を当てはめるなど、決してしてはならないことです。
 

  子どもたちを被曝から守ることが、大人の最低限の責任です。
 国を筆頭とする加害者集団「原子力マフィア」の誰一人として責任を取らないまま、逃げおおせようとすることを許してはなりません。

4.国威発揚の場としての五輪
 

 事故後7年半たっても「原子力緊急事態宣言」は解除されていません。「原子力緊急事態宣言」が今なお解除できず、本来の法令が反故にされたままであることを多くの国民は忘れさせられてしまっています。
 

 今大切なのは、「原子力緊急事態宣言」を一刻も早く解除できるよう働くことであり、事故で苦しみ続けている人たちの救済こそ、最優先の課題です。
 にもかかわらず、この国はオリンピックが大切だといっています。

  いつの時代、どこの世界もそうでしたが、内部に深刻な問題を抱える時に権力が使うのはお祭り騒ぎでした。 オリンピックもそのように利用されてきましたし、特にフクシマ(第一原発)事故が続いている今、安倍政権にとっては、東京オリンピックはそれ以上ない宣伝になっています。
 

 フクシマを忘れさせるため、マスコミは今後ますますオリンピック熱を流し、オリンピックに反対する輩は非国民だと言われる時が来るでしょう。罪のない人を棄民したまま、オリンピックが大切だという国なら、私は喜んで非国民になろうと思います。

 原子力緊急事態宣言下の国で開かれる東京オリンピック。それに参加する国や人々は、一方では被曝の危険を負いますが、一方では、加害者である国が、被害者を棄民したまま、フクシマ(第一原発)事故をなかったものとするという国家犯罪に加担する役割を果たすことになります。(了)
           (2019年5月15日発行、「People's News」No1682より抜粋) 以上。

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2019年4月12日 (金)

原発事故後、先天性心疾患の手術数が増加しているという記事

 Yahooニュースを見ていたら、「原発事故後、先天性心疾患の手術数が14%増 世界的権威が認めた事実 日本のメディアが報じない怪」という記事を見つけた。筆者は在米ジャーナリストの飯塚真紀子氏だ。

 福島原発事故が無事に終息したと言いたい安倍総理はオリンピックを控えてこういう不安材料の記事は隠しておきたいのだ。だからメディアは「忖度」をして報道しないのであろう。唯一報道したのは中日新聞だけだそうだが研究者が地元大学であったので無視できなかったのであろう。

 このニュースを伝えたのはアメリカ3大ネットワークTV局の一つであるCBSテレビであった。 「新たな研究が、福島第一原発事故と乳児の心臓手術数急増の関連を示唆。先天性心疾患の手術を受けた1歳未満の乳児の数が、14%以上急増」というものであった。

 CBSTVが取り上げたのは、3月13日、心臓病研究の世界的権威「アメリカ心臓協会」が発行している国際科学誌「ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ハート・アソシエーション」が「福島原発事故後の複雑心奇形の全国的増加」と題した研究論文を掲載したことを受けてのことであった。

 
 この論文の中心的執筆者は、名古屋市立大学生体情報測定学の研究者の村瀬香准教授である。その内容は論文は「福島第一原発事故後に、複雑心奇形という先天性心疾患を持って生まれた乳児が、日本で全国的に増加した」という“衝撃的な事実”であるという。 

 アメリカの大テレビ局が報じた重大なニュースだが、日本の主要メディアでは報じられていないのを不思議に思った飯塚氏は村瀬氏直接話をきいたそうだ。


 村瀬氏が残念そうに話したそうだ。 「実は、メディアに大きく取り上げられるだろうと思い、研究チームはスタンバイしていたんです。しかし、結局、報じてくれたのはアメリカのロイター通信やCBSニュース。日本の大手通信社や大手新聞社の記者は取材には来たものの、なぜか報じていません。唯一、大学の地元という縁からか、中日新聞だけは取り上げてくれました」

 何という日本のメディアの情けなさだ。こんな大事なことを報道できないとは。そこまでメディアは腐ってきているのか。 

 村瀬氏チームの研究結果について飯塚氏の記事から引用する。
 

 研究の大本になったのは、日本胸部外科学会が日本全国の病院から集めている先天性心疾患に関する全ての手術データ。このデータには46種類の先天性心疾患に関する手術件数がほぼ全て含まれている。その中でも、村瀬氏は、「複雑心奇形」という先天性心疾患に着目し、福島原発事故前(2007~2010年)と事故後(2011年~2014年)の手術件数の変化を解析した。
 

 複雑心奇形とは、胎児の心臓が形成される段階で生じる障害のこと。いわば、“先天的奇形の心臓”が生じる障害と言ってもいいかもしれない。複雑心奇形には29種類あるが、この障害を持って生まれた乳児は、治療のために、高度な手術を受けなければならない。
 

 村瀬氏は、複雑心奇形という先天性の障害を持って生まれた乳児(1歳未満児)の治療のために日本全国で施された手術のデータを、原発事故前と原発事故後で解析した。その結果、原発事故のあった2011年以降、手術数が有意に増加(偶然に起きた増加ではなく、統計的に意義のある増加のこと)していることがわかったのだ。 

 原発事故との関連について、村瀬氏は、

 「原発事故との関連は不明です。また、原発事故との関連の有無を証明することは不可能です。しかし、原発事故以外に、複雑心奇形の手術件数の急増に結びつく要因が考えられないのです。

 例えば、新たな手術法が開発された場合、その手術による手術数の増加は起きるかもしれませんが、新手術というのは通常徐々に浸透していくものなので、このように急増することはありえません。
 

 また、グラフからわかるように、2010年は前年よりも手術数が増加しています。同年は、妊産婦に対して行われたアンケートの回答率が99%とこれまでで一番高かったことから、増加しても不思議ではありません。しかし、2011年の場合、震災の影響か、その回答率が96.4%とこれまででは最も低かったんです。それにもかかわらず、手術数は急増しました。原発事故の影響以外に説明がつきません」 

 ※元の記事  https://news.yahoo.co.jp/byline/iizukamakiko/20190409-00121301/

 

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2019年3月26日 (火)

「原発支援へ補助制度案」などとんでもない

 3月23日の朝日新聞一面トップ記事は「原発支援へ補助制度案」という記事であった。経済産業省が、原発で発電する電力会社に対する補助制度の創設を検討していることが分かったというのだ。温室効果ガス対策を名目に、原発で作った電気を買う電力を買う電力小売り事業者に「費用を負担させる仕組み」を想定しており、実現すれば消費者や企業が払う電気料金に、原発を支える費用が上乗せされることになるとリードには説明してあった。
 原発は温室効果ガスを排出しない「ゼロエミッション電源」で、環境への付加価値をもたらしている、というりくつだそうだ。原発がゼロエミッション電源であることには誰も異を唱えないだろう。しかし、あの東日本大震災と大津波で福島第一原発が崩壊して、強力な放射能を出し続けている「デブリ」の処置になす術もない。冷却に使った汚染水の置き場もなくなってきて、それをどうするかさえ決められない状況である。
 政府は耐用年数が無くなって来た原発も延長して使おうとし、再稼働を始めた。それらの原発が発電した電力は再生可能エネルギーに押され続けていて、経済産業省幹部は「再エネがここまで入ってくるとは思わなかった」とぼやいているそうだが、それはチェルノブイリや米スリーマイル島などの原発事故や福島第一原発事故を見ても当然のことだ。「誤算であった」などと呑気なことを言っている場合ではない。
 大手電力会社幹部が「原発はリスクが大きすぎる。制度支援がなければ続けることは難しい」と述べたそうだが、正直でいい。当事者も認めざるを得ないのだ。次の大災害がいつ起こるか分からない。明日かも知れないのだ。そしてまた既存の原発に大事故が起きればその経済的、時間的、人材的負担はとてつもつかない規模になろう。
 安全でクリーンな「再生可能エネルギー」に発電のシフトを替えて、そちらに補助をして行く方がどれだけ環境破壊を守ることになるか小学生でも分かることである。「再生エネルギーに押されている」と危機感を抱いていると聞いて嬉しくなった。ドイツのように再生可能エネルギー開発に全力を挙げるべきである。

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2019年3月11日 (月)

東日本大震災から8年、福島の原発廃炉は容易ではない

 東日本大震災は大地震による「想定外の大津波」による「想定外の大被害」であった。中でも福島第一原発の大事故はその最たるものであった。それは「原発は安全」「原発はローコスト」という神話が流布され誰もが信じ込まされてきたからであった。

  安倍首相は、「完全にコントロールされているから安心を」と言って東京オリンピックを招致した。そしてオリンピックを「復興オリンピック」と位置付けている。しかし、NHKの報道によれば被災者たちの多くは「復興オリンピック」に疑問符を投げかけている。被害者たちの置かれた状況から見れば当然のことだ。

  ここでは原発の廃炉を取り上げたい。安倍首相は「安全だ」と言ったが未だに廃炉の見通しは先が見通せていない。政府は「収束まで40年」と極めて楽観的な見通しを示しただけである。

  昨年6月に東京電力の小早川社長は福島第2原発の廃炉を明言したので、10基の原発が全て廃炉となる。昭和46年3月の第一号機の商業運転から47年。福島県から原発がなくなるのだ。

  しかし、廃炉と決まったからと言って手放しで喜ぶわけにはいかないのだ。廃炉の作業を進める行程で高濃度の放射能の大量飛散とか、高放射能による作業機器のトラブルとかが予想されるのだ。

  2月28日に第一原発2号機でデブリと見られる堆積物に直接触れる調査で極めて強い放射線があったと報じられた。それは予想されたことで驚くことではないが、作業の難しさを改めて知らされたのだ。

  廃炉を進めるのに高放射線にどのように対処したらよいのかは模索しながらやっていくしかないのだ。これまでにも何度かの失敗があった。試行錯誤で作業を進めるのだから事故は避けられないであろう。

  福島の「生業・福島原発訴訟」原告の根元仁さんは、「原発の廃炉とは、新たな被爆の始まりである」と指摘しておられる。それは福島など近隣の地域や現場で作業をする人たちの問題だけでなく、「想定外」のことが起きれば東京などにも影響が及ぶ恐れがあるのだ。

 「未知との遭遇」という映画があったが、原発廃炉は「未知との戦い」と言えるであろう。原発研究者や諸分野の学者などの英知を集めて、出来るだけ安全にことを進めてもらいたいと願うしかない。

 

 

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2019年1月19日 (土)

「原発再稼働はどんどんやるべし」という経団連会長

  ネットニュースを見ていたら、時事通信社の次のニュースがあった。全文でたったこれだけの記事である。

 ――中西宏明経団連会長(日立製作所会長)は15日の定例記者会見で、東日本大震災以降停止している原子力発電所の再稼働について「どんどんやるべきだと思う」と述べ、積極的に取り組む姿勢を示した。中西氏は「安全について議論を十分尽くしている発電所は多い」と強調した。

  中西氏はまた、国内外の原発をすべて止めた場合、「長期的に見てエネルギー源が何になるか危機感を覚える」と指摘。「再生可能エネルギーだけで人類が必要とするエネルギーが賄えるとは思わない」と述べ、原発の必要性を訴えた。――

 経団連会長としては当然のことを言ったまでだと思うが、原発反対の側からするととんでもない発言だ。

 「再生可能エネルギーだけで人類が必要とするエネルギーが賄えるとは思えない」と言っているがその根拠は何であろう。

 これまで政府は再生可能エネルギーの開発のための研究への援助を怠り、原発こそ最も安くて安全なエネルギーだと原子力発電所建設に力を入れて来た。

 それがあの東日本大震災によって福島第一原発がメルトダウンし、原発の安全神話とコストが安い神話が崩れ去ったのであった。それまでは政府の言うことを信じて原発が必要だと思って来た多くの市民もあの事故によって目が覚まされたのであった。

 原発は福島第一でも分かる通り、一旦事故が起きるとその人的、経済的、時間的などのコストは測りしれないものになる。

 原発だけに金をかけないで、再生可能エネルギー開発にも金をかけて来ていれば、現在ある再生可能エネルギーも含めて安全で低コストの電力供給に道が開けていたはずだ。

 それを原発という安易な方法に頼り、まかり間違えば取り返しがつかなくなる原発にエネルギー依存をしてきたのだ。

 福島第一の事故への十分な検討と反省もないままに、相変わらず能天気に原発再稼働を唱える経団連に恐怖さえ感じる。

 数年前に名古屋大学の公開レクチャーで、再生可能エネルギーの研究者から「資金さえあれば」という嘆きを聞いたことがある。素晴らしい着想があっても研究を進める費用がないために頓挫するのだ。

 原発にかける費用を再生可能エネルギー開発に注ぎこめば必ずさまざまな再生可能エネルギーが開発されるはずだ。

 福島事故で即座に原発をやめたドイツのメルケル首相の英断に学ぶべきである。小泉元首相さえ原発はいかんと言っているではないか。

 原発を売る安倍首相のトップセールスがことごとく失敗したことを教訓とすべきである。

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