マスコミ

2021年5月 4日 (火)

NHKへの苦言「恥ずかしい」と思え

 NHKのテレビ番組は、どんどんと民放化していると以前にblogで書いたことがある。タモリ、たけし、所ジョージなど超有名タレントの他、サンドウィッチマンや有吉、などの若手の人気芸人が出て、みな名前を前面に出した冠番組になっている。NHKと民放との境がなくなってしまった。

 NHKはどうしてNHKらしい独自のカラーの番組を作らなくなってしまったのだろう。安倍政権になってNHKに安倍のお友達や息がかかった人が送り込まれて、NHKスペシャルやクローズアップ現代やニュース番組が、政府広報的なものに変わってしまった。国谷裕子さんの降板は象徴的なものであった。それ以後もニュースナインなどのキャスターがかえられたりしている。

 そうした一連の動きとNHKの民放化は関係があるのではないかと思う。昔大宅壮一氏はテレビのことを「一億総白痴化」と言ったが、今のNHKを見ているとまさに視聴者を白痴化しようとしているとしか思えない。

 昔はNHKには宮田アナウンサー、藤倉アナウンサー、高橋アナウンサーなど人気アナウンサーがいて、芸能番組でも面白いものを作っていたものであった。そうしたNHK独自のものがなくなってしまったのは残念である。

 NHKは受信料を徴収しているのだから視聴率など気にせずに、政権に忖度することなく、国民のための公共放送であるべきだ。

 NHKがおかしいという人が他にもいることが分かった。YAHOOニュースで「『民放の真似して受信料もらって、NHKは恥ずかしい』森本毅郎(81)から“愛する古巣”への苦言」という記事を見つけたのだ。

 森本毅郎と言えばNHKの有名アナウンサーであった人物だ。その人が苦言を呈しているのだ。以下にその部分を引用する。

――今のNHKの番組については、どう感じていますか?

森本 古巣だからあんまり悪くは言いたくないですが、今のNHKは何をやろうとしているのか、わからないことが多い。例えば、海外ドキュメンタリーにしても、リポーターに芸人さんや女優さんを使う。ディレクターが好きなんでしょうけど、うんざりしてしまう。昔はリポーターなど無しだって素晴らしいドキュメンタリーを沢山作っていたのに。NHKにも制作プロダクションが入り込んでいるから、言ってみれば民放のように、番組の枠を貸す“不動産屋”になっている。局の志が見えなくなってきています。

 森本氏の言うとおりである。かつてのNHKはどこに行ってしまったのか。局の志が見えなくなっているという指摘は正鵠を得ている。

 ――最近は、NHKのゴールデンタイムの番組でも、民放と同じような芸人やタレントをよく見かけます。

 

 森本 「そういう人を出さないと受信料を取れない」と考えているのかもしれないけど、民放の真似してお金もらっても恥ずかしいでしょう。それは民放に任せればいいじゃないですか。僕と一緒に働いていた時代のNHKの人は嘆いていると思います。

 NHK会長は国会の同意を得て総理大臣が任命した経営委員会によって選ばれますから、天下りが当たり前になっている。労働組合もなりを潜めているのか、出てこない。「放送はいかにあるべきか」なんて青臭い話し合いは、今や労使でやらないんでしょう。僕はNHKに20年も世話になった恩義もあるし、NHKに育てられたという思いもあるから批判してしまうけど……NHK愛があればこそです。それだけに寂しい。
 

 本当に恥ずかしいことなのだ。NHKは昔のように自分のポリシイを明確にして独立性を保ってやるべきである。森本氏はよく言ったと大拍手を送りたい。

 

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2021年4月24日 (土)

メディアの過剰な尊敬語使用

 スマートニュースを見ていたら「『総理がおっしゃる』テレビの過剰な尊敬語に違和感 メディアと『対等』なのにな?」という記事があった。AERA.dotからのものであった。

 私はニュース番組はNHKが主で、サンデーモーニングと羽鳥モーニングショーを見ることがある程度である。だからこれまでに「総理がおっしゃっている」というような言い方には気が付かなかったが、そのように尊敬語が使われていても、言葉に鈍感で気が付かなかっただけかもしれない。

 テレビユー福島の記者、木田修作氏(35)は、テレビの報道番組や情報番組でキャスターや司会者、コメンテーターなどの出演者が政府や総理大臣に言及する際、「尊敬語」を使うことが常態化していることに大きな違和感を感じているという。

 メディアの大事な仕事は『権力の監視』だから、政治家に過剰に尊敬語を使う必要はない。「総理が話していました」で十分だというのだ。その意見には賛成である。

 国会議員は国民が選挙で選び、国民にかわって国会で審議をしているのだ。国民が主権者である。その国会で選ばれた首相だから首相は国民より偉いのではない。

 「総理がご判断されるのでは」「大臣はこうお考えになっておられる」など総理大臣や政府を尊敬の対象にしてしまうと、政治や政策に対する意識、声を上げる姿勢にも当然、影響が出てくるという。

 戦史研究家の山崎雅弘氏(54)は、「総理と『対等だ』という認識がメディアにないと、そもそも権力監視なんてできません。怖いのは、私たちの側も尊敬語に慣れてしまい、『国民は政府や総理よりも下なんだ』と刷り込まれてしまうことです」と指摘する。私なども政府より国民は下だと刷り込まれてしまって、やたら尊敬語が使われていても気にもとめないのかもしれない。

 山崎氏によると、権力の監視どころか、メディアが戦う前から負けている──。そんな状況は2012年12月に始まった第2次安倍政権からだという。

 たしかに安倍政権により、NHKに政権寄りの人物が送り込まれ、ニュースや良心的な番組が変えられた。また首相の記者会見でも官邸に仕切られてしまっている。

 国民もこうした状況に眼を向けて、メディアリテラシーを働かせて行くべきである。テレビに馴らされてしまっては戦前回帰に乗せられてしまうであろう。

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2021年3月 5日 (金)

NHKは政権の言いなりになるな!

 2月10日、NHK報道番組「ニュースウオッチ9」の有馬嘉男キャスターと、「クローズアップ現代+」の武田真一アナウンサーが3月いっぱいで交代する人事が発表された。

 有馬キャスターは、2020年10月の放送で生出演した菅首相に対し、学術会議問題で切り込んだのが原因だとささやかれている。昨年10月26日の臨時国会が開幕した日、菅は『ニュースウオッチ9』に出た際、有馬は、問題になっている日本学術会議の任命拒否問題について質問を重ねた。すると菅は、最後のほうではややムッとした様子で、「説明できることと、説明できないことがある」といった。

 週刊文春(2/25日号)によると、放送直後に接待問題で辞職した山田内閣広報官から原聖樹政治部長に抗議があったという。どうやら、「所信表明の話を聞きたい」といって呼びながら、学術会議問題について聞くなんて、「NHK執行部が裏切った」と考え、菅官邸が怒ったというのだ。

 武田アナウンサーの降板理由は、1月19日の『クローズアップ現代+』で自民党の二階俊博幹事長をインタビューした際、新型コロナウイルス対策について、「政府の対策は十分なのか。さらに手を打つことがあるとすれば何が必要か」と質問した。

  すると二階幹事長は、「今全力を尽くしてやっているじゃないですか。いちいちそんなケチをつけるものじゃないです」と凄んだというのだ。

以前には「クローズアップ現代」の名キャスター国谷裕子氏が降板させられたのが記憶に新しい。

 安倍官邸の強い意志でNHK会長になった籾井勝人が会見で「政府が右といっているものを、われわれが左というわけにはいかない」と言い放ったが、以来政権に批判がましいことをすると降板させられたり,やめさせられたりするのだ。

「皆様のNHK」は政権の忖度をし、政府広報機関になってしまっているのはとんでもないことである。抗議して視聴料を払わないでおこうと思っても強制徴収されるというのだから、いったいどうすればいいのか。

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2021年1月18日 (月)

菅首相の記者会見

 緊急事態宣言を発出した後の菅首相の記者会見をNHKテレビで見たが、相変わらずの棒読みであった。視線は絶えず下に動き原稿を読んでいた。安倍元首相はプロンプターを使ったので視線は前向きであった。菅首相はどうしてプロンプターをつかわないのであろう。

 あの会見で追加の県を福岡というべきところを静岡と読み間違えたが訂正をしなかった。東京新聞の望月記者は「菅さんは本当に演説に自信がないのだなと、ひしひしと感じます」と言っている。
 

 昨年春の1度目の緊急事態宣言が出た後、官房長会見と首相会見は、参加できる記者が「1社につき1人」と限定されてしまった。望月記者は「表向きは『コロナ対策で密を避けるため』とされていますが、明らかに私のような目障りな記者を排除することが目的でしょう」と話している。

 菅首相の記者会見は進行を司会役の山田真貴子内閣広報官務めていた。質問は「1人につき1問」「さら問い(質問を重ねること)は禁止」などのルールを定めているという。「さら問い」ができないと突っ込んだ質問ができない。

 1月7日に1都3県に2度目の緊急事態宣言を発出することを伝える記者会見で、記者から「仮に(宣言を)延長する場合、今回と同様に1カ月程度の延長を想定しているのか」と問われると、菅さんは「仮定のことについては私からは、答えは控えさせて頂きます」と言った。ここで菅首相に「仮定の話ではない」と突っ込まなけれ誰もしなかった。記者の能力が低くてしなかったのか、制限があるのでできなかったのか。

 記者会見の質問は事前に質問を提出しておいてそれに対し用意された答えを読むのだ。私は注意して見ていたが、菅首相の目の動きを見ればすぐにわかった。つまり、記者会見はシナリオがある芝居なのだ。

 望月記者によると、「これまで6回あった首相会見で北海道新聞、東京新聞、日本テレビ、ジャパンタイムズの4社は一度も指されていません。ウチ(東京新聞)のように事前に質問を投げることを拒否している社や、厳しい質問をする記者がいる社は避けられているのでしょう。逆に不自然なほど何回も指名されている社もある」と話している。
 

 また望月記者は「官房長官時代に1日2回の記者会見を7年8カ月も続けてきた体験から、記者たちはどうにでもなると思っているようにも見えます。『全く問題ない』『指摘は当たらない』など一言で片付けてきた官房長官会見時の手法が、首相になっても通じると思っている」と述べている。
 

 記者の後ろには国民がいる訳で、記者は国民に代わって質問をしているのだ。それを忘れてっはいけない。見ていると記者たちは菅首相たちの言いなりになって猿芝居に加担しているように見える。外国のように本来の記者会見を取り戻すべきである。
(AERA dot.の記事を参考にした)

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2020年10月20日 (火)

NHKのテレビ設置届け出義務化反対!!

  17日の朝日新聞を見ていて、「テレビ設置の届け出 NHKが義務化要望」という見出しに驚いた。

  読んでみると、NHKは16日の総務省の有識者会議で、テレビなどの受信機を設置した場合、NHKへの届け出を義務化するように制度改正を要望したとある。さらにテレビがない場合の届け出や未契約者の氏名、転居先の住所を公的機関などに照会できる制度の導入も求めたという。

  NHKは唯一受信料を徴収できる放送局だが、これではまるで国営テレビでなないか。その前にNHKは政府から独立した放送をしているのかと糺したい。メディアの中では産經を筆頭に読売など、アメリカのメディアから政府広報機関と呼ばれているものがある。NHKの姿勢も安倍元総理のお友達が会長に就いて以降政権を忖度する番組を作るようになった。

  私は「NHKから国民を守る党」には反対だが、NHKが政権の鼻息を窺うことは許せない。本当の公共のメディアとしての姿勢を貫いてほしいのだ。視聴料を取っている以上権力から独立して国民の側に立って放送するのは義務である。

  NHKによると、全国の世帯の約2割は受信契約を結んでいないそうだ。そのため未契約世帯への訪問の人件費などに年間約200億円要するという。NHKの言い分はそういう経費をなくしたいということである。

  しかし未契約世帯の中にはNHKの報道姿勢に抗議をする意味で受信料を払わない人もいると聞く。

  私自身NHKの番組作りについて要望したことがあったが、聞き入れられたことはなかった。例えばNHKの語学番組では英語ばかりが大事にされて、中国語はテレビではたった25分の番組が週1回放送されるだけである。中国語を勉強し始めたときは、まだ初級と中級の2番組があったと思うのだが、それがなくなって久しい。


 中国語は世界で15億人以上が使っている言語である。しかも世界の中でGDP第2位の大国なのだ。その言語を無視しているのだ。

 こんなHNKには受信料は払いたくないという気持ちである。義務化などとんでもない話だ。まず視聴者に耳を傾け謙虚になるべきである。ましてや政権への忖度などもってのほかである。

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2020年10月 4日 (日)

メディアの分断が進んだという指摘

 Yahooニュースを見ていたら、東洋経済onlineの「安倍政権下で進んだメディア同士の『分断』という記事を見つけた。東京新聞望月衣遡子記者へのインタビューであった。

 安倍政権下ではメディアへの圧力がかけられていたといくつかの事例を挙げていた。
 

 2014年の総選挙の前、自民党の萩生田光一筆頭副幹事長(当時)は選挙報道の公平性確保などを求める文書を在京テレビ各局の番記者に手渡したこと。

 文書では、出演する候補者の発言回数や時間、街頭インタビューなどの構成を公平・公正・中立にし、一方の意見に偏ることがないよう求めていた。
 

 2016年には高市早苗総務相(当時)が国会で、放送局が政治的な公平性を欠くと判断した場合、放送法4条違反を理由に電波停止を命じる可能性に言及した。
 

 2019年には報道ステーションで放送されたニュースについて、世耕弘成参議院自民党幹事長がツイッター上で「印象操作だ」と抗議すると、報ステ側が翌日の放送でお詫びをする事態となった。

 これらの事例は記憶に残っている。安倍政権は批判的な報道を抑え込もうとして露骨にやったのであった。
こうしたことに対して「テレビ各局が連帯し、抗議行動につなげなかったこともテレビ局の自粛や萎縮に拍車をかけたように思う」と述べているが、その通りであった。
 

 「テレビ局への権力側の介入は日常的に行われていると感じる。政権に批判的な内容がテレビで報道されると、各局の局長や政治部の記者に対して首相の補佐官や秘書官から電話やメールなどで抗議が届くと聞く」と述べているが、この点については以前に我がブログでもとりあげた。とんでもない話だ。

 望月記者は菅官房長官に嫌われて有名になった。食いついて質問をしたからだ。そのため2問までと質問を制限されたり、質問前に打ち切られたり、会社に抗議文が送られたり、記者クラブに抗議文が貼り出されたりしたそうだ。

 望月記者のような気骨のある記者が他にはいないのが残念である。国民の知る権利を代行して質問をするのが記者の役目なのだから。

 望月記者が圧力を受けていても、それに抗議をしたり、新聞記者やテレビ局が政権に抗議行動をしないのも不思議だ。半沢直樹を見習ったほしいものだ。

 驚くのは次の部分だ。「朝日新聞政治部の南彰記者によると、第2次安倍政権が発足してから2020年5月17日までの首相単独インタビューは、産経新聞(夕刊フジ含む)32回、NHK22回、日本テレビ(読売テレビ含む)11回に対し、朝日新聞はたった3回。安倍前首相が対応に差をつけることで、メディア間の分断が進んだ」と述べている。
朝日新聞は政権に批判的な記事を載せることがあるので嫌われているのだろうが、自分に批判的なメディアを毛嫌いするトランプ氏と全く同じではないか。だから安倍氏はトランプ氏とウマが合ったのだ。

 望月記者は触れていないが、メディア各社の幹部と安倍前首相の頻繁な会食も忘れてはならない。首相との会食でメディアは篭絡されてしまったのだ。


 

 
 

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2020年6月23日 (火)

FNNと産経の世論調査不正

 フジテレビ系列のニュースネットワークFNNと産経新聞社が合同で行う世論調査で不正がが発覚した。FNN・産経は調査業務をアダムスコミュニケーションという会社に下請けし、このアダムス社がさらに京都の日本テレネットという会社に孫請けさせていた。テレネットが電話調査をせずに架空の回答を入力していたというのだ。

 朝日新聞によると、テレネットの幹部職員が不正を主導した、「派遣スタッフの電話オペレーターン確保が難しかった」「利益向上のためだった」「他の社員も手伝った」などと説明したという。
 

 不正はわかっているだけでも、2019年5月から20年5月の間の計14回、2500件に及び、不正は総調査件数の約17%を占めるという。
 

 FNNと産経の世論調査では、組織をあげて安倍政権に有利な結果になるよう加工しているのではないかという疑惑もささやかれてきた。

 内閣支持率でも他社と比べるとずっと多く、不支持率は低かった。産経は政府広報機関と言われる読売よりもっと右寄りの政府広報機関だと言われる。
 

 両社は、2019年5月~20年5月の計14回の世論調査の結果を取り消し、世論調査を当面休止するというがそんな生ぬるいことで済む話ではないだろう。

 世論調査というのは質問の仕方によっても回答に差が出る。内閣支持率以外の安倍政権の政策をめぐる世論調査では、質問を恣意的にすることで、他社よりも評価が高くなる仕掛けも平気で行なっていたとLITERAは指摘している。

 その一部を下記にコピペする。
「典型が、2015年9月、国会で安保法案が強行成立した直後の世論調査だ。このとき、共同通信や朝日新聞、毎日新聞の世論調査では6割以上が“安保法案に反対”と答えていたが、FNNと産経の世論調査では、『安保法制が必要と答えた人が69.4%』。これは、質問が、シンプルに安保法制の成立を評価するかどうかでなく、〈あなたは、日本の安全と平和を維持するために、安全保障法制を整備することは、必要だと思いますか、思いませんか〉という誘導的な文章にしたためだった。
 

 今回の不正発覚は、内部告発で他のメディアに書かれるのを怖れて先手を打って発表したと言われる。
 

 下請けがやった不正だとされているが、FNNと産経がからんだ不正だと思われる。世論調査への国民の信頼を損なうとんでもない事件であった。世論調査は公正に行い、厳密にチェックし、世論に近い数字を出すようにすべきである。
 それにしてもこの事件で安倍政権は痛手を蒙ったであろう。最も頼りにしていた一角が崩れたのだから。

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2020年3月 5日 (木)

緊張感がない総理記者会見、お膳立てされた寸劇だからなのだ。

  2月29日、新型コロナウイルスの感染防止策について安倍総理が記者会見を行った。たまたまテレビを付けたらNHKが中継を始めたので見た。
 

 安倍首相は20分ほどの会見をよどみなく話していたので、不思議に思っていたが、後日プロンプターを2台前において話していたということを知った。プロンプターをおいてあっても自然な感じで映るのはNHKのニュースアナと同じやり方なのだろう。
 

 演説が終わって記者の質問に入った。幹事社の朝日新聞の記者が最初に指名されたので「?」と思ったが、これも「新型コロナウイルス拡大防止の総理会見を茶番劇にした官邸と官邸記者クラブの愚」という立岩陽一郎 「インファクト」編集長によって書かれた記事を読んでその訳が分かった。
 

 立岩氏は「日本のメディアと権力との癒着を如実に物語るものだった」と書き出している。幹事社とは記者クラブのとりまとめ役で、各社持ち回りで担当することになっているのだそうで、この日は朝日新聞が当番であったのだ。幹事社は質問することを事前に各社の回すのだそうだ。

 その質問には以下の様に書かれていた。「臨時休校について伺います。総理は27日に突然発表しましたが、その日のうちに政府から詳しい説明はなく、学校、家庭など広く社会に不安と混乱を招きました。説明が遅れたことをどう考えますか。」

 その後、「ひとり親、共働き家族への対応、授業時間の確保について質している。また、国民生活や経済への影響、感染の抑え込みについて見通しなどや、クルーズ船への対応について、中国の習近平主席の訪日、東京オリンピックを予定通り行うかどうかなどについても尋ねている。」

 首相の記者会見は、このように事前に質問事項がまとめられて記者から官邸側に渡され、それに基づいて総理大臣の答弁が決められて答弁書が作られる。総理大臣は答弁書を読むだけなのだ。だから安倍首相は答弁の時、下を見て答弁書を読んでいたのだ。
 

 この日最後に「質問があります」手を挙げた人がいたが質問を打ち切られた。その人は江川紹子さんであった。江川さんは質問書を出していない個人だから無視されたのであろうか。
 

 彼女によると、答弁書を書いたのは佐伯耕三首相秘書官で、安倍首相はそれを読んだだけだそうだ。
 

 立岩氏は「記者と総理大臣が演じる一種の茶番劇。そこには権力者と取材者との緊迫したやり取りなど存在しない。あらかじめ用意された紙を読んで質問をしたことにする記者。それに応えて予め用意された答弁を行うことで誠実に対応しているように見せる首相」と指摘している。
 

 国民はあらかじめ組み立てられた「総理記者会見」という寸劇を見せつけられているだけなのだ。米国のようにトランプ大統領とメディアが丁々発止とやりあう場面はない。日本ではメディアと権力側が馴れ合っているのだ。
 

 最初に幹事社朝日新聞が指名されたとき「?」と思ったのは朝日新聞は首相に嫌われていると思っていたからだ。質問が分かっており、答えが用意できるのだから安心である。それに朝日新聞も幹部が首相と会食をしたりして篭絡されているのだ。産経とか読売ほどではない程度の官邸との関係なのだ。
 

 アメリカのように真正面から権力を批判できるメディアがない日本はどうなるのであろうか。

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2019年12月 1日 (日)

「桜を見る会」問題の最中にメディアキャップと安倍首相が会食

 YAHOOニュースを観ていたら「『桜を見る会』が紛糾する中で安倍総理と会食したメディア、しなかったメディア」という記事を見つけた。Harbor Bijines onlineの記事で、主なテレビ局と新聞社に首相との会食に参加をしたかどうかを尋ねたというのだ。

 会食した場所は東京・平河町の都道府県会館で、11月20日夕方、同所内の中国料理店『上海大飯店』で内閣記者会加盟報道各社のキャップと懇談したのだ。 

 アンケートしたメディアは、【テレビ局】NHK、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京、


              【新聞社】朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、産経新聞、東京
新聞、時事通信社、共同通信社

 である。その中で「参加しなかった」と回答したのは、毎日新聞一社であったといいう。

  参加した朝日新聞社は、「11月20日の首相との懇談は、首相に対する数少ない取材機会の一環ととらえ、応分の費用を負担したうえで参加しました。取材を尽くしたうえで、遠慮なく報道することがメディアの役割だと考えています。」と答えている。読売と産経はお茶を濁しているが、他のメディアは朝日と似たような「数少ないチャンス」と答えている。

 首相があの時期に会食をしたのは、少しでもメディアの追及を弱めようという意図であったのだろう。権力を監視すべきメディアがその役目を忘れて、権力にすり寄る印象を与えたのはまずい。

 詳しくは https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191130-00207728-hbolz-soci

 このメディアと安倍首相の会食を取り上げた記事がもう一つあり、志葉玲氏によるものだ。 

 URL: https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20191128-00152737/

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2019年11月 4日 (月)

大手紙はどうした?「文春」だけが頑張っている!

 前回の菅原経産相の辞職に続いて、わずか1週間で、今度は河井克行法相が辞任をした。週刊文春に、7月の参議院選挙で初当選した妻の河井案里氏が、公職選挙法の規定を超える報酬を運動員に支払ったとする疑惑が報じられたからだ。河井氏は否定をしたが誰もがすることである。

 安倍総理は例によって「任命したのはわたしだ。その責任を痛感している。国民の皆様に深く心からお詫びを申し上げたい」と型通りの謝罪をした。内閣が発足してすぐに2人も大臣が辞職するということはあってはならないことだ。しかも、一人は経産相、もう一人は法相という重要閣僚である。もし国会で絶対多数でなければただでは済まないはずだ。それが口先だけの謝罪で済んでしまうのは数の上に胡坐をかいているからだ。

 大臣二人を辞任に追い込んだのは、「週刊文春」だが、情けないのは全国的大手の新聞だ。権力を監視するのが大手新聞の役割の筈だ。それを完全に放棄してしまっているとしか思えない。政府広報紙の読売新聞や産経新聞には期待をしないが、朝日、毎日などはどうしたのかと言いたい。本来なら、大手紙のやるべきことであったのだ。

 朝日新聞は一部週刊誌などから叩かれているので、鳴りを潜めているのだろうか。大手メディアが黙ったとき、権力の思いのままということになる。僅かに週刊文春が頑張っているので救われる思いである。

 大手紙には権力監視をしっかりとやるようにしてもらいたい。そうでなければ、ただでさえ新聞離れが言われる今日、ますます見放されるであろう。

 

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