愛知県、三重県に住む高校の同期の連中と忘年会で伊勢の鳥羽に行った。大阪からも二人参加した。名古屋から近鉄特急で鳥羽まで行ったのだが、乗車してからしまったと思った。どうせ急がないのだから、急行にすればよかったのだ。特急券1260円分損したような気がした。
鳥羽までは、ずっと持って行った「断捨離」という本を読んだ。自分は部屋の中が雑然としているので断・捨・離を実行せねばならないと思っているのだ。 鳥羽には1時間32分で着いた。
駅前には各旅館の迎えの車が来ていたがホテル扇芳閣の車は見当たらなかった。特急に合わせていると思ったら、待っている運転手に聞くとそれは関係ないと言った。
しばらくすると迎えの車が来た。大阪からの二人と松阪からの幹事も来た。曲がりくねった坂道を上るとホテルがあった。静岡からのバスから団体が下りていた。あとで知ったのだがこの団体はバス4台で来たのだ。男性ばかりの団体でお伊勢参りの講のようであった。
仲居さんの案内で部屋に行った。6階の海側の部屋であった。窓から鳥羽の海が望見された。仲居さんがお茶をいれてくれた。机には三種類の菓子が置いてった。土産物を試食して買ってもらおうということのようだ。
食事は6時からなので、先に大浴場へ行った。K.S君が鳥羽には温泉がないと言ったが、入り口に「温泉」と書いて成分の説明が掲げてあった。後で聞いたら、榊原温泉から運んでいるのだそうだ。
浴場は展望がよく、広くて、42度の温泉が丁度よくリラックスできた。出ると廊下に東屋があり、麦茶が用意されていた。気が利いている。
夕食は2時間で2500円の飲み放題、2時間で5400円のカラオケも用意されていた。カラオケは時間をずらしてくれるように頼んだらOKであった。
大きな舟に大きなタイの頭つきが2匹おいてあり、仲居さんが取り分けてくれた。イセエビがつくというので期待していたのだが、小さい半分に割ったイセエビのクリーム仕上げであった。他には突き出し、サザエのつぼ焼き、天麩羅、鍋、茶碗蒸し、野菜の煮物、刺身、すしごはんがあった。白いご飯と味噌汁と漬物、それにグレープフルーツのデザートであった。
タイの刺身は新鮮で量も多くてよかったが、天麩羅は揚げすぎの感じ、鍋は汁が甘くおいしくなかった。
みんな飲む連中ばかりなので、飲みながら談笑をした。女性のIさんが中学、高校の写真をもって来ていたので話がはずんだ。その中に高校の野球スタンドで撮った同期500名もの写真があった。みんなその存在を忘れていて驚いた。ただ写真は顔が豆粒ぐらいで拡大鏡がないと見えない。
部屋に帰ったあと、気を利かして運んでくれた飲み残しの酒やビールなどで12時ごろまでいろいろと話をした。
同室のM君が夜中に大声で寝言を言うので何度も起こされてしまった。
朝食は、ビュッフェスタイルで、海草、野菜の種類が多くて、魚などもあり、ヘルシーであった。
食後ホテルの上にある「メダカの学校」と「音楽人形館」というのに惹かれて見に行った。メダカの学校はいくつかの池にクロメダカが泳いでいた。
珍しいのは、音楽人形館で館内のショーケースには世界で集めたというジャズ音楽の人形が種類ごとにまとめて展示してあった。カエル、ふくろうなど動物の演奏人形が多く、人間のもあった。
たまたまホテルの社長で館長の谷口仙二さんがおられて、説明をしてくださった。これらの人形は、東京新宿でバーを経営している北内さんというジャズ演奏家が世界各地から集めたもので、それを展示するために扇芳閣の社長が建物を提供したのだそうだ。数万の人形があるそうだ。
毎年4月28日ごろ、この人形音楽館の前の藤棚の下でジャズの無料演奏会が開かれるそうだ。是非聞きにきたいものだと思った。
メダカの学校、音楽館のある辺りは眺望もよく、藤棚があり、他にも足湯とか風車とか鐘などもあってかなり敷地が広い。
「道徳の門」と「経済の門」という門柱が立っていて、反対側には二宮尊徳の小さな石像もあった。経済と道徳のバランスのよい考え方を持つことが大事だというのが尊徳の教えで、リーマンショックのような儲ければよいというやり方は駄目だと言う。反対に道徳に偏って経済を考えないのもいけないのだという。
ヨーロッパの危機も日本のバブルもリーマンショックもどれも貪欲に利益を求めた結果であった。この門の前に立って反省をして欲しいと思った。
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