「貢献寿命」が大事だという
多くの人が長生きをするようになって、「平均寿命」より「健康寿命」が大事だと言われている。
しかし、幸せな晩年を送るためにはなにが必要なのか―洋の東西を問わず、人間社会が長きにわたって向き合ってきた難問だという。
おカネ、健康はもちろん大切である。老いについて研究する老年学の世界で、本当に幸せな晩年を迎えるためには、「貢献寿命」が大切であることがわかってきたというのだ。
ニッセイ基礎研究所・上席研究員の前田展弘氏によると、人生100年時代になって、生きていることの幸せを感じながら歳を重ねていくためには、身体的・金銭的な健康だけでは不十分で、社会と接点を持ち、誰かの役に立っていると感じられる『貢献感』が大切なことがわかってきたという。
この貢献感を得られる期間を『貢献寿命』と定義し、この寿命を延ばすことが幸せな晩年を送るために必要と考えられるようになってきたというのだ。
近年の研究によって、定年後も社会とつながりを持つことが心身の健康状態を改善し、死亡率の低減につながることが次々と明らかになっているという。誰かのために行動する人は、そうでない人と比べて幸福度が高く、健康長寿だという研究結果があるという
どうしてか。誰かのために行動して喜ばれた場合、脳から『オキシトシン』というホルモンが分泌される。これが分泌されると、心身ともにリラックスして、高齢者にとって大敵であるストレスを軽減してくれるというのだ。
ストレスが軽減されれば、血圧が安定し、生活習慣病の予防にもつながる。結果、長生きにつながる。
さらに、人のために行動することは認知症の予防にもつながるという。
昔の人は「隠居」というのが老後に理想で、私の祖父などは50歳でリタイアしたという。でも、今は働けるうちは働くのが社会や人とのつながりになり貢献をすることになる。
何かのボランティアをすることもよいそうだ。ボランティアをしている人は死亡率が低いという研究もあるという。主婦の様に家庭の中で家族のために働くのもよい。
私は退職後28年間余外国人に日本語を教えるボランティアをして来た。70歳からは男声合唱団を作り歌っている。その他にマジックで慰問活動をしてきた。そうした「ことも米寿まで生きて来たのに役立っているのかもしれないと思う。妻は外には出ないが家事をせっせとやっている。それで長生きをしているのかもしれない。
自分では貢献をしているという自覚がなくても、脳は「貢献感」をとらえているようだ。ボランティアをしている人は海馬の委縮が少ないという。
今は65歳定年になって、さらに70歳定年などとも言われているが、ながくはたらくことで寿命が延びるのであろうか。興味をひくところである。
60代、70代は今の時代、まだまだ若いので、体力や頭脳を存分に活かして、何か人様のお役に立つ、喜ばれることをやることが大事だという。それが貢献寿命を延ばすのだ。
最近のコメント