子どものころは「団扇」で暑さをしのいだ
暑い日がまだ続いているが、朝のウオーキングのとき、8月の終わりごろからコオロギの鳴き声を聞くようになった。また、日中は34度前後ととても暑いが、吹く風に何となく秋の気配を感じるようになった。
人間は自然の気配を感じることで季節の移り変わりを感じるのかと思うが、虫たちも同じなのだろうか。
「暑さ寒さも彼岸まで」というが、今年はどうなのであろう。この夏は毎日エアコンを利用して凌いできた。暑い日中は「冷房」にし、夕方からは「涼風」とか「除湿」している。寝ている間も「除湿」を付けっ放しである。電気代がどうなっているかは知らない。
エアコンがあるから今年の異常な暑さもしのげたが、これがエアコンのない昔だったらどうなるのだろうと思った。我が家には今も「団扇」が5~6本ぐらいある。みんなコマーシャルでもらったものばかりだ。でも、使ったことは1度もない。
子どもの頃はエアコンも扇風機もなかったから、どこの家庭でも「団扇」であおいで暑さをしのいていた。
戦後は夕涼みも必須のものであった。気温が下がる9時近くまで外で夕涼みをしていた。そのときも「団扇」が活躍した。
「夕涼みよくぞ男に生まれけり」という言い草があるが、男は裸であった。女性でも半身裸の人が多かった。そんなとき「団扇」は風を作るだけでなく、蚊を追い払うためにも使われた。
昔は部屋の戸を開けっ放しにして「蚊帳」を使って寝ていたが、その蚊帳に入るときにも「団扇」で煽いで蚊が来ないようにしてさっと入った。
いつの頃からか「盆踊り」がなくなったが、昔は盆踊りが盛んで夏の夜の楽しみの一つであった。踊るときにも「団扇」を腰に挿したりしていた。女性の浴衣と「団扇」は粋な物であった。
昔は薪や木炭が使われたから火をおこすのに専用の「渋団扇」を使った。大きくて表面に茶色い渋が塗ってあった。
ところで今の人は「団扇」を「うちわ」と読めるだろうか。ふとそんなことを思った。暑さをしのぐアイテムは「団扇」から扇風機へと変わっていった。
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