防衛省のミャンマー国軍幹部の訓練受け入れ中止を!
7日の朝日新聞に防衛省が昨年2月のミャンマー国軍のクーデター後にもミャンマー国軍の幹部や幹部候補生を、留学生として受け入れ、教育訓練を続けているという記事が載った。
年55万2千円の授業料を免除するばかりか、幹部に付き4万4千円、幹部候補生に付き8万3000円の給付金を支給している。昨年4月時点での給付金の予算額は約5800万円であった。
これまで受け入れたミャンマー軍関係者は20~30代の計30人。軍幹部17人を防衛研究所や自衛隊の幹部学校などで、幹部候補生13人を防衛大学校で受け入れた。現在在籍するのは10人で、このうち幹部2人(少佐、大尉)と幹部候補生2人の計4人はクーデター後に受け入れていた。
そうまでして訓練を受け入れることについて、防衛省は「文民統制下の自衛隊を理解してもらい、本国で生かしてもらい、人的関係を築いた上で、帰国した幹部らが群を内部から変えてもらうことを想定している」と説明。だが、留学した幹部らが帰国後どのようなポストについているかは把握しきれていないという。
ミャンマー軍は17年にも少数派イスラム教徒ロヒンギャの掃討作戦を実施、国際社会から「迫害だ」と批判を浴びた。軍の人権侵害の歴史を見れば、何人かの幹部を教育しても内部から軍を変えることなどありえない。
国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」は昨年12月、「ミャンマー軍との関係を断絶し、軍事留学プログラムを直ちに中止すべきだ」とする声明を発表。オーストラリアは昨年3月に軍事協力をやめたことにもふれているという。
昨年2月のミャンマー国軍のクーデタから1年余りが過ぎた。その間1500人超の死者がでている。軍はミャンマー市民のデモに対して発砲をして弾圧してきたし、市民の権利を奪っている。一方的な裁判でアウンサン・スー・チー氏を有罪にしている。
ミャンマーの国民の置かれた状態を考えれば、防衛省はミャンマー軍幹部の教育留学受け入れを即刻やめるべきである。
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