10月30日(土)に、名古屋能楽堂で「ムジカ・スコーレ」結成五周年記念公演があった。知人がバイオリンでいるので案内をもらった。女声合唱団の「虹のかけはし」がゲスト出演をした。
ムジカ・スコーレは初めて知ったが、団員が28名ぐらいのオーケストラである。バイオリンが13人、ヴィオラが2人、チェロがなんと10人、コントラバスが1人、オーボエが1人という変則的な編成である。知人はコンサートマスターをしていた。
チェロが10人もいるのでどんな音になるのか興味深々であった。能楽堂の舞台の上に10本のチェロがずらっと並んだのは壮観であった。
代表の荒川さんの説明によると、能楽堂の舞台には重量制限があって、全員がのぼれないので、袖の渡り廊下にバイオリンから8人出ていた。舞台に上るために板を敷き、その上によごれないように敷物を敷いたそうだ。
以前にポピュラー歌手の布袋さんのコンサートを聞いたことがあるが、その時は人数が少ないし舞台の上に乗っていたように思う。
能の舞台は踏むと音がするからやはり大勢が直接乗ると反響も変わってくるのだろう。
能楽堂は木で作られているので、アコースチックで響きはよい。ただそれがどのように響くのかが分からなかったと言っていた。
第一部はムジカ・コラーレで、コレルリのトリオ・ソナタ作品4 グラーヴェという短い曲から始まった。10本のチェロは音を独占することなく、何とか収まっていた。
次はヘンデルの有名な水上の音楽 第2組曲アラ・ホーンパイプであった。カナダに行ったとき、港に作られた舞台で水上の音楽を聴いたことを思い出していた。
3曲目はバロック風「日本の四季」秋、4番目が四季のしらべ「冬」ロシア民謡いとしき草原とトロイカを入れた曲であった。5番目はパッフェルベルのカノン。これらの曲はどれも聞きやすくて短いものであった。リラックスして聴くことができた。
2部が虹のかけはしの演奏で、女性のための唱歌メドレー 「故郷の四季」で、とても郷愁を誘う素敵なメドレーである。28人ほどのコーラスはあま市の合唱団のようで、20代から80代までの幅広い年齢層だそうだが、よくまとまって特にソプラノの高い音もきれいに出ていた。
「故郷の四季」の一部を私の男声コーラスでも歌ったことがあるので懐かしかった。
2曲目は合唱団の創設者の照喜名一男さんの作曲による「秋の夕暮れ」でカルテットの伴奏で歌ったが、素敵な曲であった。
休憩の20分のあと、第3部であった。ムジカ・スコーレの演奏からスタートした。
J.S.バッハのヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 第1楽章で、荒川代表がバイオリン独奏をし、指揮をしていた伊藤さんがオーボエを独奏した。
次がウオーロックのカプリオール組曲であったが、初めて聞く曲であった。
3つ目がJ.S.バッハの小フーガでなじみのある曲である。
第4部はムジカ・スコーレが演奏をして、虹のかけはし合唱団が舞台下に立ち、有名なアメイジング・グレースを歌った。
最後は聴衆も一緒になって「故郷」を歌った。楽しい企画であった。
このコンサートはなじみのある曲が多く、しかもオーケストラと女声コーラスで変化があり、オーボエもあって、1時間40分の演奏を楽しく聴くことができた。観客数から言って能楽堂を会場にしたのはよかったと思う。きれいな音が身近に聞こえたからだ。
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