映画・テレビ

2021年5月20日 (木)

「おちょやん」を観て

 NHK朝の連続テレビ小説は毎朝見ている。17日からは新しく「おかえり モネ」が始まった。

 先週に終わった「おちょやん」については、やっている間に1度もコメントをすることがなかった。つまり、良きにしろ、悪しきにしろ、インパクトがなかったということである。

 松竹新喜劇の浪花千栄子をモデルにしたものだといわれるが、浪花千栄子や渋谷天外などを知るものとしてはストーリー的には物足りなかった。

 「おちょやん」を演じた杉咲花は東京の俳優だというが、関西弁をしっかりと覚えて見事であった。ただ、歳を取っていくと顔が若すぎたのが残念であった。顔が若いと言えば、千代の継母の栗子を演じた宮沢も再会後は若すぎて違和感があった。

 最初の頃の芝居茶屋「岡安」のご寮さんを演じた篠原涼子ははまっていたと思う。強烈なキャラで視聴者を圧倒したのが、千代の父親のトータル松本であった。ストーリーがそうなっているので仕方がなかったのだろうが、あの身勝手さと千代に最後までまとわりつく様子にはいい加減にしてくれと辟易した。

 天海役の成田凌は喜劇役者としてははまっていなかった。関西のどぎつい役者をうまく演じていたのは須賀廼家千之助役の星田英利であった。鶴亀映画の社長で道頓堀芝居のドンの大山鶴蔵を演じた中村雁次郎も存在感があった。

 千代と子ども時代と姪を演じた毎田暖乃もよかった。

 個々の配役については上記のように印象的な人もいたが、ストーリーとしては物足りなかった。コロナ禍の関係で変な時期に終わったが、浪花千栄子をもっと描きこんで欲しかった。

 視聴率は上がらなかったとネットでは話題になっているが、やはり物足りなさがあったのだ。

 付け足し:主題歌の秦基博の「泣き笑いのエピソード」の冒頭部分「オレンジ色のクレヨンで描いた太陽だけじゃまだ何か足りない気がした」で、いつ聞いても「太陽だけ邪魔だ」と聞こえた。

 連続テレビ小説は、「エール」以来、金曜日までで土曜日は振り返りとなったが、従前のように土曜日までで完結させて欲しい。毎日見ている者には振り返りは要らない。

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2020年11月11日 (水)

NHKは自前の司会者を育てて欲しい

 NHKのテレビ番組にいつの頃からか民放の有名人の冠番組が登場するようになった。「鶴瓶の家族に乾杯」の鶴瓶はそれほどの有名タレントではなかったが、長い間続けているうちに全国的に人気番組になった。

 既成の有名人が起用されたのは「ブラタモリ」が最初だと思う。その後「所さん大変ですよ」ができた。「サンマの紅白」、「タケシのその時カメラは回っていた」とできてきた。冠番組ではないが岡村の「チコちゃんに叱られる」、古館の「日本人のお名前」。有吉の「突撃カネオくん」、新しいところでは蒼井と結婚して有名になった山里の「逆転人生」などがある。

 看板番組の「紅白歌合戦」も外部タレントに頼るようになってきた。今年は内山光良、大泉洋、二階堂ふみなどだ。

 若手の有名歌手などの歌番組は見ないので知らないが、とにかく外部のタレントに頼っているところが目立つように感じる。

 NHKと言えば過去には自前で育てた有名アナウンサーがいたものだ。「三つの歌」の宮田輝アナウンサー、「20の扉」の藤倉修二アナウンサー、「私の秘密」の高橋圭三アナウンサー、歴史の鈴木健二アナウンサー、野球の和田信賢アナウンサー、ジェスチャーの小川宏アナウンサー・・・・などなど。

 NHKはどうして自前の有名アナウンサーを育てないのだろう。民放から有名タレントを連れてきた方が名が売れていて視聴者の目を引きやすいからだろうか。

 そのために私などはNHKは民放化していると感じている。かつてのようにNHKはNHKとしてのポリシーを持って毅然としていてもらいたいものだ。

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2020年10月 1日 (木)

半沢直樹が受けたのは?

 半沢直樹最終回は予想されていた通り、30%の視聴率を超えて32%余りであった。前回に半沢が頭取から担当部署を外すと言われ「1000倍返しだ!」と怒鳴ったので、最終回でどのように展開するのかに期待がもたれたのであろう。

 半沢直樹のストーリーは、テレビだけ見ていると分かりにくいところがあるが、それを通り越して、あの歌舞伎役者を揃えての「顔芸」に視聴者は引き込まれてしまったのであろう。

「顔芸」のようなことは、現実生活ではありえないことだが、それを敢えてやって売り物にしたのは誰がそうさせたのであろう?

 途中で裏話を紹介する回があったが、大和田と半沢の「顔芸」は彼らのアドリブも多用されたみたいだ。幹事長のまえでの親亀・子亀場面では8回も撮り直し二人とも腰が痛くなったとか。あの顔を近づけても怒鳴りあいも大変だったと思われる。

 半沢直樹はいつも正義を貫く。勧善懲悪である。最終回では敵であった白井大臣を味方にして悪の権化の幹事長を、国民が観ている記者会見の場でやっつけるというどでん返しであった。そして白井大臣は大臣をやめ平議員からやり直すし、頭取も辞めてしまった。幹事長は政治資金規正法違反で逮捕された。

 その辺りは自民党政権を痛烈に皮肉っているようにもとれる。安倍政権には正義を貫く者は一人もいなかったので、森友・加計問題や公文書廃棄や改ざん問題、桜を見る会疑惑などそのままになってしまっている。

 そうした現実に嫌気がさしているので、視聴者は半沢直樹を見て留飲を下したのではないか。しかし大事なことはフィクションのドラマでカタルシスをすることではなく、現実の政治や世の中での悪を正していくことが求められる。

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2020年7月28日 (火)

「駅・空港、街角ピアノ」という番組

 知人から教えてもらって「駅・空港・街角ピアノ」という番組を録画で見た。NHKBS1で23日の午後にやっていた。

 駅ピアノというのがあるのは以前にニュースで見たことがあった。日本で誰かがある駅にピアノを寄付したので、誰でも自由に弾くことが出来ると言っていた。しかし、それ以上のことは知らなかった。

 23日の番組は、1時間50分のスペシャル番組で、これまで放送された街角ピアノをジャンルに分けて編集したものであった。

 駅、空港にピアノを置いて誰でも弾けるようにしたのは、オランダが発祥で、それが世界各地に広がったのだと言っていた。

 オランダはもとより、イギリス、アイルランド、スコットランド、ポーランド、イタリアのシチリアやマルタ、チェコ、アメリカのロスアンジェルスやミネアポリス、オーストラリアのブリスベン・・・そして日本の神戸などであった。

 説明によると、定点カメラを置いて撮影したのだ疎だ。演奏した人へのインタビューもあってよかった。

 最初の方ではよく知られたポピュラーミュージックの演奏であった。クラッシックは演奏されないのかと思っていたら、クラッシックも演奏されていた。

 駅や空港に置かれたピアノに向かって、若者や中年の人や高齢者などいろんな人が演奏していた。一番若いのはロンドンの10歳の男の子で、この子が即興の曲を弾き始めると観客の中から即興で連弾を始めた。

 96歳の男性が弾いたときには観客の中の一人の女性が歌を歌った。このように突然セッションが始まることもよくあるようだ。ギターを持った旅人やアフリカの太鼓を持った人などが飛び入りでセッションを始めるのが面白かった。


イスラエルの71歳の男性だと思ったが、この人はピアノを独学で習い始めて5年だと言っていた。この人は悪いことをして刑務所に入れられたが、そこの教会でピアノを習ったのだという。驚いたのはピアノが縁である女性に声を掛けられ、それがきっかけで結婚をしたと言っていた。

 独学でピアノを始めたという人がたくさんいた。YouTubeで勉強したという中国人の学生は、アメリカに旅行で来て空港のピアノを弾いていた。

 家にピアノがないので駅へ来てピアノを練習しているという人も何人かいた。勤めに行くとき毎朝弾く人や帰りに弾く人などもいた。

 中にはプロのピアニストも何人も弾いていた。ジャズピアノを生業にしている人や、ピアノ教師など多様であった。

 ピアノを弾く人はプロモアマチュアもみな楽譜を見ずに弾いている。さらに即興でアレンジしている人もたくさんいた。

 駅や空港でピアノを弾くことで自分が楽しいだけでなく、他の人々に楽しんでもらえるのが良いと言っていた。音楽は人とのつながりをつくる素晴しいものだとも言っていた。

 私は教員になったころ、学校のピアノを使って独学でバイエルをやり始めたが結局諦めてしまった。今思うと残念である。
曲を聴いてそれだけでピアノを弾いているという若者がいた。ガールフレンドが「この人は楽譜が読めないのよ」と言っていた。信じられないことだ。目が不自由だという女性ももちろんピアノ演奏を楽しんでいた。

 「街角ピアノ」という番組は、次の24日にもNHKBS1で2回放送されていた。午後には米国のミネアポリス、夜にはダブリンのが放送された。

 この番組は人気番組のようでNHKBS1または2で放送されているようだ。録画で見てみてとてもいい番組だと思った。

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2020年7月20日 (月)

ワイドショーについて

 11日の朝日新聞Beの「読者とつくる」欄に「ワイドショーを見ていますか?」というアンケート調査の結果が載っていた。
それによると、「はい」が50%、「いいえ」が50%で同数であった。私は新型コロナ以前はワイドショーを見たことがなかったが、コロナ問題以後見るようになった。

 最初はどのワイドショーが良いか分からなかったから、チャンネルを変えて見ていた。そのうちに羽鳥慎一モーニングショーを見るようになった。

 アンケートでのランキングでも、ダントツ第一位は羽鳥慎一モーニングショーとなっていた。以下、ひるおび!大下容子ワイド!スクランブル、情報ミヤネ屋、バイキング・・・と並んでいた。

 ワイドショーを見るきっかけも私と同じコロナ禍の巣ごもりが多かったそうだ。見る理由は「手っ取り早くわかる」が1位で、次いで知りたい情報がある」、「出来事の真相がわかる」と続いていた。

 羽鳥慎一モーニングショーのコメンテーターに日替わりで長嶋一茂と石原良純が出ているが、なぜこんなとこに?と違和感があった。

 新型コロナ禍問題では岡田春恵白鳳大教授が出ずっぱりで、渡辺事務所の所属となりタレントになったと知って驚いた。コロナ禍でみな収入が減ったり無くなったりして困っているときに逆に収入を上げたのだ。

 ところで、見ない理由は、「どうでもいい話題が多い」が一位で、「どれも似たり寄ったり」が2位、「見る時間がない」「内容が低俗」・・・と続いた。

 私も以前はどうでもよい話題が多いと思っていた。ただコロナのことを知りたくて見始めたのであった。

 ワイドショーも政治の問題などに鋭く切り込んで権力を監視するというメディアの役割を果たしてもらいたいものだ。

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2020年7月11日 (土)

「ポツンと1軒家」が面白い!

 名古屋ではメーテレが日曜日の20時ごろから放送している「ポツンと1軒家」という番組が面白い。1年ぐらい前に知人からこの番組が面白いと聞いて見始めた。この時間はちょうどNHKの大河ドラマを見るので、録画をしておいて観る。

 全国的に人気がある番組らしく、視聴率も20%近くの上位にいる。番組では毎回道を尋ねるところから始まるが、ディレクターが「ポツンと1軒家という番組ですが・・・」というと、「ああ、」と知っているという返事が返って来るし、尋ねた1軒家の主も同様の返事をするから多くの人が観ていることが分かる。

 この番組は衛星写真で見つけた山の中の1軒家を小型自動車で探して行くのだ。うっそうと茂った山道、それも登るにつれて道が細くなり、舗装もなくなり、時には片側が崖や谷川になっているようなところを行くのだ。山の中にまで道路が造られているのは昔は山の木を切って運んでいたのだろうと想像する。

 不思議に思うのは、その自動車が登る様子を空から、または別の角度から撮影した映像が出ることだ。また、現地に着いた時にも衛星写真と比較するために上空から撮った写真と比べている。一体どうやって撮影しているのだろうか知りたい。

 この番組の面白さは、尋ねた辺鄙な山の中の1軒家の様子や生業や住んでいる人のエピソードだ。道のないようなところに自分の持ち山から木を切り出して建てたとか、歩いて木材などを運んで建てたとか、道がないので道を造ったとか、大変な苦労をして立派な家を建てているのだ。

 不思議なのはどの家にも電気が来ていて電化生活をしていることや携帯電話が使えることだ。ポツンと1軒家のために電線を引くのは金がかかると思うのだが、どうやって電気が来るようになったのか知りたいものだ。


 水道は湧き水や谷の水やときには地下水を使っているからこちらは難しいことではない。

 交通の超不便なところに畑や田んぼを持って作物を作っている人が多いのは当然だとして、そんな山の中にいて幅広い仕事をしている人たちもいる。先日の放送では結婚会社の本部をと東京から離れた1軒家に置いている人がいた。

 都知事選があった5日には82歳の老婦人が一人で住んでいる様子が放送されたが、もっと年を取った老婦人が一人で暮らしている様子も何度かあった。

 辺鄙な山の中の一軒家で生活をするには病気の時困るだろうとか、買い物をどうするのだろうとか心配するのだが、それも他の人に助けられたりしてうまくやっている。そんな山の中にも郵便が配達されるのも驚いた。

 どの住人もみなポツンと1軒家の生活が最高だと言っていてエンジョイしているのが印象的である。昔から住んでいる人も新しい山の中に住居を求めてきた人も同様にそこの生活がいいと言っているのだ。

 この番組は人間のリアルな生活や考え方を描いているドキュメンタリなので人気があるのだ。

 次回は、7月19日日曜日20時58分からだ。

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2020年6月24日 (水)

「エール」は底の浅いお笑い劇か!?

 NHK連続テレビ小説「エール」は、15日~19日の1週間3つのテーマでスピンオフを放送した。

 15日と16日は音の父親が頭に△の布をつけて登場した。あの世で閻魔大王のこの世に戻る抽選会があり、2泊3日の権利が当たったという設定であった。

 音の前に現れた父親は、生前と違うのは親族にしか姿は見えないということで、それ以外は生前と同じことができた。音にお金を渡し大好きな団子を買ってきてもらって食べた。そこへ祐一が帰宅して団子が置いてあるのを見てそれを食べた。父親は祐一を見ていい亭主でよかった安心したと話す。

 16日には豊橋の音の実家に行き妻や3女の娘に会う。娘を励ます。妻が夕食を食べて行ったらというのをもう戻る時間だからと断りあの世に戻る。

 あの世からの父親が会いに来るという設定がなぜ必要であったのか疑問を感じた。しかも非常にリアルな描き方で、音や3女とハグをしたりするのだ。

 17日は、祐一と音の家の前の喫茶バンブーの夫婦がどうして結婚したのかという物語だった。

 店主は以前古本屋をしていた。そこに妻になる女性が木曜日ごとに現れるようになる。店主は次第に女性に惹かれていくが好きだと言い出せない。そこに常連客が美少年を連れて現れる。その少年がこましゃくれた大人のような言い方で結婚を申し込めと促す。この少年は祐一の幼馴染で同級生の佐藤久志なのだ。

 このエピソードは時間的に全く合わない。祐一と同じクラスにいたのはずっと昔のことなのだが、ドラマではそんなことは無視して描いているのだ。第一金持ちの美少年が恋の手ほどきをするというのが可笑しい。あり得ない話である。

 18日と19日は双浦環のパリ留学と恋人との同棲、そしてプチーニの歌劇蝶々夫人のオーディションである。日本人画家と出会い同棲を始める。そしてオーディションを受けにイタリアまで行ったり、英国へ行ったりし、英国でもオーディションに合格する。

 双浦環のモデルである三浦環が留学したのはドイツであり、その時彼女は最初の夫と結婚していた。その後オペラ歌手になるため離婚し、環に熱烈な恋文を送り続けていた三浦という人と結婚するのだ。

 スピンオフではフィクションとはいえ全くあり得ないことを描いたり、モデルを無視した描き方をしている。

 スピンオフではないが、ドラマでは祐一は酒に強い人として設定され、しばしば酒を飲むシーンも出てくる。ところが古関裕而は酒は1滴も飲めなかったそうだ。飲めないどころが匂いを嗅いだだけでも駄目だったと妻の金子が書いている。酒は飲めなかったがタバコは超ヘビースモーカーで作曲をするときにはピース缶すべて吸ってしまうほどで、タバコにもうるさかったそうだ。


 酒好きに設定したのは福島が銘酒の産地だからだろうと指摘するネット記事があった。

 以前にもエールはズッコケのドタバタ笑劇だと書いたが、スピンオフを見ても普通のドラマとはかなり違った設定や描き方になっている。これでは古関裕而や妻の金子が可哀そうだ。

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2020年6月17日 (水)

「エール」は史実を曲げずにズッコケずに真面目に描け

 NHK連続テレビ小説「エール」で古山祐一(古関裕而)の最初のヒット曲「船頭かわいや」が藤丸(実際は音丸)という下駄屋の娘によって歌われ全く売れなかったということになっている。

 ある日妻の音(金子)が音楽学校の先生の双浦環(三浦環)にレコードを聴いてもらう。環がとてもいい曲だから私に歌わせて欲しいという。

 志村けんの小山田耕三(山田耕作)などが反対するが、双浦の強い売り込みでプロデューサーの廿日市はOKを出し、レコ―ディングをして売り出すと、世界的オペラ歌手が歌ったというので大ヒットする。そして祐一は専属を失う危機を逃れる。

 実際は「船頭可愛や」の大ヒットは音丸が歌った最初のもので、それはコロンビアの売り込みの努力によるものであった。

 三浦環が「船頭可愛や」を歌いたいと言って歌ったのは事実だがそれはずっと後の昭和14年のことで、しかもそのレコードの売れ行きは芳しくなかったのだ。

 フィクションとはいえ、モデルがあるものを全く事実と違うシチュエーションにして描いたのはおかしい。第一歌った本人たちに失礼である。

 藤丸(音丸)が祐一の友人鉄男の居酒屋で「船頭可愛やはもともと私の歌なのよ。双浦環さんのお陰?納得できない。バカヤロー」などとクダをまいて怒る場面があった。

 案の定ネットでは史実を変えて藤丸にきれさせるのはおかしい。」とか「下駄屋の娘あんなふうに落とす必要があるのか」などの苦言が殺到したと11日のニュースパスに出ていた。

 ストーリーを面白くするための作られたエピソードとはいえあまりにも軽率である。以前にも指摘したが、古関裕而など主な役をズッコケキャラクターとして描きお粗末なドタバタ喜劇にしている。もっと真面目に祐一や音などのキャラクターを描いてほしい。

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2020年5月30日 (土)

「エール」の気になる描き方

  NHKの連続テレビ小説「エール」を見ている。作曲家古関裕而氏とその妻金子さんをモデルにしたドラマだ。
 

 「エール」を見ていて気になることがある。それはコメディを意識して作られているのか、時々ドタバタ喜劇の場面があることだ。
 

 例えば、祐一が川俣銀行に勤めたとき、支店長以下同僚が祐一を誘ってカフェーに連れて行ったり、作戦を練って祐一と女給をくっつけようとするとこだ。設定では頭取の養子になり将来は頭取になるだろうと期待されている祐一を、他の行員たちがよってたかってあのように扱うであろうか。
 

 音が姉の見合いに同席した場面で、突然激しく相手の男性を攻撃した場面があった。(金子)音がかなり活発な元気のよい人間であったとしても、あの時代にあのようなことができたであろうか。
 

 祐一が豊橋に音を尋ねたとき、後を追って来た父親と音の母親が結婚のことで話し合う場面で、音の母親が激しく言い募ることがあった。これもあり得ない話である。
 

 早稲田の応援団が応援歌の作曲を依頼に来た場面でも、応援団が玄関からいきなり部屋の中に上がり込み、応援団長が祐一と鼻を突き合わせて頼んでいる。いくらバンカラな応援団だとしてもあのようなことはあり得ないはずだ。

 音が勉強のためにカフェの女給として働く場面でも、祐一の幼馴染の友人との場面でもドタバタがあった。音は気が強いが物おじしない人柄として描かれているが、実際の金子はどうであったのだろうか。

 他にも思い出せないがドタバタ描写がいくつかあった。こうしたドタバタ喜劇調の作り方は古関裕而と金子にはふさわしくないと思うのだ。
 

 古関裕而は子どもの時は非常におとなしい子であったと言われ、ドラマでもそのように描かれている。
 

 ところが大人になってからの祐一はどちらかというとコミカルな言動をすることがよくある。NHKのビッグショーを見たら、古関裕而はとてもシャイでほとんど話さなかったとコメントされていた。ドラマの祐一はそういう古関裕而とは相当かけ離れた人物として描かれている。

  その他にも山田耕作との関係について、古関裕而は少年の頃から耕作に手紙を送り曲も送っていたと言われる。そうしたことがあってコロンビアレコードに推薦されるのだが、ドラマではその辺りが抜けている。志村けんの耕作に会いに行っても鼻であしらわれているが本当はどうであったのだろう。
 

 もう一つ知りたいのは、小学校時代の「大将」と「ボッチャン」が共に作詞家と声楽家として出会うが、実話でもそういう奇跡的なことがあったのであろうか。
 

 ドラマだから題材として実在の人物を取り上げてもフィクションがあるのは当然だが、あまりにもかけ離れていると見ている方は気になる。
 

 「エール」は6月27日で休止となり、それ以後はこれから制作されるようだが、ドタバタ喜劇は止めにして欲しい。なるべく実物を損なわないように描いてほしい。

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2020年5月28日 (木)

I LOVE「新婚さんいらっしゃい!」

 「新婚さんいらっしゃい」(朝日放送、テレビ朝日系)が今年50周年を迎えた。最近はコロナのせいで新しい録画ができないためか、記念番組と称して過去の番組から面白そうなものをピックアップして手を加えて放映している。

 私は結婚して自宅でテレビが見られるようになって以来、毎週欠かさず見て来た。だから50年近く見ていることになる。
 

 桂文枝が三枝の名で司会をしてから50年、長寿番組としてギネスにも載っているとか。昔「夫婦万歳」という番組があり、これも面白かったが途中でなくなってしまった。おなじように夫婦を扱う番組だが、50年も続いているというのは、出演夫婦のエピソードの面白さもさることながら、それを巧みに処理する桂文枝の司会技術のよるものであろう。

 「新婚さんいらっしゃい」の中で一番のギャグは「椅子コケ」である。現在のプロデューサーは「資料によると、80年代に生まれたようです。たまたま面白いことがあり、アシスタントのツッコミが強くて文枝さんがコケたところ大爆笑になり、これはイケるとなりました。どんな場面でも、一般人のご夫婦を傷つけることなく笑いが取れてオチになる発明です(笑)。番組では、コケまくる日もあれば、コケない日もありますが、文枝さん次第です。話がおもしろすぎてコケられなかった日もあるそうです」と語っている。

 50周年記念番組で「椅子こけ」を特集したことがあったが、50年経っても新しさのある優れたギャグだ。参加の新婚さんも視聴者も毎回「椅子コケ」を期待しているに違いない。

「新婚さんいらっしゃい」は時代を映す鏡だとプロデューサーは次のように語っている。

「1年に100組を超える新婚夫婦が出演していますが、100通りのエピソードが聞けます。さらに、時代によって夫婦の出会い方、愛の育み方、新婚生活の出来事、男女の関係性も変わります。スタッフとして思うのは、時代を映す鏡のような番組になっているということ。飽きられない番組だと思います」

 最初の頃は、「手を握ったのはいつですか」とか「キスをしたのは?」などと聞くのが精いっぱいであった。それがいつの頃からか「二人が(体で)結ばれたのは?」と直截に聞くようになり、答える方もあからさまに状況を話すようになった。

 最初は「新婚さん」であったが、数年前から結婚3年の夫婦も出るようになった。旧婚さんと言えなくもないが。

 いつも興味をそそられるのは、二人の馴れ初めでである。出会いはどれも「縁」としか言いようがない。最近はSNSでの出会いや合コンが多いようだ。また、女性の方が積極的なケースも多い。

 結婚したら妻の尻に敷かれているという夫も多いようだ。私などから見ると耐えられないような強い奥さんもいる。

 それぞれの人生模様を見せてくれる「新婚さんいらっしゃい」はどんなドラマより面白い。まさしく「事実は小説より奇なり」である。桂文枝が健在である限り楽しませてもらえるのではないかと思う。

 

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