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学問・資格

2020年10月14日 (水)

論点のすり替えは許されない!!

 学術会議会員の任命で、会議側から推薦された105人から6人を外して99人を菅首相が任命した問題について、相変わらず新聞やネットで議論されている。

 任命されなかった6人については、いずれも推薦基準を満たした立派な業績を持つと言われている。共通点は安倍政権時代に安保法制や共謀罪などについて政権に批判的な言動をしたということである。


 元学術議会議長も前学術議会議長も現議長もいずれも任命拒否についてきちんとした説明が必要だと指摘している。メディアも同じである。それなのに菅政権側は何の説明もしていない。

 そこへ6人を外したことについて首相が見る前に誰かが外したのだという問題が生じて来た。誰が、どういう理由で外したのか明らかにするべきである。

 大事なことは6人の有能な学者を外した理由が説明できないことだ。「総合的・俯瞰的に」などと訳の分からないことで誤魔化している。具体的に一人ひとりについて、「こういう理由で除外した」ときちんとせつめいすべきである。説明できないのはやましいことがあるからだ。

 この問題が起きてから政権側では学術会議の在り方について難癖をつけ始め、河野行革担当相は行革の問題だなどといい始めた。

 こうした動きは明らかに問題のすり替えである。国民の視線を任命問題からそらし、学術会議そのものに問題があるかのように誘導するものである。

 学術会議について議論すべき点があるのなら別個に議論をすべきである。ここは任命拒否の理由開示1本で議論されるべきである。

2015年9月10日 (木)

名古屋大学レクチャー2015

 名古屋大学が毎年開催している公開レクチャの案内が来たので応募したら当選のハガキが来た。「名古屋大学レクチャー2015」で、今年の講師はノーベル物理学賞を受賞した赤崎勇教授と天野浩教授であった。

 

 会場は豊田講堂であったが、抽選になったのはノーベル賞受賞者が揃ったことと高校生が招待されたからだと思われる。

 

 6日の12時半開場というので12時20分ぐらいに着いたら、すでに開場していた。中央の前半分は高校生の席になっていた。後で分かったのだが、天野教授の希望で今回はたくさんの高校生が招待されたのだそうだ。

 

 赤崎教授が「青色発光素子はいかに創られたか」と題して話された。大きなスクリーンにパワーポイントを使ってパソコンから投影して、レーザーポインターを使って話された。マイクと少し離れていた感じで音声が聞きとり難かったし、せっかくの図や説明の文字も大きい字しか読めなかった。それに内容が専門的すぎて、予定時間を1時間ほどもオーバーしての講義でのあったが私にはほとんど分からなかった。

 

 休憩の前に天野教授へ名大最高の栄誉の盾が贈られた。

 

 天野教授の講義は3時10分から始まった。「世界を照らすLED」というテーマで高校生を対象にした話であった。

 

 イントロで面白いデータを示された。日本は世界第3位のGDPだが一人あたりのGDPは確か16番目とかなり低いことや、幸福度は46番目であること、だから日本はまだ発展途上国なのだという。

 

 1988年以後一人当たりのGDPは右上がりだが、幸福度は逆に右下がりであることや、江崎教授の示されたところでは、若い時から分別力は右上がりに増すが創造力は下がり続け、40歳がその境だという。

 

 若者は夢中になるものを持つことが大事だと話され、ご自分がどんなことに夢中になったかを、小学生から大学までに分けて話された。

 

 小学校時代は読書に熱中したそうで、集中力が養われたと思うと言われた。高学年ではソフトボール部で活躍したそうだ。

 

 中学ではカーペンターズなど当時のアメリカンホップスに夢中になったが、それで英語の勉強になったと話された。その他に読書やアマチュア無線に夢中になったそうだ。

 

 高校では数学や読書に夢中になったそうだ。あとの質問の時間で歴史は好きだったが理科はそうではなかったと言われたのが意外であった。

 

 大学では1年で数学概論などの数学、2年では量子力学、マイコン(パソコン)にも熱中したそうだ。そして自分で何か作りたい、作って試したいと思うようになったという。そして赤崎教授に出会い青色LEDを卒業研究に選んだそうだ。

 

 その頃はまだ真空管であったがそれから固体素子へと関心が移って行ったという。結晶成長の勉強をし、結晶成長の装置も自分で作ったそうだ。

 

 赤崎先生の勧めでドクターコースに進もうというとき、学資金が途絶え、進学を諦めなければならない事態になったが、どうしても諦めきれず進学を決意したそうだ。幸い奨学金を得ることができて助かったという。

 

 博士課程のとき、世界中の青色ダイオード関係の100余りの論文を読破したという。そしてp型GaMの実現を目指したそうで、1985年から88年までひたすらGan・Znを追い続けたという。

 

 その後は、最初はディスプレイに使われたLEDが照明に移ったことや、それによって非常に大きな省エネ効果がもたらされたことなどに話題が替わった。2020年には日本のLEDによる省エネが7%にもなり、1兆円になるという。

 

 原子力発電のよいところと悪いところ、再生可能エネルギーにも同様にあり、また、科学技術が進歩してもよいことばかりとは限らず、必ずマイナスの面もあると話された。例えば交通渋滞で年に12兆円の損失が出るとか、情報がどんどん増えインターネットは有用であるが、2023年にはルーターの消費電力だけで現在の消費電力分の電力が必要になるなど面白いデータを示された。

 

 若い人たちに、①疑問をもつこと、②それに取り組むこと、③結果としてその副産物が得られることを話された。

 レクチャーの後高校生10名を壇上に上げ質問を受け付けた。ノーベル賞をもらってよかったことは?という質問に、世界のいろいろな分野の人たちと会う機会ができたことだと言われた。

 また研究で多忙であった最近まで新聞を読んだことがないと言われた。今は新聞からいろいろな情報を得ていると話された。

 参加者は高齢者が目立ったが、高校生を招待したのはよかったと思った。

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                     栄誉盾と花束送呈