よかった、袴田さんの無罪確定
10月9日の朝日新聞によると、袴田巌さんの無罪が確定した。検察が控訴をしないと発表したのだ。無罪確定までに逮捕から58年も要している。袴田さんは88歳だというから私と同年輩である。死刑が確定した身での長い拘禁生活で精神を病み意思疎通ができない状態にあるという。罪を犯していないのに死刑を言い渡され、再審請求などで長い年月が経過した。事実上の無期刑であった。
そうなったのは再審裁判で、袴田さんの逮捕後に現場近くで発見された中心的な証拠「5点の衣類」について、「捜査機関が血痕を付けるなどの加工をして隠した」と指摘。衣類のうちズボンから切り取られたとされる端切れや、検察官が作成した自白調書と合わせ、3つの証拠を捜査機関による「捏造」と認めたのだ。これについて検察側は検事総長談話を出し、強い不満を表明した。
捜査機関が犯人に仕立てるために証拠を捏造してまでやるとは恐ろしいことだ。そのために袴田さんは死刑を言い渡されたのだ。精神を病むのも当然であろう。日本の警察や検察がそういう無法のものであるとは!。これまでにも袴田さん以外に多くの冤罪を蒙った人がいたという。
朝日新聞の社説のよると、ここまで長引いたのは、刑事訴訟法に再審手続きについての規定がほとんどないことが最大の原因だという。再審法制の不備を改めるべきだと指摘している。
袴田さんの無罪確定まで闘って来た姉の秀子さんは本当に素晴らしい人だ。弁護団とお姉さんに負うところが大きい。
58年の年月は取り戻せないが、残りの人生をゆっくりと過ごしてもらいたい。無罪確定を機に袴田さんの心の回復を祈ってやまない。
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