米国ではなぜトランプ人気が根強いのか
米国の大統領選は共和党のトランプ氏と民主党のハリス氏で争われている。共和党の候補のトランプ元大統領が、奇異とも思える言動を繰り返しているのに米国では支持者が多いのはなぜかと思っていた。
12日の朝日新聞は「トランプ支持の底流」という記事でその疑問に答えようとした。神学者の森本ありん氏とアメリカ文化研究者の矢口祐人氏が説明をしていた。両氏に共通しているのは、米国のキリスト教を観ていることである。
森本氏は、「米国はキリスト教、特にプロテスタント信仰を精神的基盤とした国家です。プロテスタントのうちの非主流派が総称的に福音派と呼ばれ、20世紀後半以降、存在感を増してきています」という。「福音派は書かれている言葉の通りに聖書を読もうとすることです。」
「進歩派と反進歩派の対立として米国の政治やトランプ支持に表れているのです」という。福音派の伸長は、エリート支配が固定化することへの反発や進歩に対する反動でもある。それがトランプ氏への支持とつながっています」
「成功している人は神から祝福されている人だ。神の祝福を受けているのならその人は正しい人だ。とみなすというう。」この論理で「成功しているトランプ氏は神の祝福を受けているに違いない。だからトランプ氏は正しいのだ。」となるという。
矢口氏も「特にキリスト教原理主義者たちは、トランプ氏を神に選ばれた存在のように見ています。」と言っている。トランプ氏はテレビなどの既存のメディアに加え、SNSなどのネットメディアを非常にうまく利用して、反知性主義や反移民のレトリックを極めて効果的に拡散した。それだ偶像になったというのだ。
ここで指摘されている米国のキリスト教原理主義の考え方は私には理解できないが、米国では非常に根強いもののようだ。
トランプ氏が大統領に選ばれることをヨーロッパやアジアなどでも警戒されているという。ハリス氏はトランプ氏を「奇妙だ」(WEIRD)と言ったそうだが、その通りだ。
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