ポツンと1軒家番組
テレビ朝日系のトークバラエティ「ポツンと一軒家」(日曜午後7時58分)は衛星写真を元に見つけた山の中1軒家をスタッフが自動車で探して行き、そこに住む人の暮らしなどを扱っている番組で、とんでもない不便なあ所に1軒だけで暮らす人の生きざまが大変興味深いので毎回楽しみに見ている。
一軒家を探して行くとき集落の人を探して道を尋ねるところから始まるのだが、いつも「ポツンと1軒家」を見ていますと言っているから人気があるようだ。
その「ポツンと1軒家」に問題があるという記事がネットにあった。「ポツンと一軒家」はコンパクトシティに逆行 社会学者が問題提起「高齢者の孤立化に対応しないと……」というタイトルであった。
視聴率はいいのだが、「実はテレビ局やスポンサーは最近、世帯視聴率の指標をほとんど参考にしていない。重視しているのは13~49歳の個人視聴率であるコア視聴率だという。この世代は購買意欲が高いため営業的に欠かせない指標となっている。しかし、『ポツンと一軒家』はこのコア視聴率が極端に低く1%台の時もあるというのだ。いくら世帯視聴率が高くても、実態は若者から敬遠され高齢層ばかりが見る番組になっている」
確かにそうかもしれない。私など高齢者にはとても面白い番組だが若者には受けないのだろう。
また、都市計画や地域経済に詳しい社会学者は専門家として次のように疑問を呈する。
「能登半島地震で孤立集落の救援活動が難航したように、過疎化や住民の高齢化が深刻化している地域の課題に対処するための政策作りをこれからの日本では急がないといけない。具体的には散在する住宅を一カ所に集め、集落をコンパクトにまとめることで、地域の持続可能性や賑わいを取り戻す必要がある。『ポツンと一軒家』はこの流れに逆行しているような気がしてならない」というのだ。
こうした地域政策は「コンパクトシティ」と呼ばれている。高齢化や過疎化が進む地域に散在する住宅を一カ所にまとめる住宅の集約、住宅地域と商業地域、施設を結ぶ交通の整備、住民が近隣住民との交流を深める地域コミュニティの形成などが主な柱だという。
そういう見方からすれば「ポツンと1軒家」は完全にずれている。でも「ポツンと1軒家」のような生き方をするのもあっていいのではないか。行政の力で止めさせることはないと思うのだ。
ポツンと1軒家に住む人たちは、先祖が江戸時代にとんでもない山奥に家を建て土地を耕して生活してきたのを守っている人が多い。現代でも極めて不便なのにと思う。
一つの文化遺産ととして住人達に任せておけばよいのではないか。行政からすれば医療問題だけでなく、郵便配達や電気、道路、災害対策など大変なことが多々あるが。
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以前にもコメントさせてもらったかと思いますが、山間へき地にポツンと住んでいる人には退去してもらい中心市街地へ転居してコンパクトシティを造るべし、などという近年はやりの論調は、一見もっともそうで結局日本を亡ぼすことにつながる。
市街地にクマやイノシシが出没するだけでなく、無人化した地域にどこの国籍ともわからない人々が定住するにちがいない。へき地とはいってもシベリアやサハラ砂漠ではない日本列島に住みたい人は多いにちがいないので。
空き家問題、人手不足の問題、そしてポツンと一軒家。三方の折り合いをつけるには、ポツンと一軒家をつぶしてしまうのではなく、居住者がいる間に少しずつ外国からの住民を受け入れる対策が必要なのではないのか。
マイナンバーカードと運転免許証を一体化する計画も進んでいるらしいが、健康保険証も廃止し、運転免許証も廃止し、あれもこれも一体化したマイナンバーカードを万が一紛失してしまったらどのような手続きで再発行するのかという質問が国会で行なわれていた。
担当のお役人はパスポートがどうとか非現実的な、しどろもどろの返答をしていた。紐づけはパソコンの中でいくらでも出来ること。健康保険証を運転免許証をなくしてどれだけの利便性が生まれるのか。マイナンバーカードともども三方両損になるのではないのか。
投稿: たりらりら | 2024年5月 7日 (火) 17時19分