単身高齢女性の高い貧困率
3月8日の朝日新聞1面トップ記事は「Think Gender]で、大見出しは「単身の高齢女性 4割貧困」であった。この日は国際女性デーであったのでこの特集が組まれたのであろう・
65歳以上の一人暮らしの女性の相対的貧困率が、44.1%にのぼることがわかったという。これは貧困問題を研究する阿部彩東京都立大教授が、厚生労働省の国民生活基礎調査(2021年分)をもとに独自に集計し、発表したものだという。
相対的貧困は、いまの社会でほとんどの人が享受する暮らしを送れない状態を表す。経済協力開発機構(OECD)が採用する指標で、資産や現物給付は考慮されていない。
21年分の厚労省の調査では日本の貧困率は15.4%、子どもは11.5%だそうだ。高齢期は働いて得る所得がなくなることが多く、男女とも貧困リスクが高いというがそれは実感として理解できる。
下のグラフで分かるように、単身世帯は、他に稼ぎ手や年金の受け手がいる夫婦世帯より貧困に陥りやすい。単身でも男性の貧困率は30.0%で、女性と14.1ポイントの開きがあるという。
我が家もそうだが、日本では男性が外で働き、家族を養うというのが当たり前であった。もちろん年々共稼ぎが増えてきたので状況は変わってきてはいるが。
同じ1面記事に「20代から男女の賃金差 全産業年代進むと拡大」とあった。先進国の中でも日本の男女の賃金格差が大きいという。こうした状況で女性の方が貧困率が高くなるのは当然であろう。
高齢単身世帯約672万人で、2/3の約441万人が女性だという。この層の貧困問題がさらに悪化すると記事は指摘している。
私の母は生前「お父ちゃんには長生きしてもらわなければいかん」と口癖のように言っていた。夫が亡くなると年金が大きく減るからだ。実際父が亡くなったあとは減った年金でかつかつの生活をしていた。我が家も私が死ぬと残った妻は生活に苦しむであろう。
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