戦時中をうまく描いたブギウギ
NHKの連続テレビ小説では物語が戦前から戦後に渡って描かれるものでは戦時中のエピソードが必ず入る。現在進行中の「ブギウギ」は戦時中の苦難について一番よく描かれていると思う。
第14週の「戦争とうた」第66話では、特攻隊として出撃する人々、そして残された家族のあまりに苦しい物語が描かれた。
スズ子(趣里)は慰問公演で富山に出向き、戦争で夫を失った静枝に歌を聴きに来るように言った。お寺の境内で歌うスゞ子。そこへ静江が娘を連れてやってくる。スゞ子は静枝に向けて「大空の弟」を歌唱した。静枝は戦争で夫を亡くしていたがスゞ子も弟を亡くしていたことを知り、心を開くのであった。
そのころ、りつ子も慰問先の特攻隊員たちのために「別れのブルース」を歌唱する。軍歌でないといけないと言っていた上官も陰で聞いて感動する。10代の特攻隊員たちは「晴れ晴れとゆけます」「覚悟はできました」など感謝と別れの言葉を口にするのであった。
軍歌を歌わないことを貫いたりつ子(淡谷のり子がモデル)は立派であった。
スズ子とりつ子は、改めて戦争のむごさや苦しみに直面し、音楽を通して自分以外の人々に起こっている現実と向き合うことになのであった。
戦後80年、でも決して忘れてはいけないアの大東亜戦争である。私の様に体験したものには「銃後」と言われた国内の生活がどんなものであったかを知っているが、戦争を知らない者にはドラマを通して描かれることは大事だ。
「ブギウギ」の作者は戦時中の暮らしをドラマを通してうまく描写できたと思う。これから始まる戦後がどう描かれるか楽しみである。特にスゞ子の「東京ブギウギ」がどの様にブレイクしていくのか。
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