不登校児童・生徒の急増について
4日の朝日新聞1面トップ記事は「不登校2割増 最多29万人」であった。文部科学省が実施する「児童生徒の問題行動・不登校調査」の22年度の結果である。
不登校の小中学生が過去最多の29万9049人、前年度より22.1%の大幅増となった。2018年度の倍近く増えている。
不登校の約4割にあたる11万4217人は養護教諭や教育支援センターなど学校内外の専門機関に相談していなかったという。
不登校の児童・生徒がどうして年々増えていくのだろう。それについての考察はなく、大阪公立大学の山野紀子教授(子ども家庭福祉)のコメントが載っているだけであった。
山野教授のコメントは、「大幅な増加はコロナの影響とみている。コロナ禍による家庭の経済不安などが子どもにストレスを与える状況が続き、不登校という形で強く表れたのではないか。学校以外の居場所が認められてきた影響もあるだろう」(省略)としている。
私が4年生の時に終戦になったが、その頃は不登校児は近所に1人いただけである。カンちゃんという男の子で学校には行っていなかった。戦後の食糧難などで生活は厳しかったが、皆学校には来ていたように思う。
ただ、「山学校」というのがあって、学校に来る途中山などに遊びに行ってしまう子はいた。遠くの農村部から通ってくる子たちであった。先生たちはどう対処していたのかは知らないが。
私が教員になってからも退職するまで不登校児を担当したことはなかった。一体いつ頃から現れたのだろう。
昔は子どもたちはいつも群れて遊んでいたし、弟妹の世話とか家の仕事を手伝うとかいうことも多かった。親は「先生のいうことをよく聞くんだよ」というのが口癖であった。先生も今と違って「聖職」と言われ、そのように扱われていた。
廊下に立たせたり、時には棒で頭を叩くとか、ピンタを食わせる教師もいた。5年生の時の担任は指をポキポキ鳴らしながら近づいてきてゴツンとやっていた。それでも教えるのが熱心なので人気があった。
いまなら暴力教師として教育委員会に通知されるようなことがまかり通っていた。
不登校が増えたのは経済的理由だけではないと思う。子どもを取り巻く社会環境が全く変わってしまったことが大きいと思う。
テレビが普及し始めると、テレビ視聴が問題となった。その次はゲーム機であった。そしてインターネットが普及し、今はスマホの時代である。
こうした環境の変遷の中で子どもの遊びも大きく変わってきた。娘や息子が小学校の頃はまだ近所の子どもたちが遊んでいたが、最近はそういう姿を全く見なくなった。授業後は塾や習い事に行っているのだろうか。家でパソコンやスマホをいじっているのだろうか。
不登校の背景を徹底的に解明してもらいたいものだ。
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