野村農水相の発言
朝日新聞やテレビニュースによると、野村農林水産相が31日に首相官邸であった関係閣僚会議に出席した後、記者団に「汚染水のその後の評価等について意見交換した」などと述べ、処理水を「汚染水」と表現した
これに対し、岸田首相は「遺憾なことであり、全面的に謝罪するとともに撤回することを支持したと述べた。
首相の指示を受け、野村氏は「全面的に謝罪して、撤回したい。福島県の皆さんをはじめ、関係者に不快な思いをさせて申し訳なかった」と記者団に語った。
中国が処理水を「核汚染水」と呼んで海洋放出に強く反発し、日本の水産物の全面禁輸に踏み切った。そのことを農林水産相の立場にある野村氏が知っていて出た言葉なのか、何とも情けない発言である。
首相が「全面的に謝罪せよ」と言い、野村大臣はそのまま「全面的に謝罪して」と述べたが、この「全面的に謝罪」というコトバの使い方に違和感を覚えた。
全面的に謝罪というのは、この場合何を意味するのか。部分的謝罪ならどういう表現になるのか意味不明である。
「処理水というべきところを汚染水と言ったのは完全に間違っていました」というのならわかりやすい。一体何が全面的謝罪なのか。
岸田首相を始め失言閣僚や幹部は用語について極めて不用意であるのを感じる。その最たるものが失言の多い自民党副総裁で副総理の麻生氏だ。
日本の政治に責任を持つ政権党の自民党は言葉について軽率に使って、後で「撤回します」などと言って済ませないでもらいたい。
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「処理水」と言おうが「汚染水」と言おうが放出される水は同じである。その水を東電や経産省や文科省などが検査して「安全安心」だと発表しても信用するする人は誰もいないだろう。
韓国、中国をはじめとして台湾、インドネシア、オーストラリア等々10ヶ国くらいから検査員を派遣してもらい、10年間くらい毎月の検査結果を公表しなければ話は始まらない。
「遺憾」などと言うだけで、そういう本質的なことには手を出さない、それが岸田首相がズルズルダラダラと首相を続ける秘訣なのかもしれない。
それにしても、汚染水が流れ出るのを止められないことは明白にもかかわらず、各方面から智恵を集める様子もなく、敷地内にタンクを増設するだけの対応で12年間を送ってきた日本政府。それは、インフレ率2%がどうとか金融緩和がどうとかバカの一つ覚えのように10年以上を送ってきたのと同様で、日本のすさまじい劣化そのものの姿と言えるのかもしれません。
投稿: たりらりら | 2023年9月 2日 (土) 20時50分