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2023年8月 6日 (日)

ヒロシマの日に

 8月6日は広島に原爆が投下されてから78年になる。78年の間原爆投下や核兵器使用がなかった。世界終末時計は今年1月24日に残り時間が90秒とされた。これまでで最も終末に近づいたことになる。

 原子力科学者会報が発表したプレスリリースでは,終末時計が10秒進んだ理由として、「ロシアによるウクライナ侵攻とそれに伴う核兵器使用のリスクが増大したこと、気候変動がもたらす継続的な脅威や、新型コロナウイルスなどの生物学的脅威に関するリスク低減に必要な国際規範や制度が機能停止に陥っていることも要因となった。」と指摘している。

 ネットで調べたら、2023年の終末時計では、ロシア・ウクライナ戦争に関連する最も直接的なリスク以外にも、脅威や脅威の増長要因について詳しく述べられていて、その中から核兵器に関する記述の一部を紹介してあった。

「◎ロシアと米国の間に残された最後の核兵器条約(新START)が危機に瀕してい る。両者が交渉を再開し、さらなる削減の原則を見いださない限り、この条約は2026年2月に失効する。そうなれば、相互査察はなくなり、不信感は深まり、核軍拡競争に拍車がかかり、核兵器による応酬の可能性も高くなる。

◎中国が核戦力の大幅な拡大に関し、透明性と予測可能性を高める措置の検討を一貫して拒否していることが特に問題視されている。米国防総省は、北京が2035年までに核兵器を5倍に増やし、あっという間に米国やロシアの核戦力に匹敵するようになる可能性があり、安定性に予測不可能な影響を与えると主張している。

◎北朝鮮が中長距離ミサイルの実験を大幅に強化した。3月下旬、北朝鮮は2017年以来,初めて大陸間弾道ミサイルの発射に成功した。その後の数カ月間、他にも多数の弾道ミサイルを発射したが、そのほとんどは短距離であった。おそらく最も懸念されるのは、10月4日に北朝鮮が日本上空で中距離弾道ミサイルを発射したことだろう。一方、米国当局は、北朝鮮が7回目の核兵器実験を行う準備を進めていると主張している。

◎イランは、「包括的共同行動計画」に規定された枠外で、国際的な保障措置の下にあるとはいえ、ウラン濃縮能力を高め続けている。このことは、イランがその閾値を超えることを決意した場合、核兵器製造能力に近づけることとなる。核合意への復帰はリスクを軽減し、前進の道筋を示すものであるため、米国や欧州をはじめとする各国は核合意の復活に向け相応の努力を払ってきた。しかし、イラン国内の不安定な状況や、テヘランがロシアのウクライナ戦争を支持している状況では、イランの核武装を阻止するための交渉を成功させるのは難しいだろう。

◎インドは、約160個の核弾頭を保有し,核兵器の近代化を続けており、既存の核搭載航空機、陸上運搬システム、海上運搬システムを補完またはこれに置換する新しい運搬システムを開発中である。パキスタンは同規模の核兵器を保有し、核弾頭、運搬システム、核分裂性物質の生産を拡大し続けている。

◎米国、ロシア、中国は現在、本格的に核兵器の近代化を進めており、新たな危険な「第3次核時代」の競争の様相を呈している。南アジアにおける軍拡競争と北東アジアにおけるミサイル軍拡競争に対する長年の懸念は、対処を要する惨憺たる状況となっている。」

 終末時計が90秒になった理由を各国の指導者は受け止めて世界平和と核兵器廃止に向けての努力をすべきであるが、核禁止条約には残念ながら世界唯一の被爆国である日本も批准していない。日本こそ過去の侵略戦争を反省し、世界平和と核禁止の先頭に立つべきなのに、あの安倍元首相やそれを受け継いだ岸田首相の「積極外交」は方向違いとなっている。

 6日のヒロシマの日と9日のナガサキの日と、8月15日の終戦の日?は我々日本国民が平和の大切さに思いを致すべき日である。

 

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