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2023年7月12日 (水)

直腸がんと生きるー8ー

 直腸がんと診断され、担当外科医に即刻手術を勧められたが、手術をしないつもりだと話してセカンドオピニオンをとったことは前に書いた。

 手術を受けないことにしたのは、近藤誠医師の「がんの逆襲」という本と和田秀樹医師の「どうせ死ぬんだから」という本を読んだからだ。

 どちらの医師も、大きな手術をすることによって、体に傷をつけ手術後の生活のQOLが影響を受けることを警告している。

 特に私のような高齢者は手術をしてもしなくても残りの人生は限られている。手術後の生存率と手術をしない生存率は大差がないと考えたのだ。

 それなら体に負担をかける大手術をするより現在の生活を出来るだけ楽しんだ方がよいと思ったのだ。

 先日、スマートニュースをみていたら、「胃、子宮、食道、肺…がん手術を後悔する人たち 医師の提案に従った結果、QOLが下がることも」という記事があった。

 その記事は、「国民の2人に1人が罹患するがんは治療の第一選択肢が手術になりやすい。例えば、ステージIの肺がんの場合、治療法の内訳はアメリカでは手術が60%、放射線治療が25%。同様にイギリスは手術53%、放射線12%だが、日本は手術95%、放射線5%となる。手術に伴う入院日数の長さも世界有数だが、入院の長期化は体が衰弱する原因になると考える医療関係者も少なくない。」という書きだしで始まっていた。どうやら日本のガン外科医は手術を好むもののようだ。

 そしていくつかの例が載っていた。

①胃ガンになった夫が医師の勧めに従って、夫は胃の半分を切除したら、手術後、夫の様子が一変したという例。

43才の女性は、乳がんで乳房全摘手術を受けたことを後悔している。

③子宮がん検診で5cm弱の卵巣嚢腫が見つかった女性(46才)。医師にすすめられるまま手術を受け、片方の卵巣を切除したが、手術後から尿漏れや下腹部痛、腰や背中の痛みが続き、膀胱炎をこじらせて腎盂腎炎を発症したという。

④その他食道がんや肺がんの手術の後遺症の例があった。

 そして、「以上のように手術はリスクを伴うこともあるため、受ける前にメリットとデメリットを知っておくことが自分の身を守ることにつながる。特に年齢が高くなるほど治療後のリスクは増す。治療は手術だけでなく、そのかたの状態によっては、重粒子線やガンマナイフのほか、さまざまな放射線治療もある。また、年齢だけで判断できるものではないが、高齢者は体の負担を考えて、治療そのものをしないという選択肢もある」という医療ジャーナリストの増田美加さんのコメントを載せている。

 大腸がんについては触れてなかったが、同じようなことが言えるだろうと思った。手術をしないという私の選択の援軍となった。

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