日本酒の効用
私は若いときから晩酌を続けている。「酒なくて何で己が桜かな」という名言があるが、酒飲みを肯定する名言はいろいろある。「酒は百薬の長」というのもある。薬より良いのだから酒を飲めという理屈だ。
孔子も酒が好きで強かったようだ。「酒は量なし、乱に及ばず」と言っている。私は量なしと言えるような酒豪には程遠いが、乱に及んだことは生涯にない。
ただ、前にも書いたように85歳を超えたことから酒量を減らして晩酌は1合にした。ビール類の場合は350ml缶一個としている。
スマートニュースを見ていたら、「なんと『がんの予防効果』まで…じつは『日本酒』が秘めている『3つの健康増進効果』」という記事が目にとまった。和田美代子(著)、高橋俊成(監修)『日本酒の科学 水・米・麹の伝統の技』(講談社ブルーバックス)を元にした記事である。直腸がんを患っているので「がん」に目が行ったのだ。「がんの予防効果」と言われても、日本酒を飲んでいてもガンになったのだから、効き目はなかったと思うのだが。
記事によると、酒好きの人は肝硬変や肝がんになりやすい、とよくいわれるが、と日本の肝硬変死亡率は世界のうちでも低いほうだという。欧米では肝硬変の原因の80%がアルコールとされているが、日本でのおもな原因はC型肝炎ウイルスで、アルコールに起因するのは10%程度にすぎないそうだ。欧米の酒と日本酒ではアルコール度数が大きく違うからそれも影響しているかも知れない。
1966~1982年の16年にわたり、当時の国立がんセンター研究所が行った追跡調査(全国6府県24保健所管内の40歳以上の健康者約26万5000人を対象)では、適量のお酒を飲む人のがん死亡率が低下することが明らかになっているという。今から40年以上も前の古いデータだ。そんなデータがあることは全く知らなかった。
それによれば、毎日喫煙、飲酒、肉類を摂り、しかも毎日緑黄色野菜を摂らない群が、各種がんの最高リスクを示しているという。それについては納得できる。
ところが、このうちお酒の量が比較的多い40~54歳に限ってみると、飲まない人に比べて肺がん、肝がん、胃がん、大腸がんの死亡リスクはむしろ低いことがわかったというのだ。(ただし喉頭がんと食道がんは飲酒者で高い)。
また文部科学省特定領域研究「発がん要因の評価に関する研究」でも同様の結果を見いだしているという。
こうした疫学的研究の成果に照らして、滝澤教授らは、日本酒のがん抑制効果を確かめる実験を試みたそうだ。その結果、日本酒に多く含まれる微量物質が、ヒトのがん細胞の増殖を抑制することがわかったというのだ。
ウイスキーとブランデーでも同様の実験が行われているが、同じようながん増殖抑制効果は認められていないそうだ。
また日本酒には善玉コレステロールをふやすことが明らかになっているという。
その他血流をよくするとか、ストレスを和らげるの効果がある。まさに百薬の長である。
私は6月頃までは日本酒中心で、夏になるとビールもどきも飲むが、ビールには上記の効果は不明である。
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