合理的なギンヤンマの取り方
私が子どものの頃住んでいたところは少し歩くとすぐに畑や田んぼがあった。田の間には小川が流れていた。中学校に行くときは田や畑の間の道を歩くこともよくあった。
子どもの頃の夏の楽しみの一つはギンヤンマをとることであった。その取り方は今思うとあの地方独特のものであったと思う。どうしてかというと、祖父母が住む今の東海市に来たとき、その取り方を誰もしらなかったからだ。
どういうやり方かというと、水に強い雁皮という薄い半紙を小さく切って、それに小指の爪くらいの大きさの小石を包んだものを2個作る。包んだものを80cmぐらいの糸につけるのだ。つまり糸の両端に小石を包んだものがあることになる。
それを持って夕方田んぼへいくと、高いところをギンヤンマがたくさん飛んでいた。それをめがけてその糸を投げるのだが、持ち方があって、糸を半分に折り右手で持ち、小石の方を左手で持って投げ上げるのだ。
するとギンヤンマが虫と間違えて小石に向かって来る。そして開いた糸にからまり石の重さで落ちてくるという訳だ。
まだ、小さい子どもの頃はお兄さんたちがギンヤンマをとっているのを見て羨ましかったが、大きくなって自分でもやれるようになると、田んぼへ行ってギンヤンマを取るのが楽しみであった。
ただギンヤンマが田んぼの中に落ちてしまうと取れないので広い道とか畑のあるところでやった。今でもその様子が目に浮かぶ。
参考 ギンヤンマ(銀蜻蜓、Anax parthenope)は、蜻蛉目(トンボ目)・ヤンマ科に分類されるトンボの一種。日本では全
国に広く分布し、ヤンマ類の中ではよく見られる種類である。
特徴
頭から尾までは7cm、翅の長さは5cmほどの大型のトンボである。ヤンマとしては体長に比して翅が長い。頭部と胸部が黄緑色、腹部が黄褐
色をしている。オスとメスは胸部と腹部の境界部分の色で区別でき、オスは水色だがメスは黄緑色である。翅は透明だがやや褐色を帯びてい
て、メスの方が翅色が濃い。昔はオスを「ギン」、メスを「チャン」と呼んでいた。
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