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2023年6月28日 (水)

直腸がんと生きるー7-

 スマートニュースを見ていて今売れっ子の和田秀樹医師の記事を見つけた。直腸がんの自分に参考になると思って読んでみた。

 ガンが発生するメカニズムについては完全には解明されていないのだが、現在の研究では「細胞のミスコピー」を原因とする説が有力になっているという。人間の身体は細胞がその人固有の遺伝子の情報に基づいて同じ細胞を再生産しつづけることによって形作られるものだが、その過程で前の細胞を正確にコピーできず、「ミスコピー」が生じることがあり、それがガンのもとになるのだ、という考え方であると和田医師はいうが、この考え方はよく知られていることだ。

 ミスコピーの細胞は、若いうちはNK細胞(ナチュラルキラー細胞)と呼ばれる免疫細胞が殺してくれるのでガンにならずに済むが、40代や50代になるとNK細胞の活性度が若い頃の半分ぐらいに落ちてしまうという。一方ででき損ないの細胞は年をとればとるほどたくさん生成されるため、高齢者ほどでき損ないの細胞が身体に残りやすく、ガンにもなりやすくなるという。

 でも、身体に残ったでき損ないの細胞がほんとうにガンになるにも10年、20年といった時間がかかるという。私の直腸がんは実際は70代にでき始めていたということか。
 

 ガンは若いほど進行が早いという傾向もあり、50代くらいではまだ進行が早く、転移のリスクも高いという。年寄りのガンは進行が遅いことが多く、激しい転移もあまり見られないそうだ。私も幸いなことに転移はないことが分かった。
 

 和田医師は、高齢者のガンを切除することには消極的な立場だという。たとえば胃ガンの患者の場合、手術でガンをすべて切除できたとしても手術後は栄養がじゅうぶん入ってこなくなるので、その後の衰弱が激しくなりがちで、高齢者ではその衰弱のほうが心配だと考えるからだという。
 

 ごく大雑把な目安としては消化器系のガンなら60代までは手術し、70歳をすぎれば余命のことを考えても切らないほうがよいと和田医師はいう。
 

 私の場合、外科の医師は高齢者には手術は勧めないが、見たところ若く元気なので勧めると言っていた。
 

 近藤誠医師はガンは切除するなと言っているが、和田医師も切除に消極的で、この二人の本を読んで、私は手術をしないことにしたのである。
 

 米寿まで生きたので、大手術をして身体に大きなダメージを与えるよりも、何も自覚症状がなく、普通の生活を送っている現状を維持してQLO優先の生活をしたいと思っているのだ。

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