金は元気なうちに使えという和田医師
「80歳の壁」がヒットして以来、次々と本を出して売れっ子になった、老年医療の専門家である和田秀樹医師が書いた「幸齢者」からダイジェストした記事をネットで見つけた。
和田医師は、長年にわたり老人医療の現場で大勢の高齢者を診てきて、1つ気づいたことがあるという。たとえば、ヨボヨボになる、歩けなくなる、寝たきりになる、認知症がひどくなる……といったことが起こる。そうなると、人間は想像以上にお金を使えなくなるというのだ。
たしかにそんな状態になったら自分で出歩いて金を使うことはできないであろう。ただ、高齢者施設の利用などで金は必要になる。知り合いの女性で、最近夫が高齢者施設に入り15万円ほどかかることになったが、年金をすべて使ってしまうので自分の生活をする金が足りなくなったというのだ。
和田医師は、「自活が徐々に難しくなって、特別養護老人ホームや介護つきの有料老人ホームなどに入ることになったとしても、介護保険が利用できるので毎月の費用はおおよそ年金の範囲内に収まるものです。」という。
確かに知り合いの女性の場合も、夫の分は夫の年金の範囲で収まっているが、自分の生活費に苦慮しているのだ。
施設に入るようなことになったとき、「無理して蓄えなんかしなくてよかった」「もっと人生を楽しめばよかった」「損した」という心情になる高齢者がたくさんいるという。其れはそうかもしれない。老後のために金を残した場合は後悔することもあるだろう。
和田医師は、だからこそ、マインドリセットをして、お金は有意義に使えるときに使ったほうがいい、心が満たされるような使い方をどんどんしたほうがいい、というのが、提案だというのだ。
私はケースバイケースだと思う。自分の財政的状態を調べて、どのくらい使ってもよいかを考えることが大事であろう。
老後のために2000万円残そうなどと言われたことがあって、老後の金が心配だという人が多くなったようだ。
ただ、和田医師がいうように、子どもに残そうとか孫に残そうとかいうのなら、それはやめて、自分のために使って少しでも楽しい老後を送った方がよいというは傾聴に値する。
私は戦前戦後の厳しい時代を経験しているので、金をセーブして使う生活をして来た。おそらく私と同じ高齢者は多いと思われる。
和田医師の提案も一理あると思うので、残り僅かな老後を出来るだけ好きなものを食べてやりたいことに金を使って行きたいと思うようになった。でも、意欲が衰えて来たことは確かで、行動に移すことにしんどさを覚えるようになった。
和田医師は何歳ぐらいの高齢者を対象にアドバイスをしているのか不明だが・・・。結局のところ、人間、死ぬ間際に残るのは「思い出」しかないと指摘する。
「もっとおいしいものを食べておけばよかった」「世界一周旅行に行っておけばよかった」「退職金で、欲しかったポルシェを買っておけばよかった」……やりたいことがあるなら、全部やっておくべきだと。
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