高血圧基準値と降圧剤
私は血圧が基準値ぎりぎりで、やや高いことが多い。以前かかっていた循環器の医師に降圧剤を処方されたこともあったが、幸いその後降圧剤は処方されていない。でも、血圧は気になるので毎朝起きると血圧を測定してノートに記録している。
降圧剤は飲まない方がよいという説を唱える医師が書いた本も何冊かある。そんな中で、スマートニュースを見ていたら、「高血圧に処方される降圧剤に頼る必要はない? 薬剤師が指摘する“基準値”への疑念」という記事があった。薬剤師の加藤雅俊氏が書いた『薬に頼らず血圧を下げる方法』を元に解説したものであった。
日本で「高血圧」の患者数は1000万人を超え、年々増加しているという。“国民病”とも言える。「降圧剤」は日本で最も多く消費される薬だという。
降圧剤は数値を基準値内に収めることを目的に処方されるため、一度処方されたら“死ぬまで薬を飲み続ける”生活が続くことになりかねないという。
1990年代まで、日本の高血圧の基準は上(収縮期血圧)が『年齢+90』とされていた。それが1999年にWHO(世界保健機関)などが140/90以上を『高血圧』と定義したら、日本高血圧学会もそれに倣った。そして2019年には130/80とさらに厳しくなったのだ。
私が勤めている頃は「年齢+90」であった。今の厳しい基準値とは違い、大まかなものであった。
更に困ったことに、年齢が高いほど緩やかだった目標値も変わり、2003年からは高齢者にも若年層と同じ基準で降圧剤を処方することが学会で決められたのだ。若い人も高齢者も同じ基準だというのはおかしい。高齢になれば身体の機能が低下し色々と不都合がおきるのは当然である。
加藤氏はそうした基準値に疑問をもったのである。また、様々な疫学調査で明らかなのは、高血圧ほど冠動脈疾患や脳卒中による死亡リスクが高いことであり、薬で血圧を下げれば患者が長生きできることを示すわけではないとも言っている。
血圧が上がっても、戻す機能が働いていれば問題はないという。高血圧の背景には必ず筋肉や肺、血管の老化が隠れている。血圧とは、肺年齢(酸素を取り込む力)や血管年齢(血管のしなやかさ)を示すバロメーターともいえると指摘している。
だから 身体の状況によって上下する血圧を、薬で強制的に下げる対症療法は、心臓や脳、血管の何らかの病気のサインをわからなくしてしまう危険なことでもあるという。
大変説得力のある説明で納得できる。血圧が異常に高くなければおおらかに構えていればよいのだ。
そもそも日本の基準値が高くされたのは、製薬会社を儲けさせるためだという人もいる。その通りだと思う。とにかく化学薬品の薬は飲まないほうがよい。
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