大軍拡反対の動き
5日の朝日新聞によると、政府は昨年12月、「敵基地攻撃能力(反撃能力)」や防衛費の大幅増額を盛り込んだ国家安全保障戦略など安保3文書を改定した。岸田首相が「戦後の安全保障政策の大転換」としている。首相にしてみれば歴史に残ることをしたと言いたいのであろう。
この議論の一端を担ったのが、政府の「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」だったという。有識者会議というがその人選は政府がやるのだから政府に都合の悪い議論がでることはないだろう。いわば隠れ蓑である。
その有識者会議でさえ、最初は会議ではなく、有識者とで意見交換で、17回にわたって元防衛相や統合幕僚長や政府自衛隊の元幹部や研究者ら50人超にのぼったという。それらは非公開で行われた。
これに対し、野党などからは「国民に何にも開示しないで議論を勝手にやるのか。まるでブラックボックスではないか」との批判が相次いだという。
防衛費の大増額は間もなく成立する予算で決定される。トマホークを400機も買って部国を大喜びさせることになる。
こうした動きに、東京では2月25日渋谷で大軍拡に反対し平和を願うパレードが行われて、市民1000人が参加したそうだ。アパレルや音楽関係者など幅広い市民有志でつくる実行委員会が主催した。
デモをしたのは素晴らしいと思うが、1000人規模というのは残念である。フランス辺りなら何万人も集まるのではないだろうか。かつては日本でも大規模なデモや集会があったのだが。小規模でも各地で大規模軍拡に反対し、平和を願う集会などが開かれるとよいのだが。
買い物雑誌「通販生活」のウェブサイトには、1月に上野千鶴子さん、落合恵子さん、田中優子さんら12人の女性識者が「私は敵基地攻撃能力の保有に反対です」と声を寄せたという。通販生活はこうしたことに無縁だと思っていたので意外であった。
「買い物は暮らしそのもの。平和じゃないと買い物はできないので、買い物雑誌こそ戦争や平和を考えるべきです」と企画した平野さんは語っている。
全くその通りで、あの忌まわしい戦時中の生活では、「欲しがりません勝つまでは」と叩き込まれ何も買い物はできなかった。もちろん軍事費に金が使われて日用品どころではなかったのだ。
岸田首相式にいうと「さまざまな」ところで軍拡反対平和希求の声を上げ続けることが大事だと思う。
« [ 戦前を生きる」展示会を見て | トップページ | 「『嫌われる』岸田内閣」という記事 »
「戦争と平和」カテゴリの記事
- G7広島ビジョンをめぐって(2023.05.23)
- G7首脳の原爆資料館訪問(2023.05.22)
- 岸田首相が載ったタイム誌表紙問題(2023.05.16)
- ロシアの対独戦勝記念日(2023.05.11)
- ワグネル軍事会社(2023.05.02)
コメント