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2022年12月 2日 (金)

カタールの人権問題

 サッカー2022ワールドカップカタール大会で、ドイツやフランスやイギリスなどヨーロッパの選手たちが、開催国カタールの人権問題などで、抗議の意思表示をしようとしていたことと、FIFAはそれを許さなかったことは知っていた。でも、それ以上のことは報道されないので分からなかった。

 30日の朝のNHKニュースで、やっとカタールで外国人労働者がどんな状況に置かれていたのがが取り上げられた。カタール人は人口の約一割しかいなくて、9割は外国からの出稼ぎ者だという。ちなみに2021年のカタールの人口は約290万人である。

 カタールは砂漠の国である。首都のドーハは砂漠の中に建てられた超近代都市である。私はフランスへ行くときだったと思うが、ドーハに降り立って街を歩いたことがある。そして高層ビルの建つ街に驚いたものであった。

 そのカタールの街を建設したのが、外国からの出稼ぎ労働者だという。NHKはネパール人が多いといって、ネパールへ行ってカタールで働いていた人たちを取材していた。

 彼らは賃金が低くて、生活するのも大変であったと証言していた。その賃金も給料日になっても支払われなかったという。だから仕送りどころか毎日の生活費にも困っていたというのだ。さらに5年契約でも2年ぐらいで首を切られたという。ある日突然に航空チケットを渡され追い出されたというのだ。

 あの素晴らしいカタールの街が、そのような劣悪な条件の下での労働によって造られたとは知らなかった。人権意識の強いヨーロッパの選手が抗議の意思表示をしようというのも理解できる。

 偶然にも同じ30日の朝日新聞は「人権無視 ファンも怒る」という見出しで、ドイツなどではパブリックビューイングも中止になったことを伝えていた。

 朝日新聞によると、カタールで指摘される問題点は、


  ・W杯工事で外国人労働者が数千人死亡
  ・外国人労働者への賃金未払や、職業あっせん時の手数料徴収で借金を負わせる
  ・外国人労働者の自由な転職の妨害
  ・法律による同性愛の禁止

を挙げていた。

FIFAのインファンティ会長は「欧州のカタール批判は『偽善だ』」と述べたという。FIFAの会長はトランプのような男だ。裏で相当の金を手にしているに違いない。

 日本ではメディアもこの問題を避けており、そのためか日本国民の関心も低い。残念ながら私もやっと知ったという状況だ。サッカーの試合に浮かれるだけでなく、その裏にある問題にも眼を向けたいものである。

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