折々のことばを読んで
30日の朝日新聞「折々のことば」に、タンザニアの1女性のことばがあった。文化人類学者・小川さやか氏が、調査に出かけた地で長屋に住んで採取したものだという。
その地ではいろいろな境遇の居候たちが住みついていた。女たちは戸外で料理や洗濯をしながら、となりの子どもにも用事を言いつけ、そんな仕方で面倒もみる。助け合って生きる者が家族だと、当然のように語ったというのだ。家族は「伸縮自在」などだとコメントしている。
これを読んだとき、おそらく原始時代はそのような暮らしをしていたのではないかと思った。そして農村のような貧しい生活をする社会でもそうした暮らし方が長く続いたのではないだろうか。
私が子どもの頃はタンザニアほどではなかったが、近所の人たちは互いに助けあっていた。「おすそわけ」という言葉を今では聞かなくなってしまったが、何かが手に入ったり、料理をたくさん作ったりしると近所に配っていた。特に子どもの世話はお互いに見合っていた。あの物のない時代に生き延びて来られたのもそうしたつながりがあったからであろう。
戦後いつのまにか3世代家族がなくなり、家族が核家族となり、さらには今では孤立化が進んでいる。人と人の生身の触れ合いが希薄になったので。それにともなって様々な問題が生じている。
我が家の近所では一人暮らしの老人多いが、みな孤立して住んでいるか施設に入っている。我が家も妻と2人だが孤立家族である。
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