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2022年10月24日 (月)

和歌山通信から「少年メッセージ2022 金賞」

 和歌山通信に仁科知事が素晴らしいと紹介したのが、10月16日海南市下津町の海南市民交流センターで行われた「子供・若者育成支援県民大会」で発表されて金賞獲得の「青少年の主張」である。

 知事は「すべて素晴らしかったのですが、 とりわけ園部暢也君の『あたたかな輪』という弁論は心に響き、 感涙を催しました。 今話題のヤングケアラー問題を自らの経験を用いて、 率直に述べたのが感動的でした。 これから彼は全国大会に進むのですが、 あんまり素晴らしいので以下に本人の了承を得て、 引用します。 是非お読みください。 」と書いている。
 
『少年メッセージ2022 金賞(最優秀賞)
タイトル「あたたかな輪」

和歌山県立桐蔭中学校 3年 園部 暢也   

 みなさんはヤングケアラーという言葉を聞いたことがあるだろうか。 近年、 このヤングケアラーと呼ばれる人が増加し、 大きな問題となっている。
 
 ヤングケアラーとは、 「家事や家族の世話、 介護、 感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子ども」と、 定義されている。 ヤングケアラーは、 病気や障害のある家族の介護などで、 本来受けるべき教育を受けられなかったり、 人間関係の構築がうまくできなかったりすることが多い。 また、 進学や就職を断念する子どもも多く、 将来を大きく左右されてしまうこともあるそうだ。
 
 こう聞いても、 この問題を身近に感じる人はおそらく少ないだろう。 しかし、 昨年行われた厚生労働省の調査によると、 中学生で17人に1人が「世話をしている家族がいる」と回答しており、 これは僕の通う桐蔭中学校に14人も居る計算になる。
 
 僕も、 3年前母がくも膜下出血になってから、 介護とまではいかないが、 母の手助けをする機会が多くなった。 くも膜下出血になって母は著しく記憶力が低下してしまった。 また、 一時期は右半身が不随状態となり、 立ち上がることはおろか、 手助けなしでは歩けなかった。 だから、 母が助けを必要とする時、 僕はどんなに学校の勉強や塾の課題で忙しくても、 手助けをしなければいけなかった。 自分に余裕がない時や、 悲しくて、 辛い時でも母に助けを呼ばれる。 だから僕は、 つい怒ってしまった時もあった。 そんな時、 母は「ごめんね、 もう呼ばないようにするね。 」と言った。 僕は、 母にそう言わせてしまったことがとても悲しかった。 どうして、 大好きな母が自由を奪われなければいけないのか。 どうして、 愛情一杯自分を育ててくれた母を助けるという当たり前のことが、 辛く思えてしまうのか。 自分が情けなくて、 やるせない気持ちでいっぱいになった。 こうして毎日を繰り返し、 今まで友達と遊んでいた放課後も母を助けるために早めに帰るようになり、 友達付き合いは自然と減っていった。
 
 今は母もリハビリをして歩けるようになった。 しかし、 記憶力はまだ戻っておらず、 同じ事を3回聞かれることも少なくない。

 ただ、 僕の場合は、 母の症状が比較的軽く、 歩行の手助けなどが必要だった期間も1年ほどと短かったため、 こうして学校に通いながら元気に今を生きている。 しかし、 もっと深刻な状態であれば、 かなりの長期間家族のケアする必要があり、 その心労は計り知れない。

 では、 ヤングケアラーが生きやすい社会にするにはどうすればよいだろうか。 沢山考えたが、 僕は、 悩みを打ち明けられることが一番大切だと思う。 ただ、 自分がヤングケアラーだと気づいていない人もいる。 実際、 僕もそうだった。 この作文に取り組んだ時、 先生から、 自分がヤングケアラーに含まれると言われ、 初めて気づいたのだ。 これまでは、 「もっと大変な介護をしている人がいる」と思って、 自分はそうではないと思っていた。 だから、 知らず知らずに、 辛いことや悩みを隠していた。 どこかで「家族だから当たり前」と思っていた部分も多い。
 
 しかし、 こうして周りに悩みを打ち明けづらいことが問題を深刻化させている要因にも思う。 だから、 現在社会的にヤングケアラーに焦点があてられたことは大きな前進だ。 また、 公的な支援も増えていて、 実は和歌山県にも相談窓口が各市町村に存在している。 公的な支援をきちんと受けられたら、 負担も減るだろう。
 
 自分の悩みを打ち明けられる。 そのためには、 人間の、 あたたかな輪を広げることが必要だ。 それは、 ヤングケアラーのことを知って、 理解しようとすることも一つだ。 また、 身近な友だちの些細な変化に気付けたり、 心のSOSに寄り添えたりする思いやりの心が何よりも大切だ。
 
 僕は、 沢山の辛さをわかちあえる人間で在りたい。 それは、 周りを思いやることだけでなく、 自分の辛さを自分自身が気づけるようにすることでもある。 また、 しんどい時、 辛い時に、 周りに「助けて」といえるように。 自分の弱さを伝えられる強さを持ちたい。
 
 これは、 ヤングケアラー問題に限ったことではない。 様々な問題が顕在化した今、 全ての人が抱える弱さや辛さを分かち合える社会にしたいと、 強く思う。
 
 さあ、 あたたかな輪を広げよう。 僕と、 あなたから。

 

 

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