25年問題
25年問題という言葉をよく聞く。2025年には第一次ベビーブームで生まれたいわゆる「団塊の世代」が75歳を迎え、後期高齢者になるのだ。団塊の世代は600万人以上といわれ、国民の5人に1人が後期高齢者になるという今までに経験したことがない時代になるのである。
私が生まれたのは1935年だが、その年に行われた国勢調査によると、平均寿命は男性が46.92歳、女性が49.63歳であった。日中戦争があり、そのために亡くなった人が多かったのも影響しているかも知れないが、人生50年にも届かなかったのだ。
戦後の1947年には平均寿命は男性50.06歳、女性53.96歳となり、人生50年となった。私が大学生の頃はまだ人生50年と言われていて、父は50歳で定年を迎えた。
それから75年、今や100歳以上の高齢者が9万人超いる時代になった。長生きもいいが医療費の問題とか社会保障の問題などが困ったことになっている。
75歳以上多くの人の医療費負担が2割になったのも、年金が減らされるのも25年問題が背景にあるとは思うのだが、税金の使い方を与野党でしっかりと研究して、大多数の国民の生活が脅かされないような施策を進めてほしい。
日本人の寿命が延びたのは戦後の窮乏から脱して栄養状態が改善されたことから始まったと思う。私が中学、高校の頃は栄養ということがしきりに言われたのを思い出す。私は中保健所に栄養の相談に行ったことがあった。
経済の発展と共に食べ物が豊富になり、栄養状態は問題ではなくなり、今度は過食が問題になったぐらいだ。
その他に医療の進歩発展が大きく寄与していると思う。結核などの難病や赤痢、疫痢などの消化器病も克服された。子どもの頃は家の前の道を黒い布で覆われた大八車で疫痢患者などが山の隔離病棟に運ばれて行くのを見ていた。結核患者も多く私たちはBCG接種をしていた。また、幼児の死亡率低下もある。
2025年まではあと3年である。3年ぐらいはあっという間に来るだろう。どんな世界が待っているのであろうか。長生きしてよかったと言えることを望んでいる。
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