晩酌は日本の飲酒文化
Yahooニュースを見ていたら、Presidennt onlineの記事で「『毎晩1人で酒を飲む』なんてあり得ない…日本の『晩酌文化』が海外から不思議がられるワケ」というのがあった。
日本と海外の飲酒習慣は大きく異なる。一橋大学名誉教授の都留康さんは「海外ではお酒はパーティなどの『特別な日』に飲むものだが、日本では日常的に家でも飲む。1人で、または配偶者と飲むというのもあまり海外では見かけない」と書いてあった。
内容は、都留康『お酒はこれからどうなるか』(平凡社新書)の一部を再編集したものだとあった。
流行語にもなった「家飲み」というコトバは、コロナ禍の感染拡大で飲食店などで酒類を飲めなくなったので家で飲む人が増えたことでできたという。
「家飲み」とは、本来は「家での飲み会」の略であり、家に友人・知人が集まってお酒を飲むことを意味していたそうだ(注:「日本語俗語辞書」)。家での飲み会だったというのは知らなかった。
日本にはもともと「晩酌」というコトバがあった。「酒を飲むか」と尋ねられると「僕は晩酌している」などと返事をする。自宅で1人または家族とお酒を嗜むことをのが「晩酌」だが、新型コロナウイルスの感染拡大によって、「晩酌」は「家飲み」に包含させられてしまった。今では、1人でも、家族とでも、友人・知人とでも、自宅で飲む場合には「家飲み」というようになっているというのだ。
海外では、ホームパーティや「特別の日」以外に、1人でまたは家族と夕食時に頻繁に家飲みする文化は存在しないようだという。
「アルコール消費量が多いと言われるロシアでも、お酒はお祝いの日に飲むもので、理由も無くお酒を飲むことはありません。」というロシア人のコトバを紹介している。
隣の中国でも、「中国人の飲酒目的は、社交、お祝い、接待などである。つまり、お酒を飲むには何らかの特別の理由や目的がある。これを行うのは飲食店においてであり、このため外飲みが主体となるわけだ。」という。
大手食品メーカーのマルハニチロ株式会社によるアンケート調査(2014年実施)によると、「週に1日以上お酒を飲む人の『外飲み』が20.9パーセントなのに対して、『自宅飲み』が88.9パーセントと圧倒的に多い。しかも、『自宅飲み』の頻度は、『ほぼ毎日』が30.6パーセントを占め、週に2~3日以上まで含めると、67パーセントにも達している。」という。
この調査はコロナ禍以前だから今はもっと増えているものと思われる。
私は若い頃から「晩酌派」である。高齢になった今は酒量は減らしているが毎晩夕食時に嗜んでいる。晩酌は日本の文化なのだ。飲酒についてはそれぞれの国や民族に固有の文化があるのは当然のことである。海外から不思議がられるというが、逆に日本から見ると、海外の飲み方が不思議である。「晩酌文化に乾杯!!」
蛇足 いつの頃からか「飲みニケーション」というコトバができたが、酒はコミュニケーションツールでもあるのだ。
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