安倍氏の国葬について
岸田首相は安倍元首相の国葬を早々と決めた。どうしてそんなに急ぐ必要があったのか理解できない。おそらく自民党内への配慮が優先したのであろう。国葬にすることによって岸田氏の党内への求心力を高めたかったに違いない。
安倍氏を国葬にする理由について、8年余の長い間首相の座にあったことと海外から多数の弔電などを頂いたことが挙げられている。海外各国の首脳など要人からの弔電が多かったのは銃撃によって死亡したという衝撃的事件であったことがあると思う。いずれにせよそれほど関心を持たれる事件であったということだ。
一方、8年余りの長きにわたって首相の座にあったことはそれだけで顕彰する理由にはならない。その間にどのような政治を行ったかが大事なのだ。
安倍元首相といえば誰でもすぐ思い浮かぶのは、森友・加計学園問題であり、桜を観る会問題である。これらの問題がうやむやのままになってしまうのだ。
「集団的自衛権」の行使を容認する憲法解釈の変更、2015年9月にはこれを具体化する安保関連法案の制定・改定、さらに特定秘密保護法、共謀罪法などを多くの反対を押し切って行った。
アベノミクスと呼ばれる経済政策についても、反対する経済学者からアホノミクスなどと揶揄されたが続けた。金持ちや大企業には恩恵を与えたが一般国民にはトリクルダウンもなかった。内部留保を拡大させる大企業に対し、総中流と言われた国民は貧困化し、収入は全く上がらず、仕事を失う人や生活保護が増えた。
安倍元首相の国葬には共産党、社民党、れいわ新選組は反対を表明している。国民もみなが安倍氏のやったことに賛成しているわけではないのだ。国費を使って国葬を行うことによって、安倍首相の全てが美化されて偉大な政治家と認めさせられることを危惧する。
« 政治家は統一教会とは関係を断つべきだ | トップページ | 統一教会が生き残っているのは »
「政治・経済」カテゴリの記事
- 副大臣・政務官人事(2023.09.18)
- 野村農水相の発言(2023.09.02)
- マイナー保険証反対の声をどんどんあげよう!(2023.08.18)
- 特捜部に期待、秋本議員の収賄疑惑徹底解明(2023.08.08)
- 医療DXに騙されないようにしよう(2023.08.02)
今回の事件の一報を目にした時、正直に言ってほとんどおどろかなかった。そして訃報を知っても悲しいとも思わなかったし、哀悼の気持などわかなかった。楽しませてもらった芸能人や小説家や学者などの訃報を目にした時には何日か悲しく思うこともあるのに。
しかし、国葬にすると岸田首相が言い出したという一報にはおどろいた。日本はいつのまにか立憲君主制にでもなって、その君主には自民党の総裁がつく、とでも憲法が変わったのかとさえ思った。集団的自衛権の件をはじめとして、憲法なんてその時の政権の解釈次第なんだと言ってはばからなかったのが安倍氏だけに、あり得なくもない。
今回の件では自民党内部にさえ国葬にする「法的根拠がない」とまともな反論をした議員もいたらしい。ところが、あろうことか法の番人であるはずの内閣法制局が何とかなるとアシストした、とネットニュースには書かれていた。
国葬を発表する際に岸田首相は「民主主義を断固守り抜くという決意を示す」と強調したらしい。オイオイ、国会の決議もなく独断で決めて何が民主主義か。
事件直後に菅前首相が「民主主義への挑戦だ」とコメントすると我も彼もこわれたレコードのように同じ言葉を発したようだ。国会の答弁で官僚が書いたコピペだらけの原稿を読むだけで民主主義に挑戦したのはどこの誰だ?!
投稿: たりらりら | 2022年7月19日 (火) 11時01分
私も岸田総理が早々と国葬実施を決めてしまったことにとても驚いたし、大反対である。ブログにあるように、岸田総理は党内、右派ナショナリストへの配慮を最優先したというのはその通りであろう。世論を気にするより、野党が完全に無力化した今、彼の関心事は党内のかじ取りだけである。まことに憂慮すべきことであるが、その岸田政権に最新の世論調査では最高の内閣支持率を与えているので、何をかいわんやである。私は安倍総理の不慮の死と政治家としての業績評価は分けて考えるべきだと思うが、世間はそうではないと思う人が多いのであろう。率直に言って、私は安倍政権は憲政史上最低に近い政権であると思うので国葬にはとても値しないと思う。その理由についてはブログの中で縷々述べられているとおりである。もっとも強調したいのはG7主要7か国の中で、発足当時は、加盟国の経済指標を比較してトップであったが、今や経済指標は最低にまで落ち込んで、最早、先進国とは言えないレベルと某外交評論家がいっていた。一人当たり国民所得が韓国に追い越されたというのはよく知られた事実である。これだけ国力低下がすべて安倍政権の責任とは言わないまでも、素晴らしい政権であったとは素直には納得できないのは国民が多いと思うが、、。
投稿: toshi | 2022年7月19日 (火) 08時56分