中学校の部活指導の地域移行について
NHKのニュースで、部活動を地域に移行していくための課題を議論してきたスポーツ庁の有識者会議は、31日、指導者の確保策や大会のあり方などを盛り込んだ提言案をとりまとめたと報じた。
部活動と教員の働き方改革を両立させるため、国は来年度から休日の中学校の部活動を地域のスポーツクラブなどに段階的に移行していく方針を示していたのを受けてのものであった。
提言案では、▽部活動の受け皿として地域のスポーツクラブや民間事業者のほか、保護者会なども想定し、▽指導者の確保に向けては、資格取得や研修の実施を促し、企業やクラブチーム、大学と連携している例を参考にすべきだとしている。
また、スポーツ団体などに支払う会費が保護者の大きな負担になると参加をためらうおそれがあり、地元企業からの寄付や、経済的に困窮する家庭に対する自治体からの補助のほか、国による支援策の実現に向け検討する必要があるとしている。
提言の背景には「少子化」や「教員の長時間勤務」の問題がある。少子化や教員の長時間勤務により中学校の運動部の活動を取り巻く環境は大きく変化しているという。
公立中学校の生徒の数は、最も多かった昭和61年のおよそ589万人から、令和3年にはおよそ296万人とほぼ半減している。そして学校や教員の数も当然減少している。一方運動部の数は、あまりかわっていないという。
教員の働き方改革も大きな課題でやかましく言われている。平成28年度の調査では、中学校の教員の時間外勤務は1か月で100時間近くに、特に土日の部活動の指導時間は、2時間9分と、10年前と比べてほぼ倍増しているといて、長時間勤務の大きな要因になっている。
これまで部活動は教員の献身的な働きによって支えられ、指導料については保護者の費用負担はなかった。小学校でも野球やサッカーなどの部活を指導する教員は暗くなるまで指導をしていた。教員には残業手当はないからタダ働きであった。
ニュースでは地域の人をコーチに招いた場合生徒は毎月1500円徴収される例を挙げていた。指導地域移行を進める場合、指導の対価を支払わなければいけない可能性があるのだ。
これまでの部活指導は教員の献身の上に成り立っていたことに深く思いを致すべきである。
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