昼寝は認知症になる理由が分かった
前にも書いたが昼寝をするようになり、とくに春は昼間に眠気を催しやすいようだ。それは春先は気候が暖かくなり、日中に緊張が取れて副交感神経が優位になりやすいという。それでリラックスすることで眠くなるというのだ。
また人間は、加齢と共に昼寝の時間や頻度が多くなるとされているそうだ。私の様な高齢者にはいわば自然の生理現象だと言えよう。
高齢者の昼寝の増加には様々な要因があり、米スタンフォード大学医学部精神科教授で、同大学睡眠・生体リズム研究所所長の西野精治氏によると、「睡眠リズムに影響を及ぼす神経伝達物質やホルモンの分泌機能が減弱したり、体温調節機能の衰えによって日中に活動性が上がらず眠くなる」という。
その昼寝について、週刊ポストや女性自身が認知症になるという記事を書いた。その中身を知りたかったが、13日のスマートニュースで週刊ポストが伝えた内容を知った。
3月17日に米ハーバード大学などの研究チームが発表した論文によれば、「高齢者が長時間や高頻度の昼寝をすると認知症に繋がる」というのだ。
この研究は、平均年齢80歳前後の認知症でない高齢者1401人を対象に、腕時計型の調査機器を装着させ、日々の睡眠時間や認知レベルを記録したのだ。なんとそれを14年間追跡調査したという。
その結果、対象の高齢者は少なくとも7年が経過した時点で昼寝の時間、頻度ともに2倍近く増えていた。さらには一日当たりの昼寝時間が「1時間以内」の人に対し、「1時間以上」の人はアルツハイマー型認知症の発症率が1.4倍に上がることがわかり、また一日の中で昼寝が「1回だけ」の人に比べ、「複数回」の人の発症率も1.4倍となったという。
今回発表された研究ではまだ認知症でない人を対象に14年にわたる大規模調査を実施しているので、より信憑性が高いと西野教授が指摘している。
西野教授はこの結果について、次のように解説している。「1時間以上の昼寝をしたり、一日に何度も仮眠を取ると、夜に質のいい睡眠が取れなくなるということが考えられます。
脳は使えば使うほど様々な老廃物が出てくるのですが、その中に認知症発症に密接に関わる『アミロイドβ』というタンパク質がある。きちんと良質な睡眠を取らないと、これらが排出されずに『脳のゴミ』として脳内に溜まってしまい、認知症の発症に繋がる可能性があります」
さらに長時間の昼寝によって、糖尿病や高血圧などの生活習慣病や、がんの発症リスクが上がるという研究も報告されているそうだ。本当か?それは大変だ!
ヨーロッパなどで『シエスタ』という昼休憩の習慣がある地域では、シエスタが長すぎると死亡率も高くなっているという。シエスタはいいと思っていたが、そうでもないようだ。
私の場合、退職後は26年間、早朝4時に起きてウオーキングに行き、夜は9時前に寝るとこを続けている。だから昼間に眠くなりやすいのだと思っている。もっとも昼寝をよくするようになったのは84歳ごろからだと思う。
西野教授は有酸素運動の「散歩」を勧めている。この点はOKである。
西野氏は決して『昼寝をするな』というわけではないという。「過去の日本の研究では、30分未満の昼寝であれば認知症リスクが約6分の1になるという報告もあります。」と言っている。ガッテンなどで昼寝は20分程度を勧めていたのも根拠はここにあるのだろう。
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