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2021年12月18日 (土)

大穴の水際対策

 17日の朝日新聞社会面に「オミクロン株東海も厳戒」という記事が大きく出ていた。岐阜県の外国籍の男性が感染したケースでは、成田空港に到着したが、その飛行機にオミクロン株感染者がいた。

 4日に入港の際、空港で抗原検査の結果は陰性だったので、友人の運転する車で岐阜県に帰り、翌朝到着。ところが、7日夜に発熱、8日に厚労省からオミクロン株の濃厚接触者であるとの連絡を受けた。それで夜に入院した。PCR検査で新型コロナの陽性を確認したのは翌9日であった。岐阜県は変異株のスクリーニング検査とゲノム解析を同時に進める手法を取った。

 オミクロン株の感染が確定しないと同乗者全員が濃厚接触者とされないため、確定までの間、県がフォローできない期間が生じたのだ。

 同様のことは、東京での初めてのオミクロン株感染確認でも起きた。米国から8日に帰国した女性は、成田空港での抗原検査では陰性で、ハイヤーで帰宅。9日に発熱。13日に新型コロナへの感染が判明して入院した。16日にオミクロン株への感染が確定した。

 この女性は8日と9日に自宅で知人男性と面会していたので、男性は濃厚接触者と認定され、14日に宿泊施設に入所した。15日に感染が確認され、オミクロン株感染の可能性が高いとされたが、17日にオミクロン株感染が確定した。

 この男性は9日と10日に職場に出勤し、12日に川崎市でサッカー天皇杯の準決勝を観戦していた。
 

 上記の2つのケースから分かることは、水際対策を取っているとはいえ大穴が開いているということだ。水際対策になっていないのだ。国内でのオミクロン株感染者数は32人であったが、いずれも空港経由の検疫所や待機施設での検査でわかったひとであった。

 ところが 関西空港検疫所の女性職員がオミクロン株に感染していることがわかった。この職員は入国時検査で陽性反応が出た人の待機施設で勤務していたが、待機者に3人の感染者が出ていたという。

 政府は1月以降も水際対策を検討と言っているが、穴のない水際対策を研究してもらいたい。素人でもわかる大穴対策ではオミクロン株が広がることは間違いなしだ。

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