朝日新聞連載「いま先生は」に期待すること
60歳で定年退職をして26年。学校現場のことは全くわからない。新聞やテレビで教員の仕事が大変だと報じられるので知る程度である。
今度朝日新聞では「いま先生は」という特集を始めた。その理由として、「定額働かせ放題」とも言われる教員の長時間労働。その実態を伝えるためにこの連載を始めたと述べている。期待を持たせる連載である。
今の学校現場では毎日事務作業に追われて、教員本来の仕事である授業の準備をする時間が取れないという。本末転倒もいいところだが、なぜそうなってしまったのだろうか。
私が現職で勤めていたときも、教員の仕事は多岐に渡り大変だと言われていた。学校の各種行事の、運動会、学芸会、展覧会、入学式、卒業式、修了式、保健指導、給食指導、給食費集金、清掃指導、生活指導、家庭訪問、競技会、テストと成績、通知表、指導要録作成・・・。
長い間印刷物は全てガリ版によって作り、謄写版印刷をしていた。それが普通の紙にペンなどで書き、複写機で印刷できるようになってかなり楽になった。退職近くなってワープロ機ができ少し便利になった。
今はパソコンで事務処理をし、メールやLINEなども活用しているのだろうと想像するが、便利になったように見えて却って事務量が増えたのであろうか。
以前にも書いたことがあるが、学校や教育委員会などによる研修の他に、自分で研鑽しようという教員たちは民間教育研究会で研鑽した。
私の場合は、児童言語研究会、作文の会に所属をして国語をメインに勉強をした。その他に数教協の算数指導法、科教協の理科の指導、学校体育研究会の体育指導、生活指導研究会なども勉強をした。そうした自主研究は授業後や土日や帰宅後のことであった。
夜遅くまで学校に残ってやる教員もいたが、私は自宅で夜遅くまでやった。今の教員のことは分からないが、授業の準備を自宅でやるにしても、自らがやるので苦痛ではなかった。それに研究会には大勢ん仲間たちがいて学び合い、励まし合うことができた。
研修というのは強制されてやるのではなく、自主的にやるもので、それができる環境が大事だと思っている。
今の学校現場は事務的な仕事や本来の業務ではない仕事で追われているというのはあるべき姿ではない。
「いま先生は」の連載では、やりがいのある、必要なことだけをやれる学校を作る手助けをして欲しい。
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