青洟(あおばな)を垂らす子がいなくなったのは
私が子どもの頃には青洟を垂らしている子がよくいた。青洟とは緑色がかった濃い鼻水のことである。今は青洟を見ないのでそう言っても分からない人が多いと思う。片方の鼻から垂らしている子だけでなく、両方の鼻から垂らしている子もいた。そういう子は農家の子に多かったように思う。冬は長袖の服を着るので鼻水を袖でぬぐっていた。そのために袖がピカピカしていた。
私が教員になった頃にはまだ青洟を垂らしている子が見られた。Wikipediaには1960年ごろまでの日本では青洟を垂らしている子が普通に見られたと書いてあった。
どうして青洟を垂らす子が見られなくなったのか。Wikipediaによると、「蛋白質の摂取が不足すると緑色の鼻水が大量に分泌され、俗に「青っ洟」(あおっぱな)と呼ばれる」と説明してあった。戦争中や戦後は食料不足で肉を食べることは皆無であった。私が住んでいた新宮市は幸い魚に恵まれていたが、それでも青洟を垂らす子がいたのは魚類をあまり食べなかったのかもしれない。給食の質がよくなり、タンパク質も摂れるようになった。それでいつのまにか青洟を垂らす子がいなくなったのだろう。
成長期の子どもにタンパク質が不足すると青洟が出るということは分かったが、どういう理由でそうなるかは調べたがわからなかった。
私は家庭の躾けの問題だと思っていたがそうではないことが分かった。
なお、青洟を垂らす子はいなくなったが、増えて来たのは花粉症やアトピーである。初めてアトピーを知ったのは教員になって5年目ぐらいにクラスにアトピーがあるという女の子が入って来たからだった。その頃は珍しいものであった。それがいつの間にか誰でもかかる一般的なものとなった。花粉症に至ってはNHKのアナウンサーでも花粉症だと言っているくらいで、貧富貴賤関係なく誰でもかかるものとなった。
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