年を取って血圧が高くなるのは自然な適応
スマートニュースに「年を取れば血圧は上がって当然?約70万人のデータでわかった『正常値』とは」という記事が目に止まった。最近どういう訳か毎朝測る血圧が少し高いからだ。高血圧の診断基準値である「収縮期血圧(上)140mmHg/拡張期血圧(下)90mmHg」を超えているので医者に行けば降圧剤を処方されるだろう。
この記事は降圧剤を飲むことで脳梗塞(脳の血管が詰まる病気)や転倒事故などのリスクが上がり、全体的な死亡リスクは、降圧薬で血圧を下げる方が、降圧薬を使わないときよりも高くなるというのだ。
他の病気や症状がなく、血圧が高いという理由だけで降圧薬を飲んでいた、男女合わせて2万6000人余りを10年以上追跡して、降圧薬を飲んでいる人と飲んでいない人の死亡率を、血圧レベル別に調べたコホート研究(集団を追跡する研究)というのがあるそうだ。
それによると、180/110mmHg以上という、かなり血圧が高い群であっても、降圧薬を飲んでいた人の死亡率の方が、降圧薬を飲んでいない人の5倍も高かったというのだ。特に、薬で血圧を20mmHg以上下げていた人では、死亡率が10倍に高まる結果が出ているという。
中高年以降は老化現象として、年を取るほど血管の弾力が低下してくる。脳や体の隅々にまで十分な血液を届けるために、高めの血圧で血液を押し出す必要が増すので、年とともに血圧が上がってくるのは自然な適応なのだそうだ。
血液は、血圧を下げて血流が弱まると、固まって詰まりやすくなる。それで脳出血と脳梗塞では、脳梗塞の方が4倍も発症率が高いのだという。
大櫛医学情報研究所長の大櫛氏が、日本総合健診医学会所属の北海道から沖縄まで全国45施設から、約70万人のデータを集めて策定した、男女別・年齢別の血圧基準範囲(2004年発表)によると、年齢が高くなるほど、血圧の基準範囲も上がっていく。以前最大血圧の基準は「年齢+90mmHg」といわれていたが、おおむねそれに近い値になったそうだ。
2019年に改訂された日本高血圧学会による最新の「高血圧治療ガイドライン(JSH2019)」では、130/85mmHg以上で「高値血圧」として治療の対象とさる。
だが、この基準は高齢者の場合、大櫛氏の策定した基準範囲では最適範囲に当たる人まで、「治療が必要」と診断されてしまうことになるというのだ。
そして降圧薬が処方されることになるが.、しかし、薬には必ず副作用があるから死亡リスクを高める原因になるというのだ。
現在の低過ぎる基準値は、非常に問題があると言わざるを得ないという。基準値を低くすれば、それだけ「治療が必要」とされる人が増え、多くの薬が使われて、製薬会社は莫大な利益が上があることになるのだ。その利益供与を受ける人が基準値作りに関わっているために、適切な値よりも大幅に低い基準値がまかり通っているのだという。
基準値を超えていても安易に降圧剤を使わず、食事、運動、その他の方法で下げるようにすることが大事だという。
この記事によって、降圧剤を使わずに血圧を下げようといろいろ試みているのは間違っていないと自信がついた。
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