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2021年8月23日 (月)

和歌山通信「新型コロナウイルス対策70号」―その②―

 和歌山県の仁科知事は新型コロナウイルス対策を「科学的に」と言っているのがすばらしい。

(2)退院基準の変更 

 1と並んで厚労省から退院基準の見直しが連絡されました。 これも何度か変遷していますが、 これまでは有症状の場合、 「?発症日から10日間経過し、 かつ、 症状軽快後72時間経過した場合、 退院可。 」としていました。 その基準を満たさなくても医師の判断で退院が可能になり、 自宅療養・宿泊療養にうつることができるようになりました。 これは賛成です。 異論はありません。

 さっそく、 和歌山県では10日を7日に改め、 「?発症日から7日間経過し、 かつ、 症状軽快後72時間経過した場合、 退院可。 」としました。 また、 無症状者の場合も、 検体採取日から10日間経過した場合退院可であったものを、 10日を7日に改めるということになりました。 何故かというと、 これまでのデータからこれは科学的に正しいと和歌山県は分かっているからです。 和歌山県のこれまでの事例では、 感染者が他者に感染させたと推定されるタイミングは、 発症後最長7日です。 むしろ発症前にも結構うつしていて、 発症後は4日もあればほとんどうつさなくなりますが、 変異株で一例だけ発症後7日というのがありました。 それでも7日です。 だからこれ以後はうつさないという判断をしていますので、 国の基準改定は賛成です。 むしろ、 発症の4日前から他者にうつしている例もあるので、 和歌山県の積極的疫学調査では行動履歴の調査でその辺を念頭に置いて前広に調べています。


3.ワクチン政策について

 今回の第五波の感染爆発において、 高齢者の罹患率が著しく低いというのは明らかにワクチンのためだと思います。 そういう意味で、 もう少し政府の対策を評価してあげるべきところもあると私は思います。 何故ならば、 国は、 今年の初めに3億回分のワクチンを確保したと発表し、 まず県自身が医療従事者に接種し、 次に市町村が65歳以上の高齢者に接種せよ、 その後、 60歳以上及び基礎疾患のある人、 そして一般の人と順番をつけて接種を実施しました。

 この第五波の猛威を考えると、 もし、 この政策なかりせば、 現状はもっと阿鼻叫喚の地獄になっていたと思います。 この国の政策を受けて、 和歌山県は、 早くから県と各市町村が緊密に連絡をとり、 接種体制を整えスタートダッシュをしましたが、 他県では医者が協力してくれないので接種できないなどと言って、 中々その進捗がはかばかしくない所もありました。 そもそも医療関係者は真っ先にワクチンを接種しているのに、 かつ国民がそれを望んでいるのに、 接種に協力しない医師が多いなんて信じられません。 行政が理をもって頼めば協力するのは当たり前だと思います。 現に和歌山県ではそうなっています。 ところが進捗がはかばかしくないところがあるというので、 菅総理が7月末までに高齢者への2回の接種を完了させよと厳命を下しました。 そのおかげで全国的に接種が進んだと思います。

 そういう意味では、 いつも政府が無策だ、 けしからん、 コロナがこうなるのも悪いのは皆政府だというばかりでなく、 専門家やマスコミもそして野党の方々は、 このようによくやった所はよくやったと褒めて差し上げたらどうかと私は思います。

 しかし、 良いことばかりではありません。 3億回分確保と言っていたのが、 契約もしていなかったというお粗末ぶりで、 今に至るまで量が確保できず、 接種体制を整えて、 そのまま突っ走れば、 9月中には接種が全て完了するはずだった和歌山県でも、 ワクチンの配分が無いために、 各市町村が接種スケジュールを後ろ倒しにせざるを得なくなっています。 すなわち、 予約を制限せざるを得なくなっているのです。
 

 この点は本当に政府の罪は重いと思います。 無いものは仕方がないというかもしれませんが、 それでも、 次の2点は、 もう少しなんとかしてほしかったと思っています。

 一点目は日本への供給量、 供給スピードを増やす努力をもっとやる余地はなかったのかということです。 既に一時は欧米でだぶつき感が出ていた中で、 支払いが確実な日本に特別に先に回すということが、 企業として本当にできなかったか、 当事者でないので、 とやかく言うのは失礼になるかもしれませんが、 私の経験では疑問です。 例えば、 政府とファイザー社との交渉ぶりが報道に出たことはほとんどありません。 外務省も経産省も厚労省も動いているという感はなく、 唯一、 菅総理が直接ファイザー首脳と交渉という報道が2回あっただけです。 元役人として言えば、 総理にだけ交渉させ、 他の要人が一回も渡米すらしていないというのは信じられません。

 二点目は本当に足りなくなった8月に入って、 接種で今まで先行していた当県はじめ成績優秀県が大幅に配分を削られました。 接種が遅い所に合わせて、 終期を統一していこうという、 日本人得意の悪習についに入ったかとしか言いようがありません。

 和歌山県などが接種が早かったのは伊達や酔狂でも偶然でもありません。 それこそ全県をあげて皆で力を合わせてスピードアップに取り組んだからです。 菅総理や河野大臣の掲げるワクチン接種の早期完了を達成しようと死に物狂いで努力したからです。 それを先行している所はもういいだろう、 遅い所が追いつくまで待っていろと言われたら、 もう立つ瀬がありません。

 努力する者は報われるというエートスが壊れたら、 人は皆堕落します。 働いても働かなくても、 勉強してもしなくても、 練習してもしなくても、 努力してもしなくても、 最後は皆同じというのは人間の持つ向上心を一番破壊する行為です。 私は時として日本人に現れるこういう何でも平等マインドがいずれ政府を覆うのではないか、 そうして努力して先行している県がパニッシュされるのではないかということを常に恐れていました。 そのため、 常に河野大臣などに早くできる所は早く終わらせればいいではありませんか、 早いからと言って絶対に不利に扱わないで下さいねと申し上げてきました。 でも、 ついにその恐れが現実になりました。 日本でモラルが廃れた瞬間のように思いました。

 

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