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2021年4月24日 (土)

メディアの過剰な尊敬語使用

 スマートニュースを見ていたら「『総理がおっしゃる』テレビの過剰な尊敬語に違和感 メディアと『対等』なのにな?」という記事があった。AERA.dotからのものであった。

 私はニュース番組はNHKが主で、サンデーモーニングと羽鳥モーニングショーを見ることがある程度である。だからこれまでに「総理がおっしゃっている」というような言い方には気が付かなかったが、そのように尊敬語が使われていても、言葉に鈍感で気が付かなかっただけかもしれない。

 テレビユー福島の記者、木田修作氏(35)は、テレビの報道番組や情報番組でキャスターや司会者、コメンテーターなどの出演者が政府や総理大臣に言及する際、「尊敬語」を使うことが常態化していることに大きな違和感を感じているという。

 メディアの大事な仕事は『権力の監視』だから、政治家に過剰に尊敬語を使う必要はない。「総理が話していました」で十分だというのだ。その意見には賛成である。

 国会議員は国民が選挙で選び、国民にかわって国会で審議をしているのだ。国民が主権者である。その国会で選ばれた首相だから首相は国民より偉いのではない。

 「総理がご判断されるのでは」「大臣はこうお考えになっておられる」など総理大臣や政府を尊敬の対象にしてしまうと、政治や政策に対する意識、声を上げる姿勢にも当然、影響が出てくるという。

 戦史研究家の山崎雅弘氏(54)は、「総理と『対等だ』という認識がメディアにないと、そもそも権力監視なんてできません。怖いのは、私たちの側も尊敬語に慣れてしまい、『国民は政府や総理よりも下なんだ』と刷り込まれてしまうことです」と指摘する。私なども政府より国民は下だと刷り込まれてしまって、やたら尊敬語が使われていても気にもとめないのかもしれない。

 山崎氏によると、権力の監視どころか、メディアが戦う前から負けている──。そんな状況は2012年12月に始まった第2次安倍政権からだという。

 たしかに安倍政権により、NHKに政権寄りの人物が送り込まれ、ニュースや良心的な番組が変えられた。また首相の記者会見でも官邸に仕切られてしまっている。

 国民もこうした状況に眼を向けて、メディアリテラシーを働かせて行くべきである。テレビに馴らされてしまっては戦前回帰に乗せられてしまうであろう。

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