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2021年1月19日 (火)

米国上院の弾劾決議への共和党の動きに注目する

 トランプ米大統領は1月13日夜、「米議会乱入を煽動した」として下院本会議で弾劾訴追された。下院は起訴状に相当する弾劾決議案を232対197で可決した。

 共和党議員の中には「弾劾に賛成したら殺すぞ」といった脅迫電話を受けた議員もいるが、10人がトランプ弾劾に賛成票を投じた。

 トランプ氏は20日に退任するので、上院が弾劾の是非の判断を下すのはそれ以後になる。有罪には出席議員の3分の2以上の賛成が必要である。上院議員が全員出席した場合、有罪には共和党議員17人の賛成票が必要だ。今回は上院でも弾劾に賛成する共和党議員が20人ぐらい出ると予想しているメディアもある。

 2回目の投票で賛成票が過半数となれば、トランプ氏は今後一切の選挙に立候補する資格を剥奪されるという。

 トランプ氏は次の選挙の立候補を目指しているが、弾劾が成立すればそれはかなわなくなる。

 あの議事堂へのトランプ氏の支持者が乱入した事件は、その前の集会でトランプ氏が議事堂へ行けとそそのかしたからであった。その結果議事堂の中はさんざんに荒らされ、大統領選の最終結果を審議中の議員たちは死ぬ思いで逃げなければならなかった。暴徒の中には銃を持った者や火炎瓶を持った者もいたのだ。

 民主主義の象徴の様な米国であのような事態が起きるとは驚愕であった。さすがの米国市民も6割がトランプ大統領は即時辞任すべきだとしている。

 マコネル共和党上院院内総務も「トランプ氏は弾劾に当たる罪を犯した」という認識を示し、弾劾賛成に回りそうな議員にやめるよう説得はしないと明言しているそうだ。同氏は、「(弾劾の動きは)喜ばしい」とまで発言しているという。

 20日のバイデン氏の大統領就任式の日には何が起こるか分からないと厳重な警戒がされているようだ。就任式に出ないというトランプ氏は何か最後の悪あがきをするのであろうか。

 マコネル氏は「そうした行動を煽動し、弾劾訴追されても『ばかげている。激しい怒りを招き、とてつもない危険を国家に与える』と言っているトランプという人間を支持するほど、米国民は民主主義とは何かを知らないはずもない」と語ったが、その言葉を信じたい。米国の良心がまだなくなっていないことを期待したい。

 

 

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