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2021年2月 1日 (月)

新聞によって違う米大統領就任演説の訳

  29日朝日新聞朝刊の「池上彰の新聞ななめ読み」で朝日、読売、日経三紙のバイデン大統領就任演説を取り上げていた。新聞によって訳し方が違うことを解説していたのだ。朝日新聞と日経新聞は英文を載せて訳文をつけていたそうだ。私は朝日新聞しか取っていないので、英文がどのように訳されているかに注目しながら読んだ。

 池上氏は3か所とりあげていたが、ここでは冒頭に近い部分を取り上げる。

 Today,we celebrate the triumph not of a candidate,but of a cause, the cause of democracy.The will of the people has been heard and the will of the people has been heeded.
We have learned again that democracy is precious. Democracy is fragile. And at this hour, my friends,democracy has prevailed.

【朝日新聞】
 今日、私たちは大統領候補者の勝利ではなく、大義の、民主主義の大義の勝利を祝福します。人々の意思は届き、そして聞き入れられたのです。
 民主主義は大切であることを改めて学びました。民主主義は壊れやすいものです。皆様、今この時民主主義は勝利したのです。

【読売新聞】
 私たちが今日祝うのは候補者の勝利ではなく,大義、すなわち民主主義の大義だ。国民の意思が聞き入れられ、考慮されたのだ。
 民主主義がかけがえのないものであることを、私たちは新たに学んだ。民主主義とは、もろいものだ。そして皆さん、民主主義は今この時をもって、勝利した。

【日経新聞】
 我々はきょう、一候補者の勝利ではなく、民主主義の大義の勝利を祝っている。人々の意思が響きわたり、人々の意思が聞き入れられた。
 我々は改めて民主主義の貴重さを認識した。民主主義はもろいものだ。しかし今この瞬間、民主主義は勝利を収めた。 

 weを朝日と読売は「私たち」、日経は「我々」と訳している。

 celebrateを朝日は「祝福します」、読売は「祝う」、日経は「祝っている」朝日と読売はほぼ同じだが、日経は状態を表

       しイメージが違っている。
 

 causeはいずれも「大義」と訳されている。
 

 heardは朝日が「届き」、読売が「聞き入れられ」、日経はなんと「響きわたり」 
     と訳している。
 

 againを朝日と日経は「改めて」、読売は「新たに」と訳した。
 

 preciousは朝日は「大切であること」、読売は「かけがえのないもの」、日経は
     「貴重さ」と訳している。
 

 fragileは朝日が「壊れやすい」、読売と日経は「もろい」と訳した。
 

 at this hourは朝日は「今この時」、読売は「今この時をもって」、日経は「今この瞬間」と訳している。
 

 prevailedは朝日と読売は「勝利した」、日経は「勝利を収めた」と訳している。

 これまであまり気にも留めなかったが、外国語を自国語に訳すとき訳し方によってかなり違って来ることを知った。毎日や産経や中日はどう訳したのか知りたくなった。

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