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2021年1月29日 (金)

新型コロナウイルス、和歌山県知事のメルマガー②ー

 仁坂知事は昨日の終わりの部分で保健医療行政がやっていることは次の4点であるとのべている。

1 早期発見
2 早期隔離
3 徹底した行動履歴の調査
4 保健所の統合ネットワークとしての運用

  県庁をヘッドクォーターとして全県の保健所が活躍して、 上記のことを行ってコロナを抑え込もうとする営みを専門用語で積極的疫学調査と言います。 日本でも昨年の初めのころ、 この言葉は、 度々マスコミの報道をにぎわしたということを覚えておられる方も多いでしょう。 私自身は、 昨年の2月に勃発した済生会有田病院の院内感染の抑え込みのために、 全力で取り組んでいた時だったので、 自分たちが必死でやっている保健医療行政の行為がこういう名称で呼ばれていることについて、 少し語感的に違和感がありました。 しかし、 当時は国も、 少なくとも国の専門家の方々も、 この積極的疫学調査を重視して、 地方でこれをする時はこういう方法でそれを実施せよ、 などという指令をどんどん出していたのです。 (付言すれば、 そのうちいくつかは医学的にも論理的にも間違っていると思ったので、 和歌山県では従わなかったのですが、 いずれも後でその誤りが明らかにされ、 和歌山県の方法でよかったということが分かりました。 )
 

 ところが、 いつの頃からか行動の制約ばかりが議論されるようになり、 明らかに日本と比べると失敗している欧米流の感染症対策に基づく対策ばかりが強調されるようになりました。 何割行動を抑えたら感染は何割減るといった類のものです。
 

 その流れの中で、 5月のゴールデンウィークをターゲットにして全国に緊急事態宣言がなされ、 徹底的な自粛によって、 感染者は劇的に減ったのですが、 せっかく減ったのに、 その間、 次なる感染に備えて、 感染の大爆発で傷んで機能不全になった保健医療行政を立て直し、 PCR検査や、 コロナ用病床の確保等の備えを増やすといった対応を怠るところが結構あったのではないかと思います。
 

 これなども、 一番の権威であるはずの感染症の専門家が積極的疫学調査の重要性を忘れてしまい、 その体制立て直しこそ大事だという警鐘を鳴らすことを怠ったからではないかと私は思います。
 
 実は、 関西では、 大阪も兵庫も京都ももちろん周辺の各県も、 政府や国の専門家に言われなくてもその立て直しに努力しました。 私も隣県に僭越ながらアドバイスをしたこともありました。 関西の知事の中でも、 人口も多い大県の知事で人気もある方も含めて皆この保健医療体制について、 かなりの頻度で発言していて、 この事からも、 それだけ熱心に取り組んできたのだということは明らかだと私は思います。

 その結果、 第一波の後、 関西では、 一時期コロナの発生が0という日々が続きました。 同じような住民への自粛を強いても、 ブスブスと感染が続いていた首都圏とは大違いです。 それらの知事さん達が、 マスコミに対して、 どういうメッセージを発していたかを思い起こせば、 少なくともこの機会に保健医療行政を立て直すのだとか、 積極的疫学調査の技術をこう改良するとかの言及は、 おそらくなかったように思います。 いくら、 住民の行動を抑制して感染はある程度減らしたにしても、 最後に感染拡大の防止に究極的に影響を及ぼしうるのは、 積極的疫学調査です。 これが疎かになっていては、 感染は止められません。 人々が自粛を少しルーズにし始めたとたんにまた爆発します。 しかもそれが日本の中心地で影響力の大きい地域であれば、 他を巻き込んでいきます。 夏から秋にかけて、 まさにそのことが起きました。

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