ラグビー日本チームが南アフリカを大逆転した陰にいたのは
2週間ほど前のNHK「逆転人生」でスポーツ心理学者の荒木香織さんを取り上げていた。2015年の五郎丸が活躍したラグビーのワールドカップで当時最強と言われた南アフリカのチームに勝った。日本チームは絶対に勝てないと見られていたのが大熱戦の末見事に逆転して勝ったのであった。ラグビーに関心のない私でさえ五郎丸の名は刻み込まれた。
その奇跡ともいえる大逆転劇の裏に荒木香織さんというスポーツ心理学者がいたというのだ。
荒木さんは米国のノースカロライナ大学でスポーツ心理学を学び、日本に帰ってそれを広めるべく職を探したがすべて断られたという。日本にはスポーツ心理学というものを受け入れる素地がまだなかったのだ。
その荒木さんに2012年のある時、ラグビーの日本チームヘッドコーチのエディ・ジョーンズさんから電話があり、日本チームの強化を手伝って欲しいと頼まれた。それがきっかけで日本チームのメンタル面のサポートを担当することになったのだ。当時荒木さんは33歳であった。
若い女性の荒木さんがワールドカップまでの約3年間選手たちのメンタル面をスポーツ心理学という科学を使って鍛えたのであった。
荒木さん自身陸上の選手でしかも有望な選手であったが、強く成ることや勝つことについては精神主義しかなかったという。確かにどのスポーツでも根性とかガッツなどであった。
そういう日本的精神力に対し、荒木さんは心を鍛えるためにスポーツ心理学という科学を持ち込んだのだ。
例えば「緊張」について、荒木さんが学んだスポーツ心理学では、
身体の不安 ・手汗、・動悸、・吐き気、・喉の渇き
緊張
認知の不安 ・自身の喪失、・失敗への恐怖、・いらつき、・集中力の欠如
と説明されており、ショックを受けたという。
荒木さんはラグビー選手たちに下の写真の10項目を与えた。
かつての日本の軍隊のように戦後も精神主義がスポーツ界を覆っていたのを、荒木さんがスポーツ心理学という科学で変えようととし、ラグビー日本ティームで実証したのであった。その後日本のスポーツ界はどうなったのかについては番組は伝えていなかったのが残念である。
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