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2020年10月25日 (日)

学術会議前会長山極氏の「学術会議と民主主義」から

  菅首相はインドネシアでの記者会見で、日本学術会議の会員候補6人を任命しなかったことについて「推薦された方々がそのまま任命されてきた前例踏襲をしてよいかか考えた結果だ」と語った。

  前学術会議会長の山極寿一氏が22日の朝日新聞の「科学季評」に書いているように、会員や連携会員、さらに全国の2千以上の学術研究団体の推薦から選考会議が学術業績の高い会員候補者を選び、首相に推挙する。」と書いている。

  いい加減なやり方で会員候補を決めているのではないのだ。学術会議の構成員はそれぞれの研究分野で立派な業績を上げた方ばかりなのだ。その人たちが慎重に選考して推挙した人を、勝手に任命拒否したのだ。菅首相は学術会議を自分の意向でどうにでもできることを示したかったということだ。

 しかも6人を除外したのは、警視庁出身の杉田氏官房副長官だと分かった。任命されなかった6人は人文・社会科学の研究者で、これまでに政府のやり方に異を唱えた人ばかりである。その人たちを除外したのは戦前の思想犯扱いを彷彿とさせる。

 山極氏が指摘するように、憲法第6条の「天皇は、国会の氏名に基づいて、内閣総理大臣を任命する」と同じなのだ。天皇は拒否できない、形式的なものなのだ。

 山極氏は、「任命しないのは学術会議法に違反するし、理由を述べないのは民主主義に反する」と述べている。その通りである。そして、「国の最高権力者が『意にそわないものは理由なく切る』と言い出したら、国中にその空気が広がる。あちこちで同じことが起き、民主的に人を選ぶことができなくなり、権威に忖度する傾向が強まる。それは着実に全体主義国家への階段を上って行くことになる」と指摘している。

 「全体主義国家」、それは私が以前指摘した戦前回帰である。それこそが菅首相が目指すところなのだ。戦後75年間守って来た民主主義をなし崩しにされてはならない。全体主義国家がどんなに悲惨なものであったかを知らない人が増えているが、書籍等で勉強してほしい。

 山極氏は、学術会議会員任命拒否は民主主義の問題だと指摘しているが、大事な指摘である。

 菅首相も自民党も、この問題を学術会議に問題があるとすり替えているが、こういうことが平気でまかり通る政治の劣化が恐ろしい。そこには民主主義はどこにもない。

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