学術会議6人任命拒否の理由を説明できないのはなぜか?
日本学術会議が推薦した会員候補のうち6人が任命しなかった問題で5日、菅首相は読売、日経、北海道新聞の3社の記者の質問に答えた。
首相は「推薦された方をそのまま任命してきた前例を踏襲してよいか考えて来た」と述べた。学術会議が推薦者を政府に示す今の仕組みを「事実上、現在の会員が自分の後任を指名することも可能」との見方を示し、「任命責任は首相にある」と述べた。しかし、6人を任命しなかった理由は説明しなかった。
肝心の任命拒否の理由を説明しないのはなぜなのか。説明できないような理由でやったからであろう。
羽鳥モーニングショーに出た大西隆元学術会議会長は、推薦に当たっては法にある選考基準に基づいて適格な人を選んでいると語っていた。朝日新聞6日の記事では6人はそれぞれ業績もしっかりした人たちだと書いている。
また自分の後任を指名できるという指摘についても、大西氏は指名された人について討議をして決めていると述べた。
そして大事なことは任命しない理由をきちんと説明してもらうことだと話した。そうでなければこれから推薦をするときにできなくなると言った。
首相は任命できないと判断をしたとき、なにかの尺度を持ってやっているはずだ。業績が不十分だとか、私的生活の問題があるとか、政府の方針に合わないとか・・・。「個別の人事だからコメントは差し控えたい」で済まされてはたまったものではない。国民をはバカにしている。
安倍政権の時も森友問題、加計問題、桜を見る会、安保法、共謀法、改ざん問題等々・・・・すべて理由を説明せずにスルーしてきた。菅政権でも同じであることを証明した。
任命拒否について安倍政権のときに内閣法制局に尋ねたところ「問題ない」という回答だったことを踏まえていると述べた。
集団的自衛権の閣議決定の時には、事前に法制局長官を入れ替えて政権に近い長官を据えて行った。法制局長官は法や憲法の上にあるのだろうかという疑問が湧く。この点についてはメディアも取り上げていないが、私のような法に疎い者が見ると法制局の解釈しだいで法が曲げられるのはおかしいと思うのだ。
菅政権の支持率は71%という世論調査があった。安倍政権以上に恐ろしさを感じさせるのに信じられないことだ。
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任命拒否の理由は、前川喜平氏がAERAで次のように述べています。政権にとって都合の悪い人間を排除していけば、学術会議が御用機関となります。それでは彼らの狙いは何か。それは、軍事研究でしょう。政府は日本の軍事力強化に力を入れてきています。防衛省では15年に「安全保障技術研究推進制度」を導入しました。防衛省が提示するテーマに従って研究開発するものに、お金を提供する制度です。導入当初は3億円だった予算規模は、今では100億円にもなっています。他方で、日本学術会議では、1950年と67年に「戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない決意の表明」と、「軍事目的のための科学研究を行なわない声明」の二つの声明を出している。戦争に協力した反省からです。2017年にはこの二つの声明を継承することを表明しています。菅政権にとっては学術会議のこういった人たちが目の上のたんこぶなんですね。最終的には日本の大学で軍事研究を進め、独自の軍事技術を持って、兵器をつくっていきたい、ひいては戦争に強い日本をつくりたいのでしょう。軍事研究に反対する人を排除して、思うままに軍事研究を推進したい、実に的を得た指摘ですね。
投稿: danny | 2020年10月 8日 (木) 08時15分