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2020年10月29日 (木)

ウソに馴らされるとその先は

 米国の大統領選もいよいよ大詰めとなってきた。トランプ大統領か、はたまたバイデン前副大統領か、世界は固唾をのんで見守っているに違いない。

 トランプ氏は新型コロナウイルスに感染したが、3日で退院し、完治したと言って、大規模な集会を開き支持者たちを煽っている。

 トランプ氏がツイッターや大衆の前で言いたい放題のことを言い、それを聴く支持者が熱狂する。そのやり方がトランプ氏の選挙戦だ。


 ワシントンポスト紙によると、トランプ氏は大統領就任以来、2万回以上の「虚偽や誤解を招く発言、発信」をしたそうだ。2万回!!驚くべき数字である。嘘じゃないだろうね?と言いたくなる。、もちろんトランプ氏は「フェイクニュースのワシントンポストがまたフェイクを言った」と言っているだろう。

 「トランプ氏のウソには理由が不明の場合が多い。真実とウソの限界が認識されていないのかもしれない」とニューヨーク市立大学のエリック・オルターマン教授は指摘しているという。

 思い付きで、感情の赴くままに、言いたいことを言っているのだろう。そして彼はウソをつくことを恥ずかしいと思っていないようだ。だから堂々と、2万回以上のウソが言えたのだ。

 「ウソも100回つけば真実となる」という名言を吐いたのはナチスのヒトラーであったが、トランプ氏も同類である。

 道徳心理学が専門のロンドン・ビジネススクールのダニエル・エフロン准教授は、「『見え透いたウソ』を受け入れるいとなみを重ねることで、政治家と支持者の間に一体感が築かれる。周囲から批判されるほど絆は深まる」と指摘している。ウソをついててもトランプ氏が熱狂的に支持されるのもそういうことだったのか。

 しかし、考えてみればこの現象は米国のことだと笑ってすまされない。戦前に日本が軍国主義ファシズムに覆われたのも現人神の天皇をいただいて、メディアを始め、すべての国民に批判を許さなかったからだ。

 負けると分かっていながら無謀な戦争に突っ込み、戦線を拡大し、各所で負けながら、「勝った!赫赫たる戦果を挙げた!!」とウソをついた大本営。そしてそれを伝えたメディア。国民は疑うことを許されなかった。

 そういう時代に再び戻されないとは言えないのだ。安倍政権が重ねて来たウソ。それを引き継ぐ菅政権が、学術会議会員拒否をきっかけに、問題は学術会議の在り方にあるとウソの方向に導こうとしているのだ。

 情報や政治へのリテラシーをみがいて、批判することに躊躇してはならない。ウソに不感症になってはならないのだ。

                                                        (朝日新聞26日「日曜に想う」を参考に)

 

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