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2020年10月 1日 (木)

半沢直樹が受けたのは?

 半沢直樹最終回は予想されていた通り、30%の視聴率を超えて32%余りであった。前回に半沢が頭取から担当部署を外すと言われ「1000倍返しだ!」と怒鳴ったので、最終回でどのように展開するのかに期待がもたれたのであろう。

 半沢直樹のストーリーは、テレビだけ見ていると分かりにくいところがあるが、それを通り越して、あの歌舞伎役者を揃えての「顔芸」に視聴者は引き込まれてしまったのであろう。

「顔芸」のようなことは、現実生活ではありえないことだが、それを敢えてやって売り物にしたのは誰がそうさせたのであろう?

 途中で裏話を紹介する回があったが、大和田と半沢の「顔芸」は彼らのアドリブも多用されたみたいだ。幹事長のまえでの親亀・子亀場面では8回も撮り直し二人とも腰が痛くなったとか。あの顔を近づけても怒鳴りあいも大変だったと思われる。

 半沢直樹はいつも正義を貫く。勧善懲悪である。最終回では敵であった白井大臣を味方にして悪の権化の幹事長を、国民が観ている記者会見の場でやっつけるというどでん返しであった。そして白井大臣は大臣をやめ平議員からやり直すし、頭取も辞めてしまった。幹事長は政治資金規正法違反で逮捕された。

 その辺りは自民党政権を痛烈に皮肉っているようにもとれる。安倍政権には正義を貫く者は一人もいなかったので、森友・加計問題や公文書廃棄や改ざん問題、桜を見る会疑惑などそのままになってしまっている。

 そうした現実に嫌気がさしているので、視聴者は半沢直樹を見て留飲を下したのではないか。しかし大事なことはフィクションのドラマでカタルシスをすることではなく、現実の政治や世の中での悪を正していくことが求められる。

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