子どもの頃の夏の夜
夜雨戸を閉めようとガラス戸を開けたら、ムッとする熱気が体を襲った。室内はエアコンで冷えているから余計に暑く感じたのであろう。そのとき子供の頃の夏の夜を思い出した。
戦後間もない頃の夏は、子ども心には暑く感じたが、気温でいうとこの頃の夏ほどではなかったかもしれない。でも、夏は暑かった。
昼間は暑くても、近所の連中と飛び跳ねていたからよかったが、日が沈んでからも暑かった。その頃は銭湯に行っていたが、銭湯に行かない日は、母がくどで釜に水を入れて沸かし、それを庭に置いたたらいに入れてそれで行水をした。兄弟が4人いたから6人分の湯を沸かすのは大変であった。もちろん私も手伝った。
夕食と行水を済ませると、外に出て近所の人たちと夕涼みをした。団扇を手にもって時々煽ぎ、時には蚊を追い払った。渦巻線香を燃やしていたがそれでも蚊は襲って来た。
夕涼みは大人も子どもも楽しい交流の場であった。将棋をしたり、おしゃべりをしたり、いろいろな遊びをした。9時ごろまで外にいて家の中に入ったが、暑かった。縁側の障子や雨戸は開け放しであったが、とにかく暑かった。
蚊を防ぐために蚊帳をつって、寝床にはゴザを敷いて寝た。蚊帳に入るときは、団扇で煽いで蚊を追いやり素早く中に入った。蚊帳の中は風通しが悪いので暑かった。
蚊は蚊帳で防ぐことができたが、簡単に防げないのがノミであった。どこからかノミが入ってきて体に取り付いて血を吸った。それを見つけて親指と親指の爪の間に挟んでプチっと殺すのであった。ノミの跳躍力は凄かった。捕まえるのは大変であった。
あの暑い夏によくも熱中症にならなかったものだと思う。今はエアコンをつけて寝ているからよいが、それでも毎日熱中症に注意するよう呼びかけられている。子どもの頃は熱中症のことなどやかましく言われなかった。ただ「日射病」にかからないように帽子を被るとか水を飲むとかは言われた。
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蚊帳に蚊が入らないように出入りしたのが懐かしいですね。長い床机に腰かけて夕涼みをしました。
井戸や氷冷蔵庫で冷やしたスイカがおいしかったです。
今ほど暑くなかったのはまだ各家庭にエアコンが普及していなかったこともありますね。
お隣さんなど5台も6台ものエアコンを各部屋で使うのでその熱気で外気温が45℃以上あります。昔は時折涼しい風が家の中を通り抜けて心地よかったですね。今は蚊も少なくなったようですが、マダニの被害は毎年報告されていますね。マダニに噛まれると6日から14日の潜伏期間後に、発熱や下痢が起きてSFTS(重症熱性血小板減少症候群)になると、有効な薬もワクチンもなく、高齢者は重症化しやすいそうです。マダニに噛まれると致死率は6%から30%と非常に高く、わずか0.5ミリで、吸血して1.5ミリほどですが、ペットや野生動物を媒体して人間に感染するようです。外での草引きなどの作業は長袖、長ズボン、手袋をして、クビにタオルを巻くなど、肌を露出しないことが大切のようですね。
投稿: danny | 2020年8月22日 (土) 08時46分