保健所を強化すべし
和歌山県庁メールマガジン7月1日号が届いた。その中に知事の「コロナを見る眼」というメッセージ(下記)があった。外国と比べて日本が自粛だけでコロナを抑えることができているのは、保健所が必死に頑張っているからだと指摘している。
新型コロナウイルス禍で明らかになったのが、保健所の重要さであった。残念なのはその保健所がずっと以前から統合改編が進められ、1990年には全国で850か所の保健所があったのが、2019年には半分近くの472か所にまで減らされていることである。そんな中での新型コロナウイルス禍が広がって行ったのだ。
新型コロナウイルスが始まったころ、保健所に連絡するようにされたが、その保健所が絶対数で少ないので、連絡する側も連絡が取れず大変であった。他方保健所の側も少ない人数で対処しなければならないのでてんてこ舞いであったと言われる。
和歌山県では県と保健所が協力して懸命の対応したそうだが、これからも続くであろう新型コロナウイルスやインフルエンザなどへの対応のために、保健所の削減をやめて万全の体制を築く必要がある。
【コロナを見る眼】
新型コロナウイルスが世界で猛威を振るっており、 日本も例外ではもちろんなく、 政府が緊急事態宣言を出し、 全土に適用されるようになり、 解除になるまで、 日本国民がこぞって行動の自粛、 営業の自粛で、 人と人の接触を少なくして、 コロナを見事下火にしてみせてくれました。
欧米各国は、 日本よりももっと強い強権を発動し、 外出の禁止や事業活動の停止をしたのにもかかわらず、 感染者が思ったほど減らなかったのと好対照です。
しかし、 そういう日本も、 外出や営業の自粛によって、 国民経済は壊滅的な打撃を受けました。 和歌山県も、 特に観光立県ですから、 国外の観光客がほぼゼロになった上に、 県外との往来自粛で、 大都市以上の打撃を受けています。
このままだとコロナは抑えられても、 我々の生活が死んでしまうという局面に追い込まれています。 どうしたらいいのでしょうか。 その前にどうして日本は、 自粛でコロナが激減したのに、 欧米は減らないのかと考えてみました。
欧米には、 日本のような感染者を見つけ出して隔離するという感染症法がなく、 それを行う保健所もあまり機能していません。 だから、 感染が拡大すると対策は、 戒厳令みたいな国民の行動制限しかないのです。
日本は違います。 和歌山県はもちろんですが、 各県の保健当局が必死でがんばっているので、 国民が全面的に自粛で協力するのは、 保健当局が失敗して、 自らの力を超える感染が拡がってしまったときでよいのです。
自粛だけが唯一の手段ではないのです。 それにこだわりすぎると、 経済を破壊し、 生活と教育を破壊して、 別の所で命さえ失いかねません。
当分の間、 コロナはそうはゼロになりません。 したがって、 コロナがゼロにならなければ教育も県外との往来もすべて許さないという考えはちょっと抑えて、 安全な生活、 安全な外出に気を付けながら、 生活と経済の再建も図りましょう。
あとは、 コロナとの戦いで設備と装備がより強力になった県の保健行政ががんばります。
和歌山県知事 仁坂吉伸
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県行政のトップであれば当然でしょうが、いくら和歌山県でもさすがに保健行政に信をおきすぎのように思えます。
「伝染病」からいつのまにか「感染症」に名前を変えてはいても、爆発的な拡大があるという点は変わっていません。
今回の新型コロナで亡くなった人は、今日まで千人足らずで、毎年肺炎で亡くなっている人数に比べたら驚くほどのものではないなどと言う専門家もいます。
しかしいつまでそのような落ち着いたことを言っていられるかは、はなはだあやういところです。
保健所を増やしたり強化したりすることは一朝一夕には無理です。検査を受けるには兎にも角にも保健所の関所を突破しなければならなかったこれまでの方式を反省しなければ、東京ではすでに気配が出ている感染の拡大さらには爆発に対処することはできないでしょう。
投稿: たりらりら | 2020年7月 2日 (木) 17時25分